3/10(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
オランダはどうやって金漢率を救出したのか?
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)
協力した“国名を明かされたくない国”は北朝鮮と関係のある国か
高嶋)今日宮家さんに是非伺いたいと思っていたのは、例の金正男殺害、息子の金漢率(キムハンソル)氏というのが突如登場しまして、40秒のメッセージ「父親は数日前に殺された」と、「自分は母親と妹と某所で暮らしている」と言う内容のものがYouTubeに投稿されています。「千里馬民間防衛」という団体がその動画を出したようですけども、その中でよく見るとオランダの大使の名前が出てくる、駐韓オランダ大使。その方がエンブレヒツという方ですが、この人は韓国語が得意で、奥さんが韓国人で、どうも彼が中心になって動いたのではないか。というのは、金漢率さんがお礼を言っているのは、唯一書かれているのはその人だということです。どういうことが考えられますか?
宮家)無責任な推測はしたくないのですけども、第一に言えることは、あの大使が個人的にやるということは不可能ですよ。彼が個人的に同情して何かしないといけないと思ったとしても、彼個人ではこんなことはできませんから、必ず本国の政府に伺いを立てる、そして本国がOKだったならばこのオペレーション全体が始まるということだと思います。
高嶋)なるほど。アメリカ、中国、オランダ、それからもうひとつ“国名を明かされたくない国”……普通に考えるとその“明かされたい国”にいるのではないかと思うのですけど。
宮家)これもまた推測でしかないのですが、明かさないということは何らかの不利益があり得るということでしょうから、ということは今“利益”を持っているということですよね。今利益を持っているということは恐らく平壌に大使館があったり、いろいろな経済関係があったりする国で、やっぱり北朝鮮との関係を悪くしたくないという国なのではないでしょうかね。そうすると限られてくるのではないでしょうか。
保護主導とみられるオランダはどうやって金漢率を救出したのか?
高嶋)エンブレヒツ大使というのは、マイクを向けられて殆ど答えてないのですけども、あり得るとすると彼はどういう風な方法で金漢率氏を国外に出したと想像しますか?
宮家)まず、もしマカオにいたとすれば完璧を期すならば中国がちゃんとそれを見ていて、船ということは無いでしょうから飛行機に乗せるまでは中国がしっかりとガードする。
高嶋)4ヶ国の中に中国は入っていますからね。
宮家)そして飛行機に乗せてどこに行くかと言ったらその次の国というのは知らない訳ではないですから、そうするとその名前を言いたくない国に行っているかもしれませんね。オランダかもしれませんけれども、その場合には当然係官か何かが待っていて、飛行機の中で受け継いで――保護を完璧にするのであればそうやって守っていくと思います。
高嶋)そこまで国が関与してしっかり動かしたとすれば、相当の安全、セキュリティは取られていると考えても良いですか?
宮家)そうですね。これだけやってやられちゃったら大変なことになりますからね。そりゃそうだと思いますよ。
高嶋)面目ないですよね。
宮家)それだけ重要な事件と考えていたのでしょうね。
正男氏の息子の漢率氏 今後はどんな立ち位置に?
高嶋)そして北朝鮮との関係、国対国は分かりますけども、金漢率と金正恩、これはどんな風になっていきますかねこれから? 相当丁々発止になりますかね?
宮家)まず会ったことが無いでしょう。親戚なのかもしれないけども腹違いだし、どうですかね。暴君政権とか言っているけども、そんなこと簡単にできますかね? 彼はただ単に英語も上手いし、なんとか生きていければ良いのではないかと私は思いますけどね。あまり政治的に使われたくはないと思いますよ。今更帰りたくないでしょう、あんな所に。
高嶋)でも北と南の融合みたいなことも言っているし。
宮家)やめた方が良いと思うけどなあ。“君子危うきに近寄らず”ですよ。
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