キャスターの辛坊治郎が6月15日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。世界的人気を誇る韓国 の男性音楽グループ「BTS」の活動休止の背景について、持論を展開した。
韓国の男性7人組ヒップホップグループ 、BTS が14日、公式 YouTube で「しばらくの間、グループの活動を休止し、個人での活動に専念する」と明かした。
辛坊)BTSで最近、話題になったことといえば、アメリカのバイデン大統領に招待されたことですね。それから、新曲がアメリカのビルボードのシングルチャートで1位になりました。ビルボード1位というと、日本の楽曲でいうと昔々に、坂本九さんの「上を向いて歩こう」(英題・SUKIYAKI)くらいしか記憶にありませんよ。それくらいBTS のビルボード1位は、すごいんです。その BTS が突然、活動を休止して、メンバーが個人で活動していくということなんですけれども、いろんな説が飛んでおります。
その中で、私が個人的に一番腑に落ちる説があるんですよ。何かというと、韓国の徴兵制度が絡んでいるのではないかという説です。韓国では全男性に兵役が義務付けられていて、原則28歳までに入隊しなければなりません。そこで、韓国の男性アイドルに対する徴兵のタイミングをどうするかということが、常に話題になります。これには日本のファンも関心が高く、好きなアイドルが入隊する際に涙を流しながら見送るなんていうシーンも見かけられます。
辛坊)こうした中で、世界的な活躍を見せるBTSを巡っては、「メンバーを兵役で取られてグループが弱体化したら、韓国国家にとっての損失じゃないか」という議論もあります。そこでBTSをきっかけに、国際的に顕著な活躍をしたトップアーティストらの入隊を30歳まで特例的に延期する法律が成立しました。つまり、2年間の猶予が与えられるようになったわけです。私の記憶が正しければ、BTS には、これが適用されているメンバーがいるはずです。とはいえ、入隊すれば、メンバーは欠けるわけです。
BTSのメンバーの入隊期限は皆、少しずつ違うけれども、兵役によってメンバーが欠けることは繰り返されます。一方で、アイドルの兵役免除は、韓国国内の評価としては絶対にマイナスです。「兵役逃れ」は、対世論的には極めてネガティブな印象になりますからね。今回のBTSの活動休止は、「メンバーが欠けた状態で活動を続けるよりは、兵役を果たすことを前提にしたうえで、個々の活動で活躍して、20カ月前後の兵役を全員が務め上げ、再び全員がそろったタイミングで活動を始めればいい」といった意図があるのではないかと思うんです。これは、あくまでも私の想像です。
単に私の想像ですが、男性は兵役を務めるという徴兵制度が韓国の文化の中では1つの人生の柱になっていますからね。だから、アイドルであっても兵役を免除しないということで社会が成り立っているということを念頭に置けば、何らか関係があるんじゃないかというふうに私は考えています。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)