オリラジ中田が語る、次のムーブメントは“忍者”論
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毎週水曜日午後6時から放送のニッポン放送「オリエンタルラジオ 中田敦彦のオールナイトニッポンPremium」。2時間半にわたる“本音”トークの中から、allnightnippon.com編集部が厳選した内容を、中田敦彦の“熱い語り”そのままに、毎週お届けする。
「オリエンタルラジオ 中田敦彦のオールナイトニッポンPremium」今週の“中田論” 第18回(1月30日放送分)
※番組前半に次にムーブメントをおこすのは「忍者」だというトークを展開。忍者をモチーフにしながら、日本人では思いつかない、従来の忍者的ではないルックスで、世界的に人気なパフォーマンス集団『Kinjaz(キンジャズ)』などを例に挙げながら、中田さんが、忍者パフォーマンス集団をどうプロデュースしていくかをトークしていた。
まず忍者の名前の役、決めなきゃな~、って思ったの、俺。それで、じゃあまずはやっぱり服部半蔵とか、猿飛佐助とか、霧隠才蔵みたいなね。サイゾウとハンゾウとサスケと、みたいなの考えてたの。ところがその考え、打ち砕かれたね。
これね、昨日ね、僕の楽曲を作ってくれてるジュブナイルくんがいる『OOPARTZ(オーパーツ)』っていう2人と『HOME MADE家族』って今、活動休止中なんだけど、そのメンバーの1人であるKUROさんっていう人と4人で久々に会って飯食ったときに、そのね、音楽関係だから、いや、忍者なんですよ、みたいな。俺やりたいんですよ、って話をしてたら「面白いね」って。
で、話聞いたらKUROさんってアメリカで育ってるんですよ。アメリカで十何年育ってて、大学あたりで名古屋来て、そっからラップやって、いったら、そのヒップヒップカルチャーを持ち込んで、で名古屋でラップやってメジャーデビューみたいな、そういう人なのね。「アメリカに、良いじゃん、良いじゃん。忍者めっちゃ受けると思うよ」って。「正直アメリカ行ったとき、ほぼ日本人のあだ名、やっぱニンジャになる事多いんだよね、って。そうなんだよね~」って。「それで手裏剣の折り紙とか作ったらめっちゃ喜ばれたよ~」みたいな。「やっぱ忍者なんだよな、あれ不思議だよな」って。
KUROさんが「あの~何でさ、侍じゃねえんだろうな」って言ったんすよ。そしたら『OOPARTZ』のジュブナイルとかも「確かにそうっすよね、え、日本人だったら『侍JAPAN』とか言うし、侍を押したらどうすか、中田さん」みたいなのを言ってきたから、俺がそこはもう力込めてこう言った。侍じゃねえんだよ。侍じゃねえぞ、ここまず、日本人まずわかっとかなきゃいけないのは、絶対侍じゃないから。もう『侍JAPAN』なんて二度と言わない方が良いくらい侍じゃないから、って言ったの。「え、何でですか?」って。
確かに日本人は忍者の事をむちゃくちゃ舐めてる。だから「ニンジャ、ニンジャ、ってそんなに嬉しい?」なんて言うよね。「『NARUTO』売れたのなんでだろう?」みたいな、言うよね。「侍の方が凄いじゃん。だって大河ドラマで忍者の話あります?ないですよね?忍者のだれだれが主人公が毎年続く話じゃないですよね。大体は幕末か戦国の武将ですよね。」って。だから絶対日本人は侍が好きなの。『侍JAPAN』なの。ね。でも絶対にない。なんでか?あいつらは髪形が変だから。あいつら真ん中剃っちゃってるから。絶対におかしい。
だってダサくない?あの髪。誰もつっこまないから、俺すげえ不思議で。なんでって思うの。なんで侍まだイケてるってみんな思ってんだろう、って。俺ら(侍を)見て育ちすぎたんすよ。1回引いてみ。お前明日からアレな、って言われたとき、地獄のイジメだよね。真ん中を全剃りして、サイドめちゃ伸ばししたあと、それ結んで立てるのよ。そんなことある?そんなヤツいる?いやいやなんか美容室寝て起きてアレになってたらもう訴訟だよね。どういう事ですか、って。いやそんなわけないんだから。全世界見てもあの髪形ないよ。今、現時点で全世界見てもアレが流行ってる街ないんだから。なんでかはわからない。俺もわからない。あれ月代(さかやき)って言うんだよね。月に代わるって書いて月代(さかやき)って言うんだけど、何であんな髪形してたかは全くわからない、俺は。何なんだろうね。どう考えてもおかしいんだ、あの髪形は、侍。
で、なんでそれを海外の人は言ってこないか。気を遣ってると思う。すげえ気遣ってると思う。だって自国の長い文化だし、こいつらめっちゃ喜んで大河ドラマとか言って、侍!とか言ってるから。コレかっこいいでしょ、って結構ドヤ顔で何度も見せられた、と。コレがうちの文化だ、と必ず侍を見せてくる、と。頭の真ん中剃っちゃってるけど、こんなキラキラした自国のね、お国のものに対して、「ワッツ?オー!ノー!クレイジーヘアスタイル!センター、ノーヘア、センター!」って言おうものなら、多分もうインターナショナルなケンカになるぞ、って空気で察してんのね。彼らは。だから「オー、ベリークール!」「ナイス!ナイス!」って言うけど、絶対に侍はやりたくない、って思う、俺は。俺だったらね。だから絶対忍者なの。
その上で忍者の恰好で、俺はあの、下を膨らませてるビジュアルの忍者を作ってる人には絶対負けない。アレがダメだから。だから俺は忍者って言わない。察してもらう。だから僕はね、ユニット名を『BLACK MASX』って、その人と考えて付けたんだけど。ニンジャナントカってみんな言いたい、絶対言うの、ニンジャナントカって。だけどね『Kinjaz(キンジャズ)』って、『Kinjaz(キンジャズ)』だから。忍者って言ってないから。
実は忍者って向こうでは憧れもあるけど、ダークヒーローなんですよ。むしろ悪役として出てくるんですよ。だから否定的に考える人もいるんですよ、忍者って言いすぎると。で、忍者の事を否定的に考えてる人も、あ、そういうパフォーマンスね、っていう事だったら受け入れられるんだけど、絶対に忍者って言うと、ん~…ってなる人もいるらしいのね。それくらい日本人とかは悪役として描かれてくるんだって、欧米社会とかで。アジアとか日本人とかが黒い空手着来て、ワッて出てきたりして、なんか主人公を追い詰めていく、みたいなシーンを幼少の頃から何回も見てるからちょっと怖くもあるわけですよ。
『ニンジャ・タートルズ』って、あんな恰好してないでしょう、あんなボンタンみたいな服してないでしょう?『ニンジャ・タートルズ』って1回観てほしいんだけど、目にハチマキ巻いてるだけなんですよ。あとは何か普通にカジュアルな、でピザとか食ってる。でストリート歩いてる。訳わかんなくない?でもそれがニンジャなんだよ。
で、KUROさんともうちょっと話してたら、「そっか、真ん中剃っちゃってるからダメなんだ」みたいな。「そっか、膨らんだズボン、ダメなんだ、なるほどね。あっちゃん、それ確かにそうだ」って。「じゃあ、もう1個言うんだけど、向こうの人、空手めちゃくちゃリスペクトしてる」って。へー、そうなんですか、って。『ベスト・キッド』がめちゃくちゃ流行った時期あって、正直空手を拳銃よりも強いと思っている節がある。だから映画とかで描かれるよね。拳銃をワッと、”フリーズ!”みたいなこと言って構えたら、”アチョー!”とか言って、”カラテ!”とか言って、パンって銃弾をはじいたり、その拳銃をパンって叩き落としたりするようなアジア人が出てくるストーリーがいっぱいあるらしいんですよ。だからアジア人がバッて空手の構えした瞬間に、うわー本物!って思うらしいんですよ。
インドの人のヨガって俺たちもヤバいと思ってない?思ってるよね?あ、火を吹くのかな、ってそう思うよね。アレ?って思うの。なんでかって言うと俺たちにはダルシムがいるから。ダルシムを知ってるから。”ヨガ”って言う。”ヨガ”っつったら後ろにいる。後ろを振り返ったら火を吹かれる。そんな幼少期を俺たちは過ごしたんだよ。だからインド人が”ヨガ”と言いだしたら、浮いているときだよね、それはもう。地表から。ヨガって最近流行ってんじゃん、なんか女性が。だからそう(ダルシムのイメージ)じゃないんだ、って普及したけど。女性の間でヨガ流行ってなかったら、俺たちにとってのヨガはまだアレだからね、ダルシムだからね。だから欧米人にとっての空手っつうのはとてつもなく怖いものなんだって。だから、まず出てって、空手みたいな”ハッ!ハッ!”みたいな”カラテ!”ってやるべきだ。やった上でベケベンつって。“ニンジャだ!ニンジャだ!こいつらニンジャなんだ!”って。これです。
ポイントは名前。さっき言ってたよね、サスケじゃねえ、って。なんでか?それを聞いた時に思ったんだけど、それはKUROさんがね、「忍者いけるよ、あっちゃん、それ!だってさ、日本で『SASUKE』ってあるだろ?TBSとかでやってたじゃん、あの体動かしてのやつ。アスレチックの番組さあ、あれ向こうで名前変えて大ヒットしてるもん。それもなんか、ニンジャナントカって番組になってんだよね。」って話聞いて。ちょっと待ってください、KUROさん、今なんて言いました?「え、『SASUKE』が名前変えて大ヒットしてんだよ、だから絶対忍者いけるでしょ」ちょっと待ってください、『SASUKE』って名前変わってるんですか?「変わってるよ」って。
俺はね『SASUKE』ってタイトルは素晴らしいタイトルだと思ってる。なんでかっていうと『SASUKE』っていうだけで日本人は忍者を連想するって事がわかってる人が付けてるタイトルだから。ところがそれが変えられてしまった。これはどういう事か。『SASUKE』が名前かどうかすら知らないし、忍者を連想しないってことなんですよ。だから、ニンジャナントカアスレチックって(タイトルに)なってる。そっか、じゃあなに、サスケとかサイゾウとかハットリみたいなのは向こうには通じないんだ。ちょっと待ってよ、って。
確かにそうだ、アメリカ人といったら俺たちは名前なんて言う?マイケルだよね、トムだよね、ジェームズとかさ、知ってる名前はわかるよ。だけどなんかさ、時々、それなんの名前?っていう時ない?それもアメリカ人の名前なんだ、っていう時あるじゃないですか。そういう時って名前かどうかわかんない。じゃあペルーの人、まぁ急に出すけど。ペルーの人の名前言える?1個も例に出せない。向こうの人が知ってる日本人の名前じゃなかったら、忍者の名前なんだよ、本場の、って言っても誰も知らない。ヨガの凄い人の名前なんだよ、ってインド人に言われても絶対にわかんない。名前違うわ、って。それがわかってねえからカリフォルニアロールが作れねえんだよ、日本人は。って思って。
日本人の名前だって確実にわかる名前ってありますか?って聴いた。「そりゃ自動車の名前だろ」と。「向こうじゃ日本の名前っていえば自動車の名前なんだぜ」って。「トヨタ、ホンダ、マツダ、で、カワサキだな、バイクの。これはわかるわ。」と。「あとはワタナベだ。ケン・ワタナベがいるからな。これはわかる。」と。あ、なるほど。トヨタ、ホンダ…そういやそうだ『ストリートファイターⅡ』のあの相撲レスラー、エドモンド本田じゃねえか。ホンダだよ。
って事はだよ、俺の作る忍者集団の名前はトヨタ、ホンダ、マツダ、カワサキ、ワタナベっていう忍者なんだよ。”トヨタ!カワサキ!ワタナベ!ヘイヘイ!カラテ!”これで始まるの。で、ベケベンベンベンベンベンベンベンっつって、パフォーマンスが15秒か20秒あったら、あとは歌いだすの。ギュンギュンギュンギュンギュンっつって。それが本当の忍者。そいつらがキャップとスニーカー履いてんだから。これですよ。
それがヒプノシス・マイク(男性声優12人によるラップソングプロジェクト)的にキャラがいるわけ。トヨタ。イケメンがいるわけ。多分真ん中だろうね。一番売れてるだろうから。”俺がトヨタだ。”みたいなね”俺はホンダ。”みたいな、そういう。”僕はマツダだよ!”なんて可愛い系のキャラがいて、寡黙なヤツもいるんだよね。”私がカワサキだ…”みたいなね。そういうなんか5人くらいのね、オレ様とかさ、可愛い系とかな、色んな多種多様なイケメン忍者たち。そいつらが歌う。”オレたちが忍だぜ”みたいなね。そういうことをやる、っていうのを僕は世界に売り出そうと思って。『BLACK MASX』のページをですね、もう作りました。