オールナイトニッポン55周年記念『タモリのオールナイトニッポン』が2月18日（土）に放送。星野源をゲストに迎え、音楽談義を繰り広げた。

タモリ　星野源

フジテレビ系『笑っていいとも！』でさまざまな海外アーティストをゲストに迎え、コラボしてきたタモリ。

なかでもヒップホップ・グループ・RUN DMCとのコラボは伝説として語られており、自身も「タモリさんラップしてる！ すごい！」と衝撃を受けたという。タモリもRUN DMCとのコラボは強烈に印象に残っているそうで「RUN DMCとラップやったのは日本で俺だけじゃない？」と笑わせた。

さらにジャズ・バンドのModern Jazz Quartet（モダン・ジャズ・カルテット）とも『Night In Tunisia』をトランペットでコラボしたタモリ。こちらも「今なら勘弁してもらいたい」と恐れ多く感じているそうだ。これらのコラボはスタジオアルタから生放送で披露されており、星野は「そんな人、世界にいないですよね。素晴らしいです」と感嘆していた。

タモリはジャズトランペット奏者のマイルス・デイビスとも対談したことがあり、「これはお守りだから持って帰れ」と名前入りのオリジナルの絵をくれたこと、自身のトランペットにサインもしてもらったこと、最後に「いいインタビューだった」と褒められたエピソードを明かした。「RUN DMCと一緒にラップをして、Modern Jazz Quartetと共演して、マイルスにインタビューして…すごい人生ですね」と称賛していた。

星野が「オールナイトニッポン」の50周年記念ジングルと55周年記念ジングルを担当したことから、ジングルの話に。アメリカのFM局のジングル憧れたというタモリが「行ったことないけど、ダラスかどこかのFM局がある街を表現しているような感じ（が好き）」というタモリに星野は「ジングルを聴くとラジオ局がある街が見えてくる。ラジオは地域性がありますよね」と頷いていた。

タモリに「小さいころ、音楽に目覚めた曲はあるの？」と聞かれると、星野は両親がジャズを演奏しており、家ではずっとレコード流れていたことから「生まれる前から、お腹のなかにいるときから（ジャズを）聴いてたんだと思います。一番最初は（ジャズ・ピアニストの）トミー・フラナガンがすごく好きで、アルバムの『Overseas』が、子ども心にキャッチーで、ドラムソロが好きになって。それでまず夢中になり……あとはニーナ・シモン、セロニアス・モンクとか……」と語るとタモリは「渋い子供だね～！」と驚いていた。ジャズに囲まれた幼少期を過ごした星野はテレビ東京系『タモリの音楽は世界だ』もよく見ており、タモリのことを“面白いジャズメン”というイメージを持っていたことを明かした。

タモリは父親や姉の影響もあり、民族音楽を多く聴くなかでジャズドラマーのアート・ブレイキーのレコード『Moanin'』にたどり着き、「あ、これだな、俺」と自分にぴったりだと感じたという。ちなみに星野は子供の頃にピアノで一番最初に弾いたフレーズが『Moanin'』だったといい、意外な共通点に盛り上がっていた。

周りでジャズを聴いている人は誰もおらず、誰かと話したくても話せなかったというタモリ。星野は「誰にも話ができない時間がすごい好きで。誰にも共有できないときって大事だなって勝手に思っていて、自分の中で膨らんでいくじゃないですか。今は割と誰とでも共有できちゃうから、すぐ発散できますけど……」と語る。

タモリは在日米軍向けに放送されていたラジオ・FENのジャズ番組を一人で聴き、「誰にも言うことはなかったが“誰にも言えない”ということが決して嫌ではなかった」という。星野が「孤独なんですけど、孤独じゃないというか。何かと繋がっている感じがちょっとある」と頷くと、タモリは「友達とじゃなくても、他のすごいものと繋がっている感じがするんだよね」と話す。「発酵していく、みたいな」と例えると、星野は「すっごいわかります！」と嬉しそうに共感していた。

『オールナイトニッポン』のなかでもさまざまな楽曲を流し、数々のヒット曲を誕生させてきたタモリ。自身が最初に聴いた楽曲「白鷺三味線」のエピソード、「新宿ゴールデン街」を33回転で再生したきっかけ、青春時代はアンプづくりに没頭した話なども語ると、星野は自身の楽曲『恋』制作秘話、『オマリーの六甲おろし』にまつわる思い出などを話し、大いに盛り上がった。“音質”や“音圧”の話や英語と日本語の発声の違いなどの話も繰り広げられ、ディープな音楽談義に花を咲かせていた。