「オールナイトニッポン50周年」が、放送人が選ぶ・放送人の賞「放送人グランプリ2018」の準グランプリを受賞した。
「放送人グランプリ」とは、毎年度の放送番組のなかから、一般社団法人「放送人の会」会員が推薦する番組を審査し、顕彰する“放送人の放送人による放送人のための賞”。2002年に創設され今年で17回目、その準グランプリを「オールナイトニッポン50周年」が受賞した。
今回の表彰理由については、「1967年にスタートし、60年代、糸居五郎、亀淵昭信などラジオDJが担当、深夜に若者文化を開花させました。70年代、80年代は、中島みゆき、吉田拓郎などニューミュージックのアーティストが務め、さらにビートたけし、タモリ、笑福亭鶴光などエンターテインメント・パーソナリティと多彩に新陳代謝を繰り返し、常に時代を共鳴させながら変化し、昭和から平成の時代を駆け抜け今日に至っています。こうした50年の番組継続は確固とした編成方針、そしてパーソナリティの発掘から演出まで総合力の結集が結果として実り、多数のリスナーを吸収して看板プログラムとして存在し続けてきました。時代と共に若者と共に50年に渡り、才能豊かな数々のパーソナリティを見出し、リスナーに寄り添い、深夜の解放区として、話題や文化の発信基地となっている功績を称えます。」と発表されている。
5月19日(土)都内で行われた贈賞式では、「オールナイトニッポン」プロデューサーのニッポン放送 編成局編成部主任・冨山雄一が、50年に渡って「オールナイトニッポン」に関わったすべての人を代表して感謝の意を述べた。スピーチの全文は下記の通り。
「この度は大変名誉ある賞をいただきまして誠にありがとうございます。放送人グランプリということで、思い起こしますと、私自身の放送人としての基本を作ってくれたのは、今は亡き先輩のチーフディレクターです。『オールナイトニッポンは、変化を恐れるな。それがDNAだ』と教わりました。彼とは、東日本大震災の1週間後にオールナイトニッポン(以下ANN)のパーソナリティではなかったのですが、東北に向けて発信し続けるサンドウィッチマンに電波で話してほしいという熱い思いから、放送の前日に急きょオファー。ANNの特番を制作し、災害放送をしていた東北地方でもオンエアしていただきました。リスナーがその時求めているものに、変化を恐れずチャレンジしてきました。
1967年に社員DJから始まったANNも、70年代には、今回特別賞を受賞された小林克也さんやミュージシャンの時代、芸人さんたちが活躍する80年代と時代ごとに形を変えてきました。ラジオを取り巻く環境も大きく変わっています。今の10代リスナーはラジオを知らず、ラジコを聴いています。SNSの登場で番組が即、実況され拡散されるようにもなりました。ワイドFMで聴きやすくなり、ラジコのタイムフリーでリアルタイム以外でも楽しむ人が増えています。しかし、番組の中身は変わっていない気がしています。パーソナリティが生放送で何かを問いかけると、全国のリスナーが反応してくれる。その方法は、ハガキからFAX、メール、SNSと変わってきましたが、キャッチボール自体は1960年代から変わっていないと思います。今回、50周年で準グランプリを頂きましたので、次は100周年でグランプリを頂けるよう、改めて日々の番組制作に精進してまいります。」