2023年最も売れた児童書『大ピンチずかん』作者・鈴木のりたけが明かす「ネタの自動入力システム」

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数々の絵本の賞を受賞し、2023年 年間ベストセラー 総合1位(トーハン調べ)となった『大ピンチずかん』(小学館)の作者・鈴木のりたけが1月2日、ニッポン放送「おもしろい本に出会いたい!2024年お正月スペシャル」にゲスト出演し、『大ピンチずかん』の反響について語った。

『大ピンチずかん』『大ピンチずかん2』(鈴木のりたけ/小学館)

『大ピンチずかん』『大ピンチずかん2』(鈴木のりたけ/小学館)

「まさかここまで皆さんの心に刺さるとは予想していなかったので、驚いたというのが第一の感想ですね」と語った鈴木。

「『大ピンチずかん』に載っていることって、全部経験したことなんですか?」という小学生からの質問には、「そうですね、全部経験したことではないですけど、うちの子どもたちを観ていて、何か面白いな、こんなことでつまずくんだ、こんな失敗をするんだ、こんな言い間違いをするんだ、みたいなことを、日頃から常にメモっているんですね。そういうところからネタを収集しているので、僕が実際に経験したことではなくても、うちの子どもたちが経験したことが、本の中に入っているネタの大半なんです。近いことで、自分の子どもの時代にもあったなと、昔のことを思い出しながら自分のことを描いているものも少しあるので、そういう意味では、『こんな風になるかな』って空想で描いたものは一つもなくて、本の内容は、すべて実録という感じですね」と答えた。

携帯にネタをメモしているという鈴木。子どもたちも、自分たちに起きたおもしろい大ピンチを、父親の携帯に書き込んでいると言い、「ネタの自動入力システムが我が家には出来上がっていて、すごく便利です」と話した。

鈴木のりたけ (C)黒澤義教

鈴木のりたけ (C)黒澤義教

さらに、番組パーソナリティの箱崎みどり(ニッポン放送アナウンサー)から、リアリティの追求と、ユーモアのバランスについて問われると、次のように語った。

「雪だるま式にピンチが広がっていくシチュエーションは、実際、似たようなことが僕の身の回りで起こっていたので、もうちょっと面白くするために、いわゆる“盛る”みたいなことは、そんなにやっていないんですよね。つぶさに、子どもたちのしぐさや言っていることを、親が面白がって。

たとえば、『牛乳をこぼした』とかだったら、こぼした時点で『あー、雑巾を持ってきて牛乳を拭きなさい』と、ミスを全部なかったことにすると、そこで終わりなんだけど。牛乳をこぼしても『あ、こぼれちゃったね、どうしようか』と、ちょっと見守っていると、次に子どもたちになりに、何か対策を練って、考えて、実施する、でも、その対策が上手くいかないっていうのは、すごくよく起こることなんですよ。親としてはけっこう大変ではあるけど、そうやって自分で学んでいくシチュエーションが、すごく良いことだし、親がはたから見ていておもしろいっていうこともある。そうやって促している部分はあるとは思うんです」

“大ピンチを生む秘訣”も明かした鈴木であった。

さらに、『大ピンチずかん』の「3」については、まだ考えていないとしつつも「たぶんそういう話になるんじゃないかなと思います」と語り、また、「子どもたちが遊べるような、絵本の世界に体ごと突入するような仕掛けをするような原画展ができたら良いなと考えています」「おもしろい絵本を作っていきたいなと思っています」と、展望を語った。2024年の鈴木のりたけワールドにも期待がふくらむ。

『おもしろい本に出会いたい! 2024年お正月スペシャル』

『おもしろい本に出会いたい! 2024年お正月スペシャル』

■番組タイトル:『おもしろい本に出会いたい! 2024年お正月スペシャル』
■放送日時:2024年1月2日(火)11時~12時
■パーソナリティ:箱崎みどり(ニッポン放送アナウンサー)
■ゲスト:凪良ゆう(作家/『汝、星のごとく』著者)、鈴木のりたけ(作家/『大ピンチずかん』著者)、内田剛(ブックジャーナリスト)
■番組ハッシュタグ:#おもしろい本

◆この番組は、radikoのタイムフリー機能で、放送1週間後まで聴くことができる。
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