防衛予算を増やさずとも、見かけ上は増えたようになる「カラクリ」

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ジャーナリストの須田慎一郎が10月3日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議について解説した。

防衛予算を増やさずとも、見かけ上は増えたようになる「カラクリ」

※画像はイメージです

国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議

政府は9月30日、防衛力の抜本的強化に向けて、「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の初会合を開催した。会議では自衛隊の装備のあり方や予算規模、防衛費の財源などを議論。抑止力強化の必要性で一致し、省庁横断で安全保障に取り組むよう求める意見が相次いだ。

飯田)年末までに国家安全保障戦略など、いわゆる安保3文書の改定を控えています。それについて提言するようですが。

防衛予算が増えたように見せるための有識者会議

須田)この有識者会議の目的は、大して防衛予算を増やしていないのに「膨れ上がったように見せるための有識者会議」なのです。増やしたくもないし、増えないというところに目的があるのではないでしょうか。

飯田)防衛予算が増えたように見せるための。

須田)議論が進む過程で、「財務省がかなり影響力を行使しているのだな」というところが見えてくるのです。なぜそんなことを言うかというと、こうした議論が始まる前に、「防衛関係費」という概念が導入されてきたわけです。ただ、私はこれに気付くのが遅すぎました。

「NATO基準での防衛費2%達成」であれば、あと0.5%分増やせば足りてしまう ~それを決めさせるための有識者会議か

須田)ニッポン放送の選挙特番で岸田首相とやり取りをした際に、「防衛費2%を達成するのですか?」と聞きました。あのときの岸田首相は、「NATO(北大西洋条約機構)基準で」という言葉を使っていたのです。

飯田)言っていましたね。

須田)これは本当に不徳の致すところなのですが、「NATO基準」という言葉に関してはスルーしてしまいました。それがいまになって、こういうことかと感じています。海上保安庁の予算は国境警備という観点から、NATOにおいては防衛予算にカウントされるわけです。

飯田)そうなのですね。

須田)あるいは自衛隊員の年金。これは一般の公務員や社会人もそうですが、厚生労働省予算です。これについても防衛予算に計上されるのです。そういうものを一切合切集めてくると、現状でも対GDP比1.4%程度になるのです。

飯田)現状で1.4%。

須田)ですからNATO基準だと、予算を増やしていないのに、見かけ上は増えたようになるわけです。

飯田)そうですよね。NATO基準でGDP比2%だと、あと0.5%分しかないわけですから。

須田)それを政府が打ち出すと、さまざまな摩擦があるでしょう。批判も浴びますよね。

飯田)そうですね。

須田)自民党内からも批判が出てくる。それを避けるために有識者会議というワンクッションを置いて、結論が出たかのように装うのです。出来レースですよ。

NATO基準であれば、1年間5000億円のプラスで5年間で2%となる ~政府から

飯田)対GDP比で、いま既に1.4%~1.5%くらいあり、残りは0.5%程度しかない。GDPが500兆円と考えると、2兆5000億円。そうすると、「1年あたり5000億円のプラスで、ちょうど5年で2%になりますよ」という数字になる。1年間で5000億円という数字は、前々から出てきていましたね。

須田)出ていました。

飯田)「それでは足りないのではないか」と言われていましたよね。

須田)本当に必要な装備、武器、弾薬が確保できるのかどうかについては、かなりお寒いでしょうね。それを「岸田首相が言いました」、「政府が言い始めました」となれば、相当な批判が出ると思います。

飯田)それを有識者に言わせる。

須田)そうです。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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