お互い切磋琢磨する良きライバル杉村英孝との関係 廣瀬隆喜(ボッチャ日本代表)インタビュー(2)

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ニッポンチャレンジドアスリート・廣瀬隆喜(ボッチャ日本代表)インタビュー(2)】

このコーナーは毎回ひとりの障がい者アスリート、チャレンジドアスリート、および障がい者アスリートを支える方にスポットをあて、スポーツに対する取り組み、苦労、喜びなどを語ります。

ニッポンチャレンジドアスリート 花岡伸和

廣瀬隆喜(ひろせ・たかゆき)
1984年千葉県君津市生まれ。先天性脳まひのため、普段は車いすで生活を送る。高校時代から本格的にボッチャを始め、2006年日本ボッチャ選手権で初優勝。通算6回日本一に輝いている。北京、ロンドンに続き、リオパラリンピックにも出場が決定。初のメダルを目指す。

―廣瀬には長年にわたってボッチャ日本一の座を争ってきた良きライバルがいる。同じ日本代表で二歳年上の杉村英孝だ。廣瀬にとって杉村はどんな存在なのだろうか?

廣瀬 ここ数年、日本選手権で優勝を争っている存在で、本当に良きライバル、二人で切磋琢磨して技術も向上していけば海外でも対応できると思っています。杉村さんがいなければもっと上の技術をやろうと思っていなかったかもしれませんね。チームになると仲間として力を合わせてやるので、ライバルでもあるし良きチームメイトでもあるという存在です。

―国内最高峰の大会、日本ボッチャ選手権で通算6回の優勝を誇る廣瀬だが、2013年に行われた第14回、15回大会ではいずれも決勝で杉村に敗れ、2大会連続で苦杯をなめた。

廣瀬 ミリ単位の試合でした。目で見た感じだと白いボールにくっついているか、ついていないかが何個もあるという接戦だったんですが、負けたことは本当に悔しいですね。

―この時はわずかミリ単位の差で明暗が分かれてしまった。翌2014年、この借りは絶対に返すと固く心に誓って挑んだ第16回大会。地元千葉で開催された大会で廣瀬はみごと王座を奪還した。

廣瀬 2大会回連続、2位で終わってしまっていたので、杉村さんに3連覇はさせたくないという気持ちもありましたし、開催地が千葉という地元だったのでどうしても金メダルを渡したくありませんでした。頭の中の展開通りに動くことができ、、優勝を奪還できてよかったなと思います。

―廣瀬と杉村はプレースタイルも対象的だ。

廣瀬 杉村さんは頭で考えて、さらにテクニシャンで確実に1点を取るというようなプレースタイルです。私はどちらかというとパワースタイルで寄ったら思いっきりはじくというようなスタイルです。

―力の廣瀬に対して、技の杉村。戦いを離れたら交流することもあるそうだ。

廣瀬 もちろんチームの方と話す機会はあります。リオでは個人戦と団体戦があるので個人戦はライバルになりますけれど、チームでは力を合わせて日本チームの目標を達成できるように頑張りたいと思います。

―お互いが切磋琢磨出来る存在。良きライバルと共に廣瀬はさらなる高みを目指す。リオパラリンピックの正式種目でもあるボッチャ、世界では今、どの国が強いのだろう。

廣瀬 タイがトップですね。個人戦でいうと、ランキングでは中国が強いと思います。北京パラリンピックまではヨーロッパ勢が上位を独占していたのですが、だんだんアジア勢が伸びてきていて、今では大会を見ても上位にはアジア勢が多いですね。

(2016年6月6日~6月10日放送分より)

ニッポンチャレンジドアスリート
ニッポン放送 毎週月曜~金曜 13:42~放送中
(月曜~木曜は「土屋礼央 レオなるど」内、金曜は「金曜ブラボー。」内)
番組ホームページでは、今回のインタビューの模様を音声でお聴き頂けます。

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