“還暦”森永卓郎と孫正義～命運を分けた二人の分岐点とは？

By - NEWS ONLINE 編集部　公開：2017-08-30 　更新：2017-08-30

FM93AM1242ニッポン放送月～金 8:00～11:30「垣花正とあなたとハッピー」
今日8/30(水)「9時の聴きどこ！」は今年還暦を迎えた森永卓郎さんと同い年の有名人について語っていただきました。

上の世代が学生運動　ノンポリ世代

垣花）森永さんは1957年（昭和32年）生まれ。総務省統計局の調査によると1957年生まれの人口は145万人で、時代で言うと第1次ベビーブームが終わって出生数が急に減った世代なのです。
森永）私は区立中学校だったのですが、中学校の卒業式に機動隊が入った。私が中学生のときに学生運動があって、それが最後でしたね。
高校時代は三無主義とか言われていました。大学に入るとまだタテカンがあったり一部の過激派が活動をしていたりはしていたのですけど、大部分がノンポリになっちゃった時代ですね。

バブルの狂宴と崩壊を経験

森永）20代の後半から30代の前半にかけてバブル経済を体験しました。
20代のときはタクシー券を3冊ポケットに入れて、昼飯も全部領収書は会社回し。年に2回は海外調査旅行。某大手商社系の子会社に勤めていたので、金融・不動産・商社は最もバブっていました。
昼から女性を誘ってレストランなんかに行って、女性は「ありがとうございま～す、私も払いま～す！」とか言うのですけど、財布を開く手に全く力が入っていないのですよ（笑）。それじゃあ開かないだろと（笑）。

モリタクの同級生にはどんな人がいるのか？

垣花）森永さんの同級生たちにアンケートを取りました。「何歳まで働きたいですか？」という質問に対して何と9割の方が「60歳以降も働きたい」と答えている。
さらに同じアンケートでこういう質問項目がありました。「ライフスタイルなどをお手本にしたいと思う同い年の有名人は？」。

ライフスタイルなどをお手本にしたいと思う同い年の有名人ランキング

孫正義さん（公式Twitterより）東国原英夫さん（公式Twitterより）そして、我らが森永卓郎さん！

1位は孫正義さん。
2位は東国原英夫さん。
3位になんと森永卓郎さん！

若き日の孫正義さん～シャープに自動翻訳ソフトを売った大金がそもそものはじまり

森永）孫さんを最初に知ったのは、私が経済企画庁にいたときに「日本の未来を語る研究会」というのをやっていて、勢いの良い経営者が集まってビジョンを描こうというのをやったのですよ。そのときに委員として入っていたのがソフトバンクの孫正義さん。この孫さんはやっぱり投資の天才なのですよね。
私と孫さんの人生の命運を分けたのは何かというと、孫さんは若いときに友達に自動翻訳のソフトを作らせます。それをシャープに売りに行って、シャープがそのソフトを確か1,000万円という大金で買ってくれた。それを元手に孫さんはどんどん増やしていったのです。

私も同じことをやっていて、昭和57年にミッドウェー海戦のシミュレーションゲームを友達がパソコンで作りました。そのソフトを持って秋葉原に売りに行ったら、開発に使っていたマシンがシャープの「MZ-2000」という衰退直前のマシンだったので「このマシンのソフトは買えないよ」って言われてしまいました。そこで「何とかならないんですか？」と食い下がったら、「まあ折角来てくれたからね」と、その会社が作っている全てのゲームソフトをショッピングバッグ3つ分くらいくれたのです。私はそれを握ったまま秋葉原の中古ソフト屋に行って、全部売っぱらって数万円の金に換えて、その日どんちゃん騒ぎをして終わるという。ここが人生の分かれ道なのですよ～。

この間北陸でタクシーに乗ったのですが、そのタクシーに孫正義さんがお忍びで観光に来て「観光に良い場所を適当に回ってくれ」って言ったそうです。「観光タクシーの料金プランがあるので、それだと2万円くらいで1日乗り放題になるのでそれにしますか？」と訊いたら「いいよいいよ、メーター倒しておきな」って言ったそうなのです。
それでブンブン走ったら結局メーターが10万円を超えてしまったのですって。ドライバーさんも「これはやばい……」と緊張したみたいなのですけど、会計でぱっとキャッシュカードを出されて「領収書を出しますよ」と言ったら「いいよいいよ。お金はいくらでもあるから」と言ったそうなのですよ（笑）。

東国原英夫さん～彼は権力の虜にはならなかった？

森永）東国原さんは、実は「何で皆権力が欲しいと思うのですか？」という質問をしたら「僕知事になって分かったんだけど、役員を言葉のままに動かす、あれを一度味わうともう止められなくなっちゃう。これが権力の怖いところで、皆虜になっちゃうんですけど、僕はその虜にならなかったから宮崎県知事を辞めたんですけどね」と言ったのですが、その後都知事選に東国原さんが立候補をして落選した後に2人でバスに乗ってロケをしていたのです。バスが東京都庁の横を通ったときに東国原さんがボソッと「ここ来たかったなあ……」って言っていて「やっぱり来たかったんじゃないか！」って（笑）。

かたせ梨乃さん～「中退したい」という彼女を止めたモリタクの父親

森永）かたせさんは獨協大学にいたのですが「中退したい」と言って来た。その当時私の親父が獨協大学の教授だったので、親父が面接をしたのです。「え、辞めない方が良いんじゃない？休学の方が良いんじゃない？」って言ったら「いや大丈夫ですよ。入りたいと思ったらまたいつでも入れますから」とおっしゃったそうです（笑）。