アニメ『昭和元禄落語心中』の第2期放送が2017年1月6日に開始されることが発表された翌日の11月19日(土)、「アニメ×落語×声優」がキーワードとなっているイベント『声優落語天狗連 第七回 supported by 昭和元禄落語心中』が開催された。
MCはアニメも落語も大好きなニッポン放送アナウンサー吉田尚記と、漫才コンビ「米粒写経」の1人であり学者でもあるサンキュータツオ。
冒頭で、「僕らの大学時代は、アニメが好きと言うと“気持ち悪い”と言われ、落語が好きと言っても“気持ち悪い”と言われる時代だった」という2人は、この「声優落語天狗連」にとってこれ以上はないMCだ。
◆声優落語チャレンジ
「声優落語チャレンジ」はこのイベントの目玉で、人気声優が立川志ら乃師匠の指導の下、わずか2週間の稽古期間で落語を学び、披露する企画だ。
今回挑戦したのは、アニメ『THE IDOLM@STER』のプロデューサー役などを演じた赤羽根健治さんだ。演目は「たぬき」。
普段の赤羽根さんは、真面目でおっとりしているが、そのイメージを捨てるかのように、ひょうきんでカワイイたぬきを演じていた。
声優歴は10年になるが、落語は超初心者。だからこそ、声優の時には見られない“新人”らしい突き抜けたパワーを発揮して最後まで演じきった。
声優としての赤羽根さんをよく知る吉田尚記アナは、「赤羽根さん真面目さを上回る瞬間が何度もあった。終わったあと、うまくやれてテンションが上がっている赤羽根さんも面白い」と、新しい赤羽根健治が観られたことを喜んでいた。
「声優落語チャレンジ」を終えて緊張が解けたせいか饒舌になる赤羽根さんに、稽古番を務めた立川志ら乃師匠から「こんなにしゃべってるの初めて見た」とつっこみが。
◆橘家文蔵師匠の「芝浜」
「声優落語チャレンジ」の次は、アニメ『昭和元禄落語心中』に登場する噺をプロの落語家が披露する企画へ。
今回は年内最後のイベントになるということで、年末の風物詩ともいえる有名な噺「芝浜」を、9月に“三代目”を襲名したばかりの橘家文蔵師匠が披露した。
滑稽でコミカルな「たぬき」と打って変わって、「芝浜」は江戸時代の夫婦を主人公とした人情噺。橘家文蔵師匠の深い情景描写によって、夫が改心していく様や夫思いの妻の姿が表れ、終わったあとには観客の涙と鼻をすする音が響いていた。
噺が終わり、舞台に戻ったサンキュータツオと吉田アナも、感想よりも先に感嘆のため息をついた。
見た目はこわいけど、気さくな一面も見せる文蔵師匠。
最後に、『声優落語天狗連 第八回』の2017年1月開催も発表。アニメ『昭和元禄落語心中』第二期も放映中のタイミングということで、第二期で登場する噺を落語家にやってもらうことも予定しているという。次回はどんな声優の落語チャレンジとプロの落語家の噺を観られるのか、今から楽しみにしたい。