テレビに隠された意外なワナ?

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16日(日)夜放送の「高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと」で、朝井リョウが、日本のテレビというものに対し自分なりの提案を掲げた。

テレビに隠された意外なワナ?

先日配信された、ホームページで公開中の番組コンテンツ『ホントヨブンのこと』で、珍しくいい話が出たとのことで、今回はそれについて本編でも話すことになった。その内容とは、テレビっ子である朝井が、「もう少しこうしたら、テレビがもっと面白くなるかも?」と提案をしたというもの。何が変わればテレビの見方が変わるのか?という大きなテーマに対し、朝井なりの意見を披露した。

初めに出た話題は、テレビのドキュメンタリー番組について。職人系の人のドキュメンタリーが大好きで、よく見るという朝井。大体の場合、グッとくる発言をしたり、紆余曲折を経て原点にたどり着いたりと、心惹かれる内容になっているが、朝井はそういうのが大好きとしつつも、すごく傷ついたり打ちのめされたりすることがあるそうだ。

朝井の要望としては、「まず、その人たちの収支を、一番初めに教えてくれると集中できる。」とのこと。街の中には、すごく素敵なお店ではあるが、「1日20食」「完全予約制」などこだわりが多く、どうやって生計を立てているのか気になるといった場合などもあるため、そこを初めにすっきりさせておきたいとのことだ。

それと同時に、最初に提示してほしいことがもう一つあるそうで、職人系のドキュメンタリーを見たとき、後半になって急に現れる、すごく物分りの良い妻または夫の存在について触れた。これには高橋も、「これはあるあるだね(笑)」と激しく共感。ストイックにその道をひたすら突き進み、不器用ながらに苦悩してやってきたように見えた職人が、実は普通にパートナーがいて、そのパートナーが全部家庭のことをやってくれていると分かったとき、「そういうこともちゃんとやった上で…ってことなのね。」「本当は不器用じゃないじゃん。」と、朝井はとてもショックを受けるそうだ。

さらに、朝井はドキュメンタリー番組を見たあと、実際にその職人のTwitterなどをチェックするそうだが、その更新頻度が意外とマメだったりすると、テレビのイメージとのギャップにショックを受けることもあるという。

家族の有無もTwitterの件も全て朝井の勝手なイメージであり、「別に全然いいんだけど!」としつつも、現状の番組構成だとどうしてもイメージとのギャップが生まれてしまうため、「収支を初めに言うことと、ステキな家族がいる場合は先に言ってください。」と、朝井は改めてテレビ業界に対する提案を行った。ほかにも朝井は、高校スポーツ観るのが好きだということで、そういった番組に対する提案も披露。中継などを観ていて、「こういう情報があったら、野球に興味がない人やスポーツに興味がない人も観てくれるんじゃないか?」と思うことがあるという。

それは、その活躍している選手たちのプロフィールが表示されるとき、学校名や学年のあとに、しれっと“恋人の有無”を記載してほしいというもの。「なんでそんなプライベートなことを記載しなきゃいけないの?(笑)」と、すかさず正論でツッコミを入れた高橋だったが、朝井はなおも続けた。

朝井曰く、恋人がいるかいないかが分かると、そこから勝手にこっちが肩入れできるとのこと。例えば、ピッチャーで“彼女無し”と出ている人が、“彼女有り”のバッターから三振をとったりすると、彼女がいない視聴者にとってはまさに英雄となり、気持ち的にとても盛り上がるという話だ。もちろん、本当にスポーツ好きな人はそういったことに興味を示さないが、入り口を広げるという効果はあるのではないかと朝井は語る。

それに対し、「でも年代的にその辺りはナイーブですからね。そんなの記載しなきゃいけないってなったら競技人口が減りそう。」と別な心配が高橋から出ると、「彼女がいるかいないか書くのがイヤな場合は、どこまでしたことがあるかとか…」と、朝井はさらに困った発言。すかさず高橋から、「オカシイでしょ(笑)」とツッコまれていた。

テレビに対して思うことはいっぱいあると語る朝井は、次にCMについてメスを入れた。日本では、半年に1度ほどのペースで、CMの本数をランキング化したものが発表される。これはすなわち、タレントとしての人気の高さやイメージの良さなどを示していて、すごく誇らしいこととして発表されているが、小説家である朝井の目線は少し違うらしい。

朝井:CMランキングで「1位 17社」とか見ると、僕は「17つの言葉を奪われたんだな」って思うんですよ。

高橋:あ~!あ~なんかちょっと分かってきた。

朝井:CMに出ることってすごく素晴らしいことだって、日本の芸能界はなってる気がするんですけど、小説家の目線からすると、一番つらいことというか・・・つまり言えない言葉が増えるっていうことだと思うんです。

高橋:そう、まぁやっぱり、例えば食べ物のCMをするなら、その食べ物以外のことを口にするのは、特に会社名とかが分かりやすいものについて言うのは、ちょっとやめてくださいねって言われるし。

朝井:あと、その食べ物が美味しくないタイミングがあったとして、それを美味しくないとは言えないだろうし。

高橋:だから好きなもののCMをやる分にはめちゃめちゃ嬉しいし、そのままでいいんだけど。

朝井:そう、それがすごいベストなんだけど。

高橋:え、海外のCMってどういう風にやってるの?

朝井:知らない人がやってるの。その街で生きてる普通の人が使ってるものだよ、みたいな。

高橋:え、でも不思議じゃない?なんか日本でいうCMってさ、やっぱり知名度のあるタレントさんだったりとか、その販売を促進するためにいいんじゃないかって思われて、オファーが来てるわけじゃん。

朝井:そう、その前提が間違ってるんだよ、だから。

高橋:日本と海外の差ってあるね。

朝井:でも冷静に考えると、その人がCMやってると買うってことは、その人に影響力があるってことじゃん?影響力ある人が、何か1つのものに対して、「私はこれです」って言ってはいけないんですよ、やっぱり。

高橋:そっかそっか。

朝井:だから普通の人がやるみたいな感じで撮ってる、海外のCMを見て、こっちが正しいんだと思ったんですよ。

日本のCMというものに対して、自分なりの考えを披露した朝井。高橋としては、実際にCMのオファーが来ることで、自身が世間からそういったイメージで見られているということを知る機会にもなると語ったが、朝井の意見に一定の理解は示していた。

ほかにも、番組ではリスナーから届いた“自撮り写真“付きメールを紹介。先日行われた疑似公開放送時に集めたものから、きちんとファイルに保存してあり、今後送られてきたものも随時ファイリングしつつ、リスナーの成長過程を見ていくとのこと。まだまだ募集を続けるとのことなので、興味がある場合は、実際に番組を聴いて送ってみてはいかがだろうか。

この日の放送は、期間限定でradikoタイムフリーサービスで聴くことができる。

<期間限定!radikoタイムフリーで聴く>
番組名:ニッポン放送『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』
放送日:7月16日(日)22時30分~23時
パーソナリティ:高橋みなみ、朝井リョウ
タイムフリー:http://radiko.jp/share/?sid=LFR&t=20170716223000
番組HP:https://www.allnightnippon.com/yobunnokoto

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