メジャーのバッターはなぜ牧田を打てないのか

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牧田和久 パドレス

レンジャース戦に4番手で登板。1回を投げ2安打1失点だったパドレス・牧田和久=2018年3月1日、アリゾナ州サプライズ 写真提供:産経新聞社

アメリカの野球ファンを騒然とさせている日本人メジャーリーガーは、大谷だけではありません。アンダースローで地面スレスレの低い位置からボールを繰り出し、そのボールが時には、バッターの顔面あたりまで浮き上がる。

「信じられないものを見た!」「重力に逆らうボールだ!」

と衝撃を与えているのが今シーズン、埼玉西武ライオンズからパドレスに移籍した牧田和久投手です。

去年は野球日本代表・侍ジャパンのメンバーに選ばれ、第4回WBCにも出場した牧田。今年1月に、ポスティングシステムで、かねてからの夢だったメジャー移籍が実現。西武も、本来受け取れる譲渡金をあえて半額に値下げして、牧田の夢を後押ししてくれました。

メジャーでは、中継ぎとして登板。「ライジング・ファストボール」と呼ばれる下から浮き上がってくるボールは最速でも130キロ程度で、プロのピッチャーとしてはかなり遅い部類になります。

では、なぜメジャーのバッターたちを打ち取れるのかというと、その秘訣は、「駆け引きの巧さ」です。果敢に相手バッターのインコースを攻めていったり、1球ごとに投球のテンポを微妙に変えたり、ランナーがいなくても、クイックモーションを挟んだりと、バッターに決して的を絞らせない様々な工夫で、何度も修羅場をくぐり抜けてきました。

WBCでも、終盤の大事な場面で登板し、海外の並み居るスラッガーたちを手玉に取りました。メジャーで、牧田のような低い位置からボールを投げてくるアンダースローのピッチャーは珍しく、希少価値を買われてのメジャー移籍実現でしたが、開幕からベンチ入りを果たし、10日に行われたロッキーズ戦で、今シーズン5度目の登板を果たします。

7回、パドレスが5対2とリードしていましたが、ノーアウト1・3塁。ホームランが出れば同点という厳しい場面。ここでバッター3人を相次いで凡打に打ち取り、メジャー初ホールドを記録。チームも連勝しました。

そんな牧田の夢は、

「エンゼルス・大谷と対戦すること」

パドレスはナショナルリーグで、アメリカンリーグのエンゼルスと対戦するには交流戦かワールドシリーズしかありませんが、日本での対戦成績は、9打数ノーヒットと牧田が圧倒。2人の対決、見てみたいですね!

4月12日 飯田浩司のOK! Cozy up!「スポーツアナザーストーリー」

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