ロッド・スチュワート様ナイト爵位授与おめでとうございます!【雑学と音楽 ザツオン Vol.5】

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音楽にまつわる雑学を楽しむコラム【ザツオン】
今日はその第5回目

ロッド・スチュワート様、ナイト爵位の授与、おめでとうございます!
家族や友人たちに囲まれて素敵なパーティがあったことでしょう!
それは、きっとこんな感じでありますかね?!

ナイト・オン・ザ・タウン・デラックス・エディション,ロッド・スチュワート

ナイト・オン・ザ・タウン/ロッド・スチュワート

シングル「Tonight The Night/今夜 きめよう」が全米チャート8週連続1位の大ヒットとなったアルバム『ナイト・オン・ザ・タウン』(1976年)です!

長年に渡る素晴らしい音楽と慈善活動の大きな功績が認められて、ロッド・スチュワートが“ナイト爵”を授けられました。今年6月に公式発表されていたことが遂に実現しました!
10/11にバッキンガム宮殿で執り行われた儀式に、タータンチェック柄のズボン履いて出席しました。流石です!ウィリアム王子の前にひざまずき、その肩に王様の剣がドン!
1945年新聞配達業の家に生まれた5人兄弟の末っ子は71歳で“サー・ロデリック・デイヴィッド・スチュワート”となりました。
2000年には甲状腺癌で歌手生命の危機となりましたが手術で克服、人生山あり谷ありモテモテ男は結婚6回で子供8人の良きパパです。

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会,ルノワール

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会/ルノアール

そこで、思い出すのが…この絵画ですね!
今年2016年4月に待望の初来日を果たしました、ルノアールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」!
フランスのオルセー美術館やオランジュリー美術館の絵画/彫刻/デッサン/パステルなど100点を超える作品が、一堂に紹介された六本木新国立美術館『ルノワール展』!
印象派最高傑作と感動的出会いをされた方も多かったのでは?!4ヶ月間の入場者が60万人超えというからスゴイですねぇ。
巨匠オーギュスト・ルノワールが35歳のときに描いて、1877年の第3回印象派展に出品された作品「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は、縦1m31cm、横1m76cmの意外なワイドサイズ!
パリのモンマルトルにあるダンスホールの店名が記され、ルノアールの友人たちがモデル画中の人物です。
光り煌めき揺れる木漏れ日の中で幸福そうな人々。この名画をロッドも好きだったのでしょう!なので…チャッかりと中のヒトになっちゃったわけですねぇ。その気持ち、わかります、わかりますよ!

そこで!名画に入っちゃったアーティスト、もうちょっと御紹介。
黒十字に白文字でアルバムタイトルを印した赤い旗を掲げて、勇気を持って前向きに前進しようする強い決意「奴を解き放て、自分を解き放て」をモリモリさせた絵柄!
ドラゴンアッシュ『Viva La Revolution』(1999年)です!

Viva-La-Revolutionドラゴン・アッシュ

Viva La Revolution/Dragon Ash

チェックワンツー!タンナップレイディオ!ヒビノヨロコビココニサンジ!
シングル「Grateful Days」「Let yourself go, Let myself go」や「I LOVE HIP HOP」のヒットで約180万枚の売り上げ!20世紀末のジャパニーズポップシーンにアルバムタイトル如く革命バンザイった名作ですね、あれから17年です懐かしいです!
そんな降谷健志さんやメンバーが中に入った絵画がコレでしたね。

民衆を導く自由の女神ドラクロワ

民衆を導く自由の女神/ドラクロワ

ロマン派絵画の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワが1830年に描き、翌年にサロン出展した彼の人生を一変させた賛否両論の名画!
観る人すべての心をブルブルと鼓舞するモリモリの躍動感です。
なにせ!この年にパリで起きたフランス7月革命が主題ですから、ドラクロワが目撃したまんまのド迫力が描かれたのですねぇ。
この作品によって、理想を描く新古典主義が活力をなくして、ひたすらに感覚を重視するロマン派が勢いを増すのは、その170年後のアルバム『Viva La Revolution』とイメージが重なるような気がしてなりませんのです。
そんなこんなでドラゴンアッシュは2年10月ぶりとなるニューシングル『光りの街』を11月9日にリリース!
ガンバッてほしいチェックワンツー!!

このドラクロワ絵画を直接的にジャケットにしたのは、コールドプレイの2008年アルバム『美しき生命/Viva la Vida or Death and All His Friends』。
まんま絵の上に白い書き殴り文字でタイトル書きました、ハイ。

美しき生命 Viva La Vida Or Death & All His Friends,コールドプレイ

美しき生命 Viva La Vida Or Death & All His Friends/コールドプレイ

では、名画の中に入っちゃったバンドもうひとつ。
こちらもロマン派絵画。それも当時、賛否両論なりました名画に!ザ・ポーグスの1985年アルバム、『ラム酒、愛 そして鞭の響き/Rum Sodomy & the Lash』です。

Rum-Sodomy-&-The-Lash,ザ・ポーグス

Rum Sodomy & The Lash/ザ・ポーグス

メデュース号の筏,ジェリコー

メデュース号の筏/ジェリコー

フランス軍艦が沈没してイカダで漂流する乗組員たちの壮絶サバイバルを生々しいタッチで描いた悲劇ロマ~ン!テオドール・ジェリコーの『メデュース号の筏』です。
脱いだ上着で必死に降る先には救いの誰かがいるのか?それは、アイルランドというポーグスの故郷の未来と…?!
彼らのライヴを見て気に入ったエルヴィス・コステロが、プロデュースに挙手立候補した2枚目のアルバムです!
ザ・ポーグスが新しき自らの航海をば悲劇にしているなんともかんともそれでいいの問題提起なジャケットです。
歯並びガッタガタのシェイン・マガウアンのボーカルが哀愁パブ酒場を笑顔と絶望に導くような素晴らしさ。
1949年にユアン・マンチェスターによって作られ、アイルランドを歌い上げた永遠不滅の名曲である「ダーティ・オールド・タウン」を収録しています!
ちなみに、この曲は“サー・ロッド”も歌ってますよね。(ジェフ・ベック・グループを離脱して1969年初ソロ)

さてさて。すでに街角はクリスマスなニッポン!
こんな時季に聴きたくなるポーグスの名曲がありますね。1987年の「Fairytale of New York ニューヨークの夢」。摩天楼の街で成功を夢見たアイルランド移民の男女が、夢破れて年老いた悲しくも美しいクリスマスの物語です。是非、お試し下さいませ。
ロッド・スチュワートからのドラゴンアッシュ、そして、ザ・ポーグスとつながった“音楽と絵画の旅”でした。

音楽のもうひとつの楽しみ方を暗中模索な『雑学と音楽 ザツオン』!
第5弾いかがでしたでしょうか? 次回もお楽しみに!

神部恒彦(a.k.a 北大路おさんどん)
1960年北海道生まれ。
1981年「オールナイトニッポン」のADとして放送業界で活動開始。
音楽やドキュメンタリーを中心としたテレビ・ラジオの構成/選曲を担当する。
1992年いったん全ての仕事を終了してシベリア鉄道で渡欧。
1年間に渡りフランス/スペインを拠点に欧州各国の景勝地や美術館を見て回る。
さらに渡米、自動車でアメリカ大陸を横断しながら様々な音楽聖地を巡って帰国。
幅広い音楽/雑学知識と好奇心でジャンルを問わない番組/イベント構成を手がける。
趣味:大相撲/F-1観戦、全国各地の居酒屋訪問と見知らぬ人々との会話。

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