3/17(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！④
PKOの実態に沿って法律も変えるべき時期に来ている
7:10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹･元外交官)
南スーダンＰＫＯに派遣している陸上自衛隊の施設部隊を撤退させる方針を決め記者の囲み取材に応じる稲田朋美防衛相=20170310夜防衛省 写真提供：産経新聞社
南スーダンのPKOの日報問題国連の南スーダンのPKO派遣部隊の日報を破棄したとしながら、陸上自衛隊が保管していた問題で、陸上自衛隊トップの陸上幕僚長に保管の事実が報告されていたことがわかりました。陸上幕僚長への報告後、陸上自衛隊が公表の検討に入りましたが、防衛省・統合幕僚幹部が事実を公表しないよう指示したということです。
高嶋) これまた大騒ぎです。
森田) この南スーダンPKOの日報問題というのはそもそも去年の10月にフリージャーナリストからの情報公開請求に対して、防衛省が去年の12月の初め、廃棄済みだということで情報不開示を決定しました。ですが年末になりまして防衛省の統合幕僚幹部に電子データが保管されていたことがわかって、今年の2月に黒塗りで公開しました。この日報は、南スーダンの政府軍と反政府勢力の争いを『戦闘』と表現しておりまして、国会で武力衝突としてきた政府答弁との整合性を野党から追及され、稲田朋美防衛大臣への報告遅れも問題化しておりました。新たに統合幕僚幹部だけではなくて、陸上自衛隊の中にも今年1月ごろまでこの日報の電子データが保管されていたことがわかりました。陸上自衛隊トップの岡部俊哉陸上幕僚長にもこの保管の事実が報告されていまして、陸上自衛隊としては公表しようということで検討に入ったのですが、統合幕僚幹部の背広組と呼ばれる防衛官僚が、保管の事実を公表しないよう指示したということです。稲田防衛大臣は昨日の衆議院安全保障委員会で次のように述べております。
稲田) 破棄を指示するようなことは断じてありません。徹底的な事実調査をした上で、しっかりと改善していくのが私の責任であると考えております。
森田) 稲田防衛大臣は特別防衛監察の実施を指示しまして全容解明を目指しますが、野党は隠ぺいに次ぐ隠ぺいだと批判を強めています。
文章をつくれなければ役人じゃない高嶋) 宮家さんにずばり伺いますけど、キャリア官僚を長くやられていて、お役人というのは、一番メモを取ったり日誌を書いたりするタイプですよね？
宮家) 文章をつくれなきゃ役人じゃないですよ。
高嶋) でしょう？ それが全部なくなったとか見当たらないと言っているから、はなから嘘つきっぽいなと思っていましたが。
宮家) 普通そう思いますよ。
PKOの実態に沿って法律も変えるべき高嶋) 森友の問題にしても、防衛省の問題にしても。なんでそんなにいけしゃあしゃあと。
宮家) 都合が悪くなるとなくなるのですかね(笑) それはいかんよね。私はあの隠ぺい体質の議論について2つポイントがあると思っています。1つは公務員で行政をやる人だから、当然記録を持っていないといけないし、それを隠すなんてとんでもない話。だけどもう1つ言いたいことがある。PKOというのはそんなに安全な仕事じゃない。安全だったら、戦闘がない。それであったらシビリアンが行くなり、丸腰で行けばいい。だけどそうじゃないでしょう。PKOというのは戦争の終わった後に『どうやって平和を回復する』かということが使命だから危険を伴う。それで各国から軍人、もしくは自衛隊を出すわけですよ。だとしたらね、この五原則が必ずしも実態に合っていないという持論もあっていいのではないか？ それがないのが不思議でしょうがない。
高嶋) 言葉面で、稲田さんの国会答弁で言うと、持って回ってくどくどくどくど憲法にも触れないよう無理なことをやるからおかしくなる。じゃあ変えましょうと、安倍さんもズバッと言えばいいんでしょうけど。
宮家) なかなかそれは勇気が要りますからね。私は勇気を出して言いますが。今までを悪いというつもりはないけれど、やはりPKOの実態というものを考えたなら、やはり法律もそれにしたがって変えてかなきゃいかない部分があってしかるべきですよ。
高嶋) そうか。現実はねえ、なんでさっと変えられないのか。
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