見直す時期に来ている「外国人技能実習制度」 ~実習先を斡旋する監理団体が2億円の所得隠し

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月21日放送)にジャーナリストの有本香が出演。外国人技能実習生に実習先を斡旋する監理団体が税務調査を受け、2億円の所得隠しを指摘されていることがわかったというニュースについて解説した。

見直す時期に来ている「外国人技能実習制度」 ~実習先を斡旋する監理団体が2億円の所得隠し

政治 外国人労働者・野党合同ヒアリングで技能実習生ら(左)から聞き取りを行う野党議員ら(右)=2018年11月8日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

外国人技能実習生に実習先を斡旋する監理団体が2億円の所得隠し

外国人技能実習生の実習先を手配する愛知県一宮市の監理団体「アジア共栄事業協同組合」などが名古屋国税局の税務調査を受け、2020年3月期までの3年間で計約2億円の所得隠しを指摘されていたことがわかった。

飯田)外国人技能実習生について、低賃金による労働など、いろいろな問題が言われていますが、こんなに所得隠しができるのかと。

有本)技能実習生については、2019年だったでしょうか。法改正されて、特定技能1号、2号という在留資格になり、従来よりも大きく受け入れようと門戸を開いたわけです。私は反対の立場で、いろいろなことを言ったり取材したりしました。結果として、翌年にコロナが来たので、あまり伸びはないと思いますが、2019年のデータを見ますと、現在、外国人労働者と言われる人たちが165万人くらいいると規定されています。そのうちの約4分の1に近い、38万人くらいが技能実習生なのです。日本の便利な日常を営む上で、欠かせない存在になっているのですよね。

原点に戻り、労働力に対して相応の対価を払う形に戻すべき

有本)コロナで海外から来る人は減りました。人手不足も結果として解消されました。しかし今後、経済活動を普通に戻すときに、こういう方たちがいないと「現場が回らない」ということが言い出されるはずなのです。

飯田)現場が回らないと。

有本)コロナ禍があったということを、「原点に戻ったのだ」と考え直して、労働に対しては相応の対価を払うという形に戻すべきだと思います。そうすることで、国内でも労働力の調達がしやすくなるのではないでしょうか。

過酷で複雑な労働を強いられる~この制度を見直す時期に来ている

有本)かなりの過重労働が課されているわけです。現場の話を聞くと、外国から来たばかりの若い人たちが、物覚えもいいと思うのですけれど、「そんなに仕事をしているのか」というほど働かされている。

飯田)かなりの長時間労働であり、仕事もキツイ。

有本)時間も長いですし、覚えなければならないことも多いわけです。単純にただ肉体労働をしているというわけではない。例えばコンビニでの仕事も、相当複雑な労働です。

飯田)いまは決済方法もいろいろあるし、公共料金も含めて、多様なものを扱うようになっています。

有本)そうなのですよ。それを技能実習という、よくわからない名目で安い労働力として使っているのが実態です。根本的に考え直さないと、こういうことが起こる。そして過酷な労働から逃げる外国人が、今度はよくない方向に走ることになります。

飯田)あるいは日本が嫌いになって帰るとか。

有本)私はやはりこの制度を見直すときが来ていると思います。

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