『時の流れに身をまかせ』『つぐない』、テレサ・テンの名曲の歌詞誕生秘話を荒木とよひさが語る

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12月30日(木)、Click Holdings株式会社・代表取締役社⻑ 半沢龍之介が編集長、ニッポン放送・前島花音アナウンサーが副編集長を務めるラジオ番組「ラジオマガジン・登龍門」(ニッポン放送・毎週木曜20時30分~21時)が放送。日本歌謡界の重鎮、作詞家の荒木とよひさが出演。その手から生み出された名曲の数々の誕生秘話を述べた。

半沢龍之介・荒木とよひさ

毎週様々な分野で活躍するゲストを迎えてトークする同番組。今回は作詞家・荒木とよひさが、テレサ・テンの名曲に隠されたエピソードを語った。

前島:テレサ・テンさんの『つぐない』『愛人』『時の流れに身をまかせ』の歌詞が生まれた背景を教えて下さい。

荒木:「なんで女心が分かるの?」「どうやって書くの?」とよく聞かれます。「お酒を飲んでいる時にふっと浮かぶんですか?」と言われるんですけど、そんなことはありません。音楽は考えるんですよ。考えて考え抜いて。芸術家というと他のジャンルになっちゃうけど、結局作詞家、詩人はずるい(笑)ワンフレーズ書き終えた時、「やった!(他の人に)こんなもの書けるかよ、女の子が読んだらウルウルするよ」と思うわけ。小さいけど良いことを言いたい時は大きいもので表現する。大きいものを表現する時は小さいもので。空を書く時は空を見るでしょ。アリの気持ちになって。アリが空を見るとすごい空になるじゃないですか。鳩が空を飛ぶなら当たり前になっちゃうけど。アリって本当に空を見るのかなって思って、つかめるわけ。「趣味はなんですか?」と聞かれると、寝る前に30分くらい本を読んで考えることと答える。「もしもあの時…」と想像して、これからどんなもしもに出会えるかを考えているね。

半沢:テレサ・テンさんの『つぐない』でいえば、歌う時に「愛をつぐなえば 別れになるけど」ってどういうことですかって。

荒木:考えるじゃない。普通は、愛を償うわけだから別れるとは言わないでしょ。何かをしてあげたいと思う。

半沢:愛せるじゃないかと。

荒木:だけど男の人と女の人が「あなたに償うことがあるとすれば、あなたには帰る場所があるでしょ。私の償いはその場所に帰すこと。それが償いだ」というわけ。主人公は道ならぬ恋の立場に置かれている人だよね。でもそれは普通の生活にもあるよね。「愛をつぐなえばお金じゃないですか?」という人もいるんだけど、よく聴けと(笑)物事を書く時には、一幕にピストルが出てきたら三幕で必ず発射されるとニーチェが言っているんですが、まさにこれです。何か因果関係を作っておくわけですね。

半沢:そういうのがあると面白いですよね。

荒木:あと造語。北陸を旅していた時に、すごい悲しい景色が広がっていたんですよ。これを頭に入れておいて、いつか歌にしようと思っていて。たまたま森昌子さんが大人の歌を歌いたいと聞いた時、『哀しみ本線日本海』という曲を書いたんです。『北陸本線日本海』ではダメなんだよね。

半沢:何度聞いても「これどういう意味?」と考えさせるのは楽しいですね。

熊谷実帆・荒木とよひさ・半沢龍之介

『時の流れに身をまかせ』の誕生秘話、濁音に隠された秘密

半沢:荒木先生が作詞家のヒットメーカーとなった登竜門はなんでしたか?

荒木:大げさにいえば、これで生涯メシを食える仕事になるなと思った瞬間ですかね。テレサさんと出会って、三木たかしさんと出会った。それがおおきな出来ごとだったかもしれないね。

半沢:この3人は本当に名曲の数々を生み出してきましたもんね。『時の流れに身をまかせ』は、どういうところから?

荒木:1つのテーマは、「もしもあなたと逢えずにいたら、わたしは何をしてたでしょうか」です。これは小学生でも、もしも○○くんと同じクラスじゃなかったら私は何をしていただろうと考えられますよね。もしも違うお母さんから生まれたらとか。それがきっかけ。一番難しかったのは「だからお願い そばに置いてね」の部分。一番高い音で「レ」で頂点。山の上と同じで頂上の音が「レ」だったので、爆発音じゃないとダメだと。「だからお願い そばに置いてね」だと「ば」で爆発するじゃない。

半沢:爆発音で頂点に達すると。

荒木:濁音でなければ逃げちゃうよね。

半沢:『時の流れに身をまかせ』はポジティブとネガティブな考えがあって。時の流れに身をまかせると流れてしまうのか、時代に合わせてのっていく。当時はどちらで考えたのですか?

荒木:時代を掴むのではなくて、人は流れから逃げることができない。だから生命という単位をもらった時の中に自分がいるしかないわけです。我慢しなさいではなくて辛抱する。時の流れには我慢できないけど辛抱することが身を任せることだよね。

歌手の歌声、曲の良さを最大限に引き出す歌詞のテクニックについて語った荒木とよひさ。HANSUKE『恋するBIKE』の作詞から中国と日本の歌詞の作り方も述べた。

番組情報

ラジオマガジン・登龍門

毎週日曜日 20:30-21:00

番組HP

海外発ゲームアプリの日本でのローンチのほか、電動アシスト自転車「HONBIKE」の開発、モバイルインターネットによる新ビジネスの構築から、アーティストのプロデュースまで、ひとつの企業代表にとどまらない活躍をしているClick Holdings株式会社・代表取締役社長 半沢龍之介が「編集長」となり、ラジオ番組全体を雑誌に見立て、番組を展開する。「副編集長」は、ニッポン放送アナウンサー・前島花音が担当します。
これから社会人になる若者から、日々の仕事に悩むビジネスマンまで、『聴くとタメになる』成功体験談や、日々の生活の中で抱える問題解決のヒントとなるようなエピソードを語るラジオ番組です。

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