Valentine’s Dayにスィート・キッスを!【雑学と音楽 ザツオン Vol.12】

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Happy Valentine’s Day!
2017年の推計市場規模は前年比約3%増の約1385億円だそうです。
昨年の約1340億円から45億円もの増加って、すごいですねぇ!
あの頃、遥かワンサポナタイムな2月14日の放課後教室。
誰かチョコをくれないかなぁと自ら居残っていた甘酸っぱい記憶が…。
最近はチョコ好き女子たちの“ともチョコ祭り”になってるような。
そんな気がするのは昭和生まれの古い人間な私だけでしょうか?

それならばということで!
今回の音楽よもやまコラム『雑学と音楽 ザツオン』は、バレンタインデーに味わいたいスィートな「恋人たちの音楽」です。

まずは!超ハッピーな恋人たちのコチラです。
フェアグラウンド・アトラクション『ファースト・キッス』(1988年)

フェアグラウンド・アトラクション,ファースト・キッス

「あ~ん、はじめてのチュ~ゥ!」(キテレツ百科に捧ぐ)なんて素敵なタイトル『The First of a Million Kisses』!これから2人が交わすであろう百万回キスの1番目!
クルマのドアミラーに移り込んだ愛の瞬間の輝き。
なぁんて甘~いキスのアルバムジャケットでしょう!!
マグナム・フォトに所属していた写真家のエリオット・アーウィットによるロマンテックな1枚です。
トリミングされて真四角のジャケットになりましたが、オリジナル写真は海岸の遠くに波と太陽も見える写真でした。
実際に出会った一瞬を小さなライカでパチリとしたそうですね!
全英1位の大ヒットシングル「パーフェクト」を含み、アルバム自体も全英1位となった完璧なデビューアルバムです。
1980年代後半エレクトロ全盛期なアルバムとは思えない70年代風のハートウォーミングサウンドがいっぱい!
しかし!この名作1枚を残して解散してしまいました。
89年の初来日コンサートを名古屋クラブクアトロで観ました。
確か“こけら落とし公演”だったと記憶しております。
ボーカルだったエディ・リーダーの新譜、そろそろ聴きたいなぁ。

続いての「恋人たちの音楽」はコチラ!
映画『男と女/オリジナルサントラ』(1966年)

映画男と女オリジナルサントラ

「あ…私ったら…、あぁ。」
クロード・ルルーシュ監督29歳での自主製作。
ラブストーリーの永遠不滅な名作となりました!
昨年2016年は製作50周年記念でもってデジタル・リマスター版が劇場上映されましたね。
CDも「2016リマスター・エディション」盤です。
それぞれに夫と妻を亡くして子育してる男と女が、出会い愛し合い………までの3週間の甘く切ない物語。
ココロに傷を持つオムとファムの揺れる接吻です。
フランシス・レイのワンダフルなインスト、ピエール・バルーのボッサなスキャット、バーデン・パウエルはサウダージなギタリスト。
全編楽しめるサントラ盤はバレンタインドライブに!

では!次の「恋人たちの音楽」は巨匠たちの若き日!
ボブ・ディラン『フリーホイーリン』(1963年)

ボブ・ディラン,フリーホイーリン

「ホントに寒いわねっ!でも、アナタがいるから大丈夫よ!」
ニューヨークはグリニッヂヴィレッジのジョーンズストリート。
近くのアパートに暮らしている恋人たちin 1963年2月。
彼は2年前の冬に大志を抱いて摩天楼の街へやって来て、1年前にデビューしたフォークソングの貴公子で22歳。
彼女も公民権運動に参加するプロテストなシンガーで20歳。
当時ディランの恋人だったスーズ・ロトロさんです。
1961年に楽屋で出会い一目惚れして交際開始となりました。
2作目のスタジオアルバムはA面1曲目「風に吹かれて」から、Bラスの「アイ・シャル・ビー・フリー」まで全13曲。
全米22位全英1位を獲得して一躍時代の寵児になるディラン。
その別れを誰が予想していたでしょうか…切ないですなぁ。
CBSのフォトグラファーだったドン・ハンスタインの撮影です。

続いての「恋人たちの音楽」も巨匠の若き日々。
ハービー・ハンコック『スピーク・ライク・ア・チャイルド』(1968年)。

ハービー・ハンコック,スピーク・ライク・ア・チャイルド

「今夜も演奏なのね、寂しい。ね、ガマンするから…チュ!」
1963年、23歳で作曲した「ウォーターメロン・マン」が、モンゴ・サンタマリアの演奏で大ヒットして注目を浴び、マイルス・デイビス・グループに参加して一気に時の人に!
そして、5年の時が流れてましてのブルーノート84279番。
若き才能出まくりまくりのハービー・ハンコックと、当時まだ婚約者だったジジ・メイグスナーのラブシルエット。
そして、ふたりは…この年の8月に結婚しました。
ピアノトリオとホーン3本の編成で美しきサウンドを展開。
ロン・カーターのベースにもタメ息が出るほどです。
その優しい温かさはジャケット写真が物語っておりますねぇ。
ハービーの友人デヴィッド・バイスフッドの撮影です。

バレンタインで恋するふたりになったのでしたら、こんな映画を観に行くのはいかがでしょうか?!
『パリが愛した写真家ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』!

パリが愛した写真家ロベール・ドアノー-永遠の3秒

©2016/Day For Productions/ARTE France/INA ©Atelier Robert Doisneau

「あ、いつもより…激しいブチュ~ッ!」
パリの日常を生涯に渡って撮り続けたロベール・ドアノー!
この世界的に有名なチュー写真「パリ市庁舎前のキス」は、1950年にアメリカ雑誌『LIFE』から依頼されて撮影。
その後80年代にポスター発売されて人気拡散しました!
ドアノーの撮影風景やインタビューなどの映像資料、親交あった人々の証言などから彼の創作と人生に迫る映画!
ピカソ、フランソワーズ・サガン、ロマン・ポランスキーなどドアノーが写した著名人のポートフォリオも紹介するそう。
メガホンを取ったのはドアノーの孫娘クレモンティーヌです。
4月22日から東京都写真美術館や渋谷ユーロスペースほか、全国で順次公開されるそうですから是非いかがでしょうか?!
そして、その帰りにチューを写真館でプロに撮ってもらいましょ!

『雑学と音楽 ザツオン』第12弾いかがでしたか?
音楽のもうひとつの楽しみ方、次回もお楽しみに♪

神部恒彦(a.k.a 北大路おさんどん)
1960年北海道生まれ。
1981年「オールナイトニッポン」のADとして放送業界で活動開始。
音楽やドキュメンタリーを中心としたテレビ・ラジオの構成/選曲を担当する。
1992年いったん全ての仕事を終了してシベリア鉄道で渡欧。
1年間に渡りフランス/スペインを拠点に欧州各国の景勝地や美術館を見て回る。
さらに渡米、自動車でアメリカ大陸を横断しながら様々な音楽聖地を巡って帰国。
幅広い音楽/雑学知識と好奇心でジャンルを問わない番組/イベント構成を手がける。
趣味:大相撲/F-1観戦、全国各地の居酒屋訪問と見知らぬ人々との会話。

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