21日(火)、映画「伊藤くん A to E」の公開を記念して、W主演の岡田将生、木村文乃をはじめ、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆と、ドラマから映画まで幅広く活躍する豪華女優陣と、中村倫也、田中 圭の実力派俳優陣が一堂に集結し、完成披露試写会が都内で実施された。
女性から圧倒的支持を受ける柚木麻子の傑作小説「伊藤くん A to E」が、岡田将生と木村文乃W主演で遂に映画化、2018年1月12日(金)より全国ロードショーとなる。それを記念して実施された完成披露試写会には、豪華キャストを一目見ようと駆けつけた約200名超のファンが訪れた。
会場に、本作の主題歌andropの[Joker]が流れると、「キャー!!!」と歓声が上がり、観客のテンションは最高潮に。MCの呼びかけで、まず登場したのが、本作のW主演を務める岡田将生と木村文乃。黄色い歓声が響き渡る会場内に敷かれたレッドカーペットを、観客の声援に笑顔で手を振りながら、歩く二人。続けて、田中圭と佐々木希、志田未来と中村倫也、池田エライザと夏帆、最後に廣木監督が登場し、豪華なキャスト陣が一同に介し、イベントがスタートした。
今回、木村、佐々木、志田、池田、夏帆のAからEの女優陣は、作品のテーマである「毒」にちなみ、毒のある花を持って登場。木村は、虚栄心の意味を持つ【ピンクのゆり】、佐々木は、悲しみの意味を持つ【赤のガーベラ】、志田は、軽蔑の意味を持つ【黄色いカーネーション】、池田は、嫉妬の意味を持つ【黄色いバラ】、夏帆は、純潔の意味を持つ【白いバラ】をレッドカーペットを歩きながら、観客に手渡しするというサービスも。各女優から花を受け取ったお客さんたちは、「キャー!!!」と、悲鳴とも言える大歓声をあげ、大喜びしていた。
イベントでは、史上最低のモンスター級【痛い男】伊藤くんを演じたことについて聞かれた岡田は、「女性たちを振り回し、見た人は大体嫌いになる、モンスター級の痛い男。」と語り、史上最強と言える【毒女】莉桜を演じた木村は、「これだけ豪華なキャストの方々と一緒に並べて光栄です。こんな女であることを痛いと思わせられる作品はないと思いました。AからDの女性たちを嘲笑っていたはずの莉桜に、いつの間にか矛先が向けられている、後から自分に返ってくるなと。廣木さんにはニヤニヤしながら何を言われるか怖かったですね」と語り会場の笑いを誘った。
またそれぞれの役柄について聞かれると、【A】都合の良い女を演じた佐々木は、「5年間付き合っていると思い込んでいて、本当に胸が痛かった。なんでこんな人を好きになったんだろうって。でも振り向かせたい一心で、切なくて辛かったですね。廣木監督にはずっとニヤニヤしながら痛いねーって笑われてました。」、【B】自己防衛女を演じた志田は、「私の演じた役は、伊藤くんのことを好きではなく、伊藤くんからストーキングされていて、存在を疎ましく思っている役で。自分のことでいっぱいいっぱいで恋愛なんてできないし、知らない間に人を傷つけるので、たまにイライラしながら演じていました。廣木監督には、話し終わる前にわかりましたって言っちゃうから、人の話を聞かない修子みたいだと言われました。でもちょっとうれしかったです。」、【C】愛されたい女を演じた池田は、「聡子のハートの矢印は、夏帆さん演じる実希に向いていて。実希に彼氏ができると嫉妬心かで心から応援できない、寂しい、劣等感などが生まれて気づいてほしいと思い悩む役なんです。ずっといろんな感情を抱えたまま撮影していました。」、【D】ヘビー級処女を演じた夏帆は、「実希は処女が重いという理由で伊藤先輩からフラれるんですけど。本人は頭がいいから頭でっかちになって、無意識に周りの人を傷つけていく人なんです。」とそれぞれ役作りの苦労やキャラクターを語った。
また、伊藤くんに振り回された感想を聞かれた女優陣は、佐々木は「すごい嫌な気持ちになりました。」、志田は「圧迫感がすごいなと思いながら現場にいました」、池田は「関わりたくないですよね」、夏帆は「傷つきました」、木村は「コノヤロー!って思ったよ(笑)」と口々に文句を言われ、どんどん居たたまれなくなり、ステージ中央で小さくなっていく岡田。
そんな姿を見ていたドラマプロデューサー田村を演じた田中は、「一生懸命でかわいらしいです。でも出てる人、みんなクズです!」、売れっ子脚本家のクズケンを演じた中村は、「今日それしか言ってない!でもみんな本当に少しずつ小さいウソをついて、可愛らしかったですね。実はクズケンって名前なのに、一番まともなんですよね(笑)」と二人で会場を盛り上げていた。廣木監督は「岡田さんにはもうちょっと痛い感じでやってと言いました(笑)これだけ豪華なキャストが揃ったので、それぞれの役に見せ場があるように作りました」とこだわりを語った。
言われ放題となった岡田は「こういう役を望んでいた時に来たので、ラッキーと思いました。ただ思っていた以上にクズで、ダメで、嫌な奴でした。ただ演じていて楽しかったですよ。何にも思わず演じていました。ただカットがかかった瞬間に、みんなに気持ち悪いって言われて、本当に心がクってなって辛かったです。でも一生懸命、役を全うしました!」と、史上最低の痛い男を演じたことに胸を張った。
今年も残すところ約1か月ということで、【痛い男】伊藤くんと女たちの無様な姿が描かれている本作ちなみに、今年一番痛かったことや無様だったことを聞かれると、田中「体を鍛えることがあるのですが、鍛えるときは炭水化物を抜くようにしているんですね。友人にいま体鍛えているんだと話をしながら食事をしていた際に、僕はそばを食べていたんです。すると友人がそばは炭水化物だって、言ってきて。僕、そばが炭水化物だって知らなかったです!」と発表すると、会場は何とも言えない雰囲気に。
すると田中は「もう、本当に痛いエピソードってこういうことでしょ!」と言い、中村が「そうですよね!」とすかさずフォロー、中村は「コンビニによく行くんですけど、最近海外の方の店員さんって多いじゃないですか。たまたま入ったコンビニもそうで。そこで“ファミチキ”くださいって、その店員さんに何度か頼んだんです。するとしばらく悩んでレジを離れたかと思ったら、申し訳なさそうに“からあげくん”を出してきたんですよ、あ、僕が間違えたんだって気づいて相当恥ずかしかったですね」と語ると会場のお客さんは大爆笑、佐々木は申し訳なそうに「ちょっと前にアニサキスにかかって、ものすごい痛かったです」とリアルな痛い話を披露した。
志田は「野球を観に行ったときに、攻守交代の間にボールをスタンドに投げ入れてくれる時間があるんですけど、私どうしても欲しくてすごくアピールしていたら、後ろにいた小さい男の子がボールをキャッチしたんですけど、獲った後にあげるねってくれたんです。その瞬間に周囲にいた人の目が冷たくて、痛い大人だなと思われただろうなって思ったんですけど、今は家に飾ってあります(笑)」と微笑ましいエピソードを語り、池田は「モデルさんになりたての頃、ブログをやっていて、周りのモデルさんはお洋服や化粧品などモデルさんらしいものを紹介している中、田舎に住んでいたので、周りにはハトしかいなくて、結構な頻度でハトの写真をアップしていたのは、痛かったなって思います」と語った。
夏帆は「最近自分の部屋の扉で顔をぶつけたんです。しかも部屋の扉が開いていると思って思いっきりぶつけたから、メガネも壊れて、すごく痛くて涙が止まらなかったです」、木村「先ほど原作者の柚木先生にいきなり可愛い子好きでしょって言われて。それから横にいる小柄な志田さんがすごくかわいく見えて、志田さん、さっき取材でみんな一緒に写真を撮る時間があったんですけど、スタッフの人がきゅってなってくださいと言ったときに志田さんだけ、“きゅっ”て言ってて、もうすごくかわいくて、そんなことをずっと思っている私が痛いなと」、隣で可愛いと言われ続けた志田は「隣に立っているのが恥ずかしい」と恐縮しきりで、笑いを誘っていた。
最後に岡田は、「休みの日に車を運転していたんですけど、細い道に入ったところで、10人くらいの小学生に車を囲まれて。この人知っている、車から出てきて~と、車の周りで騒がれて。ずっと下向きながら通してーって言っていたんですけど、最後に小声で岡田将生です、と言ったのが悲しかったです。」と、全力で当時の様子を演じ、会場が大爆笑に包まれた。しかし最後は、岡田「伊藤はひどいとさんざん言いましたが、僕は伊藤くんを演じられてよかったと思っています。たくさんの人にこの作品を届けたいと思っています」、木村「ドロドロした部分だけでなく、観た後にスッキリ爽やかな気持ちになる作品だと思うので、この作品を愛してくれたら」としっかり映画をアピールし、イベントは終了した。
映画「伊藤くん A to E」
落ち目の脚本家・矢崎莉桜は、“伊藤”という男について悩む【A】~【D】4人の女たちの切実な恋愛相談を、新作脚本のネタにしようと企んでいる。心の中で毒づきながら「もっと無様に」なるよう巧みに女たちを誘導、そんな莉桜の前に“伊藤”が現れる。“伊藤”は莉桜が主宰するシナリオスクールの生徒。中身が無く、いつも口先だけの彼が、なぜか莉桜と同じ4人の女たちについての脚本を書いていくのだ。しかもそこには、莉桜のネタにはない5人目【E】の女が存在し…。“伊藤”の狙いは一体何なのか――。莉桜は、徐々に追い詰められていく。
出演:岡田将生 木村文乃 / 佐々木希 志田未来 池田エライザ 夏帆 / 田口トモロヲ・中村倫也 田中 圭
監督:廣木隆一
原作:柚木麻子「伊藤くん A to E」(幻冬舎文庫)
脚本:青塚美穂
音楽:遠藤浩二
主題歌:androp「Joker」 (image world)
配給:ショウゲート
©「伊藤くん A to E」製作委員会
公式サイト:http://ito-kun.jp/