2月15日（水）深夜に放送された、テレビプロデューサーの佐久間宣行がパーソナリティを務めるラジオ番組「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」（ニッポン放送・毎週水曜27時～28時30分）に、構成作家のオークラ、東京03・飯塚の2人が生出演。コント台本を作るときのことや、尊敬している芸人についても語った。

番組終盤、リスナーからメールで「自分は、大学のお笑いサークルでコントを作っています。尺が6分以内に収まってしまい、そこから展開も思いつきません。長尺のコントを書くコツはありますか？」といった内容の質問が届き、これまで数々のコント台本を書いてきたオークラと飯塚が回答する。

オークラ：6分に収める方が難しいですね。

飯塚：僕もざっと書いたら大体10分ぐらいになっていて、そこからテレビサイズの6分にするので。質問してくれた彼は、コンビでのコントを書いているのかな？

佐久間：ああ、そうかもしれないですね。コンビのコントで、設定が一発で書いているんじゃないですかね？ 展開というより、設定から起きることで書くから6分で終わるのかな？ ――東京03の場合は必然的に3人だから、展開ができちゃう感じですかね？

飯塚：そうなんですよね。僕らはトリオでやっているから、2人のやり取りで終わらせるわけにいかないので。3人目を出す時、同時に展開が生まれるので。だから（展開が無くて）困ったことがあんまりないですね。

佐久間：バナナマンは２人なのに、平気で20分ぐらいのコントをやるじゃないですか？

オークラ：特殊ですよね。あの２人は１つの縦軸で動いていないことが多いから。

佐久間：なるほど。

オークラ：最近のバナナマンのコントは、哲学ちっくなことを語る時があるから。

佐久間：確かに、最近のバナナマンのコント、目の前で起きている笑いとテーマが別だったりしますよね。

オークラ：たぶんだけど、バナナマンはネタ番組に出ていないから……。

佐久間：ああ、短くして、笑いを詰め込まなくていいんですね。

オークラ：そう、見せたいものがあって、1ルールのキャラクターではなく、キャラクターの心の動きがあるから、その中に哲学的なことを語ったりすると、どうしても尺が長くなる。

佐久間：そう考えると、1人で15分ぐらいの尺のコントをやるバカリズムって、おかしいですよね。

飯塚：あれは凄い。

オークラ：バカリズムはこれまで日本に生まれてきた芸人の中で一番おかしいと思う。普通に考えて、あれだけMC とかやっているのに、ドラマ『ブラッシュアップライフ』（日本テレビ系）の脚本も書いているじゃないですか？ こんなの、あり得ないですよ！！

飯塚：あり得ないよね。

オークラ：あれはちょっと……説明ができない。

佐久間：マジ歌（『ゴッドタン』（テレビ東京）の「芸人マジ歌選手権」）も書いてくるんですよね。一回だけ、バカリズムが連ドラの脚本もあった時、僕はオークラさんと話し合って、マジ歌に声をかけなかったんですよ、『今回は無理だろう』と思って。そうしたら、（バカリズムに）めちゃくちゃ怒られた（笑）

オークラ：しかも今度、バカリズムが『ゴッドタン』に出るけど……。この時期に出てる場合じゃないだろ！（笑）

佐久間：『ゴッドタン』の収録で大喜利を自分で設定を考えて、大喜利をやってもらうんですよ。確かに僕たちがブッキングしたけど……今のバカリズムは、大喜利の設定を考えている場合じゃないだろ！ 今、あんな面白いドラマを書いてる最中なのに！ っていうね（笑）

オークラ：普通、脚本家は、その時期は（ドラマを手掛けている期間は）それしかやらないんですよ。

飯塚：普通はね。

オークラ：なのに、『ゴッドタン』にバカリズムが持って来た大喜利の設定も、『なんだ、この設定は！』って驚く。

佐久間：バカリズムが持ってきた大喜利のお題、見たこともないような大喜利だったから、会議でみんな「まじかよ！ これ以上発明するなよ！」って言ったくらいで。

オークラ：バカリズムがいる限り、何をやろうが『ぜんぜん所詮、俺なんて……』って思っちゃう。

佐久間：それはありますよね……。

長尺のコントを作り上げ、現在放送中のドラマ『ブラッシュアップライフ』の脚本を手掛けつつ、他の番組も高レベルにこなすバカリズムの仕事ぶりに「あり得ない」と語った3人。佐久間とオークラは、この“バカリズムが凄すぎる”という話を頻繁にしているそうで、彼と自分を比べてしまい、「逆に変に落ち込むことがある」と苦笑いで明かした。