去年2016年9月に開幕した男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。
シーズン中盤に差し掛かり、各地区でファイナル進出へ向けた熱い戦いの真っ只中です。
そんな中、前回に引き続き、史上初の東京・渋谷区を本拠地とするプロチーム「サンロッカーズ渋谷」のBリーグ初代・新人王候補・東海大学出身の24歳 ベンドラメ礼生(れお)選手に伺いました。
今回はバスケットとの出会い、プレイスタイルのこと、週末の試合のことを語ってくれました。
もともとバスケットの出会いは“学童保育のボーリング大会の時、友達に誘われたから”というベンドラメ選手。
「その頃、自分はケガが多かったので『何かスポーツをやった方がいい』ということになって」
始めたそうです。ただ最初は
「いやいや参加していました(笑)」
という幼少期だったとか。
そんなバスケットの出会いから才能が徐々に開花。
地元・福岡を離れて宮崎・延岡学園高校に進学するとインターハイ、国体、ウインターカップと高校三冠を達成。東海大学では1年時から活躍し2度の全国制覇に貢献しました。
「トップレベルで切磋琢磨した当時の仲間の存在は大きかったですね。自分が選んだ環境は間違いじゃなかったと思います。地元・福岡の高校や違う大学に行っていたら、いまここに居ないかもしれません」
と学生時代を振り返ります。
その経験と活躍が認められ、今やプロバスケットボールプレーヤーに。
「昨季はアーリーエントリー(高校や大学の卒業前に契約し、試合に出場できる制度)でチームに合流して、プレイタイム(出場時間)は少なかったんですけど、今年はプレイタイムも増えて、沢山のことを経験できています」
と話すように
すでに今シーズンは12試合に先発、25試合に出場しています。さらに
「こういう取材も含めてメディア露出も増えましたし、街で自分のポスターを見かける」
時にプロ選手になったことを実感するそうで実際にバスケット・スポーツ関連のほか、ファッション誌などの取材や活動も。
特に印象的だったというのは
「ユニクロとメンズノンノのコラボレーションでスーツを着て(選手)4人くらいで写真を撮りました」
というお仕事。
「初めての経験で楽しかったですね。大学では卒業式とか、行事がある時以外はスーツを来ていなかったので…。ちなみに一番似合っていたのは僕だと思います。」
と自信たっぷりに話してくれました。
バスケットの出会いから数えきれない出会いや経験をしてきたベンドラメ選手。
それでも
「バスケットでご飯が食べられていることが、何よりバスケットをやってきてよかったことですね」
と、噛みしめるように話していました。
ベンドラメ選手のポジションはPG=ポイントガード。
バスケットボールでは「コート上の監督」とも言われ、得点よりもゲームを組み立てる役割を求められます。
しかしベンドラメ選手の目指すスタイルは、敢えて「点の取れるポイントガード」です。
高校生の時は
「アイバーソンをひたすら見ていましたね。」
とアメリカ・NBAでMVPや得点王を獲得したガード、アレン・アイバーソン選手に憧れ
「(素早く左右に切り替えるドリブルで相手を抜き去る)クロスオーバーの真似をずっとしていましたよ。」
とNBAのスーパースターが今のプレイスタイルのルーツになっていることも明かしてくれました。
実際に最近の19日の琉球戦では今季自身最多・チーム最多の21得点をマーク。
まさに“点を取るガード”として、チームを勝利に導きました。
いまのチームには欠かせない存在のベンドラメ選手ですが、次に期待されるのは日本代表でのプレイ。
昨年末の日本代表・候補重点強化選手には選ばれたものの、今月行われたイランとの親善試合に挑む代表選手に残ることはできませんでした。
「(選ばれなかったのは)もちろん悔しいです。でも、今の自分では入れないとも思っていました。今回選ばれた選手の中で試合に出られない人もいたので、まず僕が狙うのはそこのポジションだと思います。」
と下を向くことはなく、
「あと3年有るので1・2年目で結果を出して(代表に)入りたい。」
と話し、2020年の東京五輪を目指すのかと尋ねれば
「そこを目標にしています」
と力強く答えてくれました。
代表に選ばれるためには、やはりチームでの戦いで結果を残すことが不可欠です。
現在サンロッカーズ渋谷は36試合を終えて17勝19敗のチームは中地区4位。
今週末は西地区4位の京都ハンナリーズと青山学院記念館で対戦します。
京都については
「ディフェンスが積極的で全員で守っているイメージです。でも(渋谷には)身長のアドバンテージがあると思うのでそこをついていければ。」
と話し、注意すべき選手は
「(東海大の同級生である)小島元基!と言いたかったのですが、ケガをしてしまったので…今なら川嶋勇人選手ですね。去年までサンロッカーズにいましたし、身長のあるポイントガードで沢山点を取っているので。」
と試合では対峙するであろう同じポジションの選手を警戒していました。
ちなみにBリーグ初代チャンピオンを目指し、チャンピオンシップのトーナメントに進むためには60試合のリーグ戦で
①「東・中・西各地区の2位以内」もしくは
②「各地区3位以下における勝率上位2チームのワイルドカード」
に入らなくてはなりません。現状は渋谷と京都は②の争い、しかも大混戦の渦中にいます。
現状についてベンドラメ選手は
「(京都との)直接対決では勝っておきたいですね。残り少ないですし。今のままでは自分たちの手でつかめません。ただ(元NBAプレーヤーの)サクレも加入して、少しずつチームも変わってきました。いい流れを作って勢いをつけて進出すればその先もチャンスがあると思うので、そこにつながる良い結果を出したいです」
と決意を新たにしていました。
チームのファイナル進出の行方、リーグ初代新人王の行方はベンドラメ選手がカギを握ります。
現在、絶好調のベンドラメ礼生選手!
素早いドリブル、正確なシュート、あっという間にボールを奪うスティール。
息をつく暇も与えないスピーディーなプレイをぜひホームアリーナの青山学院記念館に来て、見て、感じてみてはいかがでしょうか?
週末の25(土)・26(日)は青山学院記念館にて京都ハンナリーズを迎えたホーム2連戦が行われます。
清水久嗣のB.LEAGUEレポート、次回は3/6(月)更新予定。
現在、中地区首位を走る川崎ブレイブサンダースに所属する日本代表・永吉佑也選手にお話を伺います。
(清水久嗣)
前編【渋谷のど真ん中でBリーグ観戦~初代・新人王候補サンロッカーズ渋谷・ベンドラメ礼生選手インタビューその① 清水久嗣のB.LEAGUEレポート!】はこちら>
サンロッカーズ渋谷 vs 京都ハンナリーズ
開催日:2/25(土)18:00~、26(日)14:00~
会場:青山学院記念館(東京メトロ・表参道駅から徒歩5分、JR渋谷駅から徒歩10分)チケット:https://www.bleague-ticket.jp/index
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