歌謡界の大御所 荒木とよひさが語る、歌姫テレサ・テンの作詞の心得

By -  公開:  更新:

12月23日(木)、Click Holdings株式会社・代表取締役社⻑ 半沢龍之介が編集長、ニッポン放送・前島花音アナウンサーが副編集長を務めるラジオ番組「ラジオマガジン・登龍門」(ニッポン放送・毎週木曜20時30分~21時)が放送。日本を代表する作詞家の1人、荒木とよひさが出演し、今も多くの方に愛されるテレサ・テン、その楽曲にまつわる思い出を語った。

半沢龍之介・荒木とよひさ

毎週様々な分野で活躍するゲストを迎えてトークする同番組。今回は作詞家・荒木とよひさが、作詞家になった経緯と歌姫テレサ・テンとのエピソードを述べた。

三木たかしから夜中に電話「テレサ・テンの曲ができたけど聴いてくれる?」

半沢:テレサ・テンさんの数々の名曲の歌詞を書いていますが、デビューからのお付き合いではないんですよね?

あらき:『空港』が売れたあとテレサさんはちょっとしたトラブルで帰国したんですね。たまたま彼女をプロデュースしている人が僕のバンド時代の仲間で。久々に電話がかかってきて「『空港』じゃない彼女の新しい歌を作りたい」と言われて「曲はどうするの?」と聴いたら「三木たかしがいいと思う」と。それまで三木さんのことは知らなかったんです。三木さんも頑固な人でね(笑)彼は夜型で夜中に電話がかかってくるんです。

半沢:夜中に電話ですか(笑)

あらき:「とよさん、できたけど聴いてくれる?」って。感情豊かに電話で歌ってくれるんですよ。ギター1本で歌っているわけね。

半沢:歌詞がない、ハミングでですか?

あらき:そう。三木さんとのコンビは99%曲が先で僕があとから歌詞をつけていました。電話で歌ったもらった曲を頭に入れながら寝るでしょ。次の日、僕の家のポストにカセットとメロディの楽譜が置いてあって。1度聴くと「この人、何を考えているんだろう」と思うくらい鳴きが入ってる。今度は譜面を見て自分で弾いて歌うと見えてくることがあって。作曲家というのはメロディで詞を書く人、僕ら作詞家は譜面でなくて原稿用紙でメロディを書く。そういう作業だから、三木さんはラブレターを書きたいんだけど手紙が書けない。その代わりメロディを書くということだよね。

半沢:三木さんの中でメロディができた時に画面が浮かんでいるわけですよね。

あらき:声の大きい人だったからね。

半沢:そこに脚本を移していくんですね。

あらき:僕が歌詞を書く時に注意したのは、テレサ・テンさんの場合は造語を使わない。流行っている言葉も使わない。キレイで優しくて簡単な言葉で歌詞を書く。様々な方がいるけど、彼女の歌を桂銀淑さんが歌ったら絶対響かないと思う。その代わり、桂銀淑さんの世界をテレサ・テンは歌えないですよね。

熊谷実帆・荒木とよひさ・半沢龍之介

自分の心に歌うのが歌手、客はそれを盗み聞きするもの

半沢:テレサさんには品の良さがありますよね。いつも寂しげな顔をしているので、可愛がってやりたい気持ちになりますよね。

あらき:触れると壊れそうなところを持っていたというか。すごく色々なことで悩んでいてね。彼女は日本というマーケットもあったけど、米で売れたかったんじゃないかなと思いますね。

半沢:歌声もそうだし、表現力もすごいですよね。悲しげな表情を歌でこれだけ表現できる歌手は今後も出てこないんじゃないかと思いますよね。

あらき:歌い手さんに対して、誤解しているところがあるんだけど。みんなに歌ってあげているとか言うでしょ。本当は自分の心のなかにある聞き分けのない自分、過去に詫びる人。そういう自分に歌っているのを誰かが盗み聞きして感動するのが歌なんだよね。今は全部お客さんに向かって歌うじゃないですか。

半沢:自分に歌うのが一番だと。

あらき:自分の心に歌うんですがなかなか分かってくれないというか。

前島:それを私たちが盗み聞きしているんですね。

あらき:そういうこと。僕だって色んな歌を書いているけど、仕事をする歌い手さんは置いておいて、まずは自分に詫びているよね。

テレサ・テンとのエピソードを通じて、歌とは何かを語る荒木とよひさ。他に、プロの作詞家になるまでの苦労話を語った。

番組情報

ラジオマガジン・登龍門

毎週日曜日 20:30-21:00

番組HP

海外発ゲームアプリの日本でのローンチのほか、電動アシスト自転車「HONBIKE」の開発、モバイルインターネットによる新ビジネスの構築から、アーティストのプロデュースまで、ひとつの企業代表にとどまらない活躍をしているClick Holdings株式会社・代表取締役社長 半沢龍之介が「編集長」となり、ラジオ番組全体を雑誌に見立て、番組を展開する。「副編集長」は、ニッポン放送アナウンサー・前島花音が担当します。
これから社会人になる若者から、日々の仕事に悩むビジネスマンまで、『聴くとタメになる』成功体験談や、日々の生活の中で抱える問題解決のヒントとなるようなエピソードを語るラジオ番組です。

Page top