7/19はクイーンのギタリスト、ブライアン・メイの古希となる誕生日【大人のMusic Calendar】

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【大人のMusic Calendar】

7/19はクイーンのギタリスト、ブライアン・メイの古希となる誕生日【大人のMusic Calendar】

1947年7月19日、イギリスはミドルセックスのトゥィックナム生まれ。あのクイーンのギタリスト、ブライアン・メイもついに70代に突入である。ただ、同じギタリストのジョージ・ハリスン(43年生まれ)やキース・リチャーズ(43年生まれ)、ジミー・ペイジ(44年生まれ)、ジェフ・ベック(44年生まれ)、エリック・クラプトン(45年生まれ)といった60年代から活躍してきた人たちと比較しても、あまり大きな年齢差がないな、というのが個人的な印象。むしろ遅咲きの人なのかなとも思え、リック・デリンジャー(47年生まれ)と同じ年で、ピーター・フランプトン(50年生まれ)よりも年上である。ついでに付け加えておくと、元イーグルスのバーニー・リードンとは同じ生年月日だ。

クイーンではヴォーカルのフレディ・マーキュリー(46年生まれ)が圧倒的な個性の持ち主だが、グループの話を始める時、ブライアンから触れていくのがなんとなく書きやすい。というのも、クイーンの前身とも言えるスマイルは、彼が1984を経て、68年に結成したグループで、そこにはドラムスのロジャー・テイラー(49年生まれ)が加入。また、グループの存続が危うくなった時、彼が誘ったのは同じフラットに住んでいたフレディで、最後にベースのジョン・ディーコン(51年生まれ)を加え、クイーンに発展する。話は前後するが、ブライアンとロジャーはスマイル時代の69年にシングル「アース」を発表している。

ブライアンで印象的なことと言えば、やはり"レッド・スペシャル"と命名されたギターを、古い暖炉の木材を再利用して自ら作っていることだ。ピックではなく、コインを使って弾いているというのも独特だが、ハード・ロックからプログレッシヴ・ロック、グラム・ロック、さらにはクラシックまで、多様な音楽性を持ったクイーンにあって歪みと厚みのある、縦横なプレイを披露している。

ギタリスト同様、ソングライターとしても気になる存在で、初期の代表曲のひとつ「誘惑のロックン・ロール」(75年/英・第11位)や「ファット・ボトムド・ガールズ」(78年/米・第24位)、「セイヴ・ミー」(80年/英・第11位)、「フラッシュ・ゴードンのテーマ」(81年/米・第42位)、「ハンマー・トゥ・フォール」(84年/英・第13位)といったヒット曲は彼が単独で書いたもの。その他にも発表当時、ヒット・チャートにはエントリーされなかったが、「炎のロックン・ロール」(73年)は日本から人気に火が付いたクイーンの記念すべきデビュー曲として忘れがたいし、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」(77年)は今や最も有名なクイーンの作品のひとつだ。

7/19はクイーンのギタリスト、ブライアン・メイの古希となる誕生日【大人のMusic Calendar】

91年にフレディが亡くなると、グループはポール・ロジャースやアダム・ランバートを迎えて形態を保つが、残ったメンバー3人の中ではブライアンが積極的に動いている印象を受ける。『バック・トゥ・ザ・ライト』(92年/英・第6位)、『アナザー・ワールド』(98年/英・第23位)といったソロ・アルバムを発表。ミート・ローフからドン・ニックス、スティーヴ・クロッパーまで、多彩なアーティストをサポートしたり、02年にはバッキンガム宮殿で行なわれたゴールデン・ジュビリー・コンサートにも出演したりする。驚くのは学生時代に専攻していた天体物理学に21世紀になって再び取り組み、「BANG! 宇宙の起源と進化の不思議」なる書籍も著していることだ。どこまでも前向きな人である。

 

【著者】東ひさゆき(あずま・ひさゆき):1953年4月14日、神奈川県鎌倉市生まれ。法政大学経済学部卒。音楽雑誌「ミュージック・ライフ」、「ジャム」などの編集記者を経て、81年よりフリーランスのライターに。おもな著書に「グラミー賞」(共同通信)など。
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