2/21(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！その②
金正男氏殺害～北朝鮮とマレーシア非難の応酬～息子が現地入りか
7:02～ひでたけのニュース ガツンと言わせて！：コメンテーター木村太郎(ジャーナリスト)
最初に見た暗殺映像
高嶋）昨日さんざんクアラルンプールでの金正男氏殺害について、例の画像や映像を各局取り上げていましたが、最初に流れたのが日曜日の夜、フジテレビのミスターサンデーでした。木村さんもコメンテーターとして関係してらっしゃいますが、映像を初めて観た時はどういった印象でしたか？
木村）なんかぼやけているなといった感じでした。実は、番組の直前に映像が来たんですよ。だから映像を観ないまま本番に入ってしまって。もう少し近くで観たかったなって。空港の監視カメラはいっぱいあるはずですから、もっと鮮明な映像があるのかなと思っていたのですが、意外でしたね。
高嶋）なるほど。お聞きしますけど、フジテレビはあの映像をどういった経緯で入手したのですか？
木村）知りません。本当に知りません。
高嶋）マスコミの世界長いですけども、ああいった素材はだいたいどんなルートを辿るのでしょうか？
木村）いろいろありますよ。棚から牡丹餅みたいに「これいる？」みたいな感じで来る事もあるし、探して探して「譲って！」って時もあるし。
高嶋）お金が掛かる事もあると？
木村）原則的にお金は払わない事にしています。ニュースの素材にお金を払っちゃいけないというのは、世界的な常識ですね。
北朝鮮の非常に雑だった暗殺計画
高嶋）あくまで素人感覚ですけども、“LOL”というTシャツを着た女の人が、Uターンして金正男に飛びついたでしょ。あの早業は女子レスラーでもあるまいし、工作員ではないかと少し思いました。
木村）そう言っていた軍事専門家もいましたけど、僕は逆の考えで、金正男さんは太っていて動きがものすごく緩慢なんですよ。だから電信柱に飛びつくようなもので、そんなに素早くなくてもできるのではないかと思います。それ以上にあれは雑な暗殺計画だったと感じます。
高嶋）そうですか(笑)。しかし、雑にしては随分多くの人が関わっていますよね。
木村）それも雑なんですよ。北朝鮮のパスポートを持ったままうろうろしたり、さらにあれだけ防犯カメラのある場所で実行したり、今までの北朝鮮のやり方からすると考えられないですよ。1980年代にラングーン爆破事件や大韓航空機の爆発事件がありましたが、これらは金正日氏が計画したと言われていますが、周到ですよ。絶対に北朝鮮だと分からない程、影も残さないようにしていた。だけど今回はそこら中北朝鮮の足跡だらけじゃないですか。
タブーを犯してまで暗殺を決行した理由は何か？
高嶋）そして、今までの常識とはかけ離れすぎて唖然としているのですが、金正男氏の息子さんが現地入りしたという話があります。これは産経新聞によると中国側の意向とのことですが。
木村）まあそうですよね。(金正男氏は)中国の保護下にいた訳ですから。それに身元確認が必要ですから、それには息子が行くのが一番大事ですよね。
高嶋）そうなると、息子の金漢率(ハンソル)さんはこれから生きていく上で非常に危険を背負ってしまった訳ですよね。正統派の孫ですから。
金漢率-北朝鮮故金正男氏の長男＝2013(平成25)年8月フランス 写真提供：共同通信社
木村）独裁国家ではしょうがないですよ。こういう事はずっとありますからね。
高嶋）イギリスへの留学も止めたとか。
木村）もし金正恩氏がこれを計画したとすると、一つ大変なタブーを犯しています。お父さん(金正日氏)にも実はライバルがいたのですよ。実の弟が。でもこの人は殺さずに、東ヨーロッパの大使に出したきり国へ帰さないという措置を取っていた。しかし金正恩氏は実の兄を殺してしまった。これは相当衝撃は大きいと思いますよ。特に北朝鮮には形だけでも儒教的な思想が残っている訳ですから。なぜそれをやらなければならなかったのかという事の方が興味深いですね。
高嶋）それは緊急性があったのですかね？
木村）そうじゃないと考えられないですよね。こんな無茶苦茶な事を、しかも非常に雑な計画で北朝鮮がやったということは余程急にやらなきゃいけない事情があったのかなと思いますけどね。
高嶋）その辺の事情が一切見えてきていませんけどね。
木村）それが見えてきた時は大変ですよ。北朝鮮がひっくり返るか、また粛清が行われていって初めて分かることではないですかね。
高嶋）相当なものが潜んでいるという事ですね。
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