3/10(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
八方塞がりの中国~対米外交に焦る習近平国家主席
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)
アメリカ訪問するのは習近平と幼馴染?~李少林という女性
高嶋)今日は中国の習近平国家主席のアメリカ訪問と、トランプ大統領との初めての首脳会談の実現に向け、中国外交の有力者で「中国人民対外友好協会」の李小林という会長さんが、今月下旬から来月初めにアメリカを訪問するという、こういうニュースが入ってきまして。難しく言えば米中関係。それでこの人、女性なのですね。
宮家)女性ですね。幼馴染でしょ。
高嶋)そう、李氏は習氏と幼馴染だそうですね。
宮家)李先念の娘ですからね。非常に有力な人ですよね。まあそれはいいのだけど……何しに行くのですかね? 中国はすごく困っていると思うのですよ。まず日米でも徹底的にやられてしまってでしょう。そして韓国についても言うことを聞かなくなってTHAAD(サード)ミサイルを導入されてしまった。北朝鮮も全然言うことを聞かない訳だから、要するに中国にとっては“八方塞がり”ですよ。これをどうやってアメリカと関係を良くしようかと言ったって、売りようがないじゃないですか。
中国にとって手強いトランプ大統領
宮家)ワシントンの雰囲気は、昔は「初めは中国の悪口を言うけれど徐々に中国との関係が良くなっていく」これが今までのパターンだった訳です。だから中国は今回もそうできると思っているかもしれないけれども、トランプのやり方を見ていると「どう見てもロシアよりも中国の方が危ないのではないか」という感じになっている。これには中国は困っていると思います。
本来だったら外交部長の王毅さんが行くはずでしょう。そうではなくて自分の幼馴染を送るということは、逆に言えば焦っているのかもしれないですね。高嶋)中国の王毅外相は8日の記者会見で「米中が完全に良好な協力パートナーになれる」と強調したと。
宮家)その気持ちは分かりますけどね。
高嶋)結構下手に出ている訳ですか?
宮家)まあ下手というか、こうとしか言いようが無いでしょう。僕はそんな簡単になるとは思わないけど。
高嶋)アメリカの対中関係というのはどんな風な展開になりますか?
宮家)まず貿易についてはこてんぱんにやるでしょうね。もちろん中国だって対抗措置はあるのだけども。
高嶋)何度も言っていましたからね。
宮家)それだけではないですね。貿易だけなら日米貿易と同じなのですけど、やはり安全保障、南シナ海の方でもアメリカが警戒心を高めていることも事実だと思うので、これは中国にとっては大変ですよ。
高嶋)お互いに軍事費をガンガンっと上げていますけど。
宮家)手強いと思いますよ、今回は。
李氏アメリカ訪問は“焼け石に水”
高嶋)ということは、この幼馴染の“お婆ちゃん”が行っても、結果は焼石に水だということですか?
宮家)本音をどこまで言うかどうかでしょうけど、彼女が話を聞いたからといって世の中は変わるのか、と言うとそんなに簡単なものではないでしょう。そういう意味では私は長い長いこれからの緊張を含む関係が改善に向かうかどうか、もし仮に向かうとしても長い長いプロセスの一環なのではないですかね。始まったばかりということなのではないでしょうか。
高嶋)でも中国、あの強気の国があの捕えどころの無いドナルド・トランプというアメリカ大統領が出て、非常に困惑しきっていることもこれは間違いないですか?
宮家)間違いないでしょうね。ただ、中国は簡単に変われませんから、“大きな象さん”ですから。ゆっくり、ゆっくりしか変われません。ちょっと心配ですね。動き出したら怖いですけどね。
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