3/3(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
「私の仕事は世界を代表することではない、アメリカを代表することだ」
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)
インフラの古いアメリカ、1兆ドルは間違っていない?
高嶋) 日本時間の3月1日の午前、アメリカ時間の2月28日の夜に、トランプ大統領の施政方針演説が行われました。そうしたらCNNを始めとして、敵対するところもあれば調査だから仕方ないことですが、みんながトランプさんを褒めましたね。なかなか良いことを言ったと。
宮家) 期待値がマイナスだったからね、期待値をあそこまで下げていれば、ごく普通のことをやってもぶあぁ~と上がるわけですよ。彼のスピーチをいろいろ聞いてきたつもりですが、truth(真実)とかliberty(自由)とかjustice(正義)とか、普通の大統領なら誰でも使う言葉を今まで全然使ってこなかった。今回はちゃんと原稿をつくって、しかもちゃんと読んでいましたから「やればできるじゃん」という感じで評価が上がったと思います。だけどこのままずっと行くかといったら、さあねえ。
高嶋) 例えばインフラ整備に1兆ドル? 110兆円? と言っていましたが、すべて大盤振る舞い。多少手当てがないと。
宮家) アメリカのインフラは基本的に古いですよ。日本みたいにどんどん変えていかないと、畳とか襖とかとは違いますから。やっぱり古いところは古いので、アメリカは広い国ですから行き届いていないものがあります。1兆ドルが大盤振る舞いかもしれないけど、本来やらなきゃいけないことはいくつかあると思います。決して間違っていないと思いますよ。
高嶋) 「議会に認めてくれ!」てね、言っていましたけど、これは通りますかね?
宮家) 通るでしょうね。そのときに各州、各地方で、連邦政府の予算でちゃんと物をつくってくれという陳情がどっと来ると思いますけどね。
トランプ大統領支持キャンペーン
高嶋) まあ映像も妙ですが、こういうような演説をするとテレビはそれに付随した映像が必要ですから。そうすると落っこちちゃった橋とかね、ひん曲がっちゃった鉄道とかね、崩れ落ちたビルとかね、そういうのをことさら出していきますが。
宮家) アメリカは広いですから。
高嶋) あんな感じですか? ああいうところがいっぱいあると。
宮家) いっぱいありますよ。大都市でもあれですから、目が行き届かない部分はありますよね。貧困地域なんて本当にインフラがひどいですから。やらなきゃいけないことはやっておかないと。
高嶋) ちょうどトランプさんに投票した人たちの地域とかは?
宮家) 当然そうなるでしょうね。キャンペーンをやっているということですよ。
高嶋) さすがトランプだと。
メキシコ国境の壁の意味
高嶋) 国境の壁は、もう3分の1はできていますね。
宮家) そうですね、高かったり低かったりフェンスなんかいろいろあったりしますが。
高嶋) あれって意味あります?
宮家) ないでしょうね。
高嶋) ここからここまで壁がありますけど、ここから先何メートルもなくて、あそこからまた壁がありますだなんて。
宮家) どうぞそこを通ってくださいという感じですよね。気持ちですよ、気持ち。「入れねえぞ」と言っているわけですよ。だけど入る人は黙って入りますよ。空いているところから。だけどそれをやらないと、アメリカの国民の一部は持たないのでしょう。メキシコがお金を払うわけではないから。結局これはアメリカが作ることになります。
高嶋) 蟻の子一匹通さないなんてものじゃなくて、通ろうと思えば誰でも通れると。
宮家) 笊の笊で。どんどん通れます。
高嶋) 警備兵を増やすとか言っていますけど。
宮家) まあそうすることで移民は減るでしょう。増えはしませんよ。わざわざこんな警備兵がいる場所を行くわけがない。違うところに行きますよ。
あくまでも「アメリカファースト」
高嶋) トランプ大統領の施政方針によって、アメリカはようやく大統領がまともなことを言い始め、そして納得のできる政策を逐一進めていくのか。日本ではねえ、昔よく出てきたスーパー301条ってあったじゃないですか。
宮家) ありましたねえ。
高嶋) あれは今死んでいるそうですけど。大統領で復活させることができるそうですね。新聞にそう書いてありました。
宮家) どうでしょうかね。基本的に80年代に日本がやられたようなことを、これからは日本より中国を対象にガンガンやってくると思いますよ。
高嶋) そうですか。私が気になっているのは「私の仕事は世界を代表することではない、アメリカを代表することだ」と。
宮家) そりゃそうですよ。誰も代表してくれなんて頼んでないですから。冗談じゃないよ(笑)
高嶋) 得することばかりやるじゃないですか。
宮家) 日本だって日本第一でやっていて、世界のためにやっているわけではないですから。各国も。そこはいいと思いますけどね。
高嶋) 世界中そういう潮流でしょうね。
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