人気劇作家、演劇の道へ進んだきっかけは中村勘三郎のある言葉
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6月18日(月)、劇作家の根本宗子と役者兼モデルの長井短(ながい みじか)がパーソナリティを務めるラジオ番組「根本宗子と長井短のオールナイトニッポン0(ZERO)」(ニッポン放送)が放送され、先日松尾スズキ作・演出による舞台『ニンゲン御破産』を観に行ったという根本が、自身が演劇の道へ進むきっかけになった作品がこの『ニンゲン御破産』であったことと、この作品と出会うきっかけをくれたのが交流のあった中村勘三郎だったことを明かした。
現在シアターコクーンで上演中の舞台『ニンゲン御破算』を観に行ったという根本。この作品は元々、作・演出を手掛ける松尾スズキが主宰する劇団・大人計画の作品として2003年に初演されたもの。当時中学1年生の根本はこの初演を観に行き、初めて舞台というものに触れ衝撃を受けたといい、「この作品の初演を観ていなかったら、演劇を始めていなかった」と話すほど大きなきっかけとなった作品なのだという。
この出会いをきっかけに松尾に憧れ、劇作家としての道を志したという根本は、松尾について「“松尾スズキ”というジャンルを確立している。松尾さんに憧れてお芝居を書き始めたから、いつか追いつきたい。」と尊敬の気持ちを吐露。自身が最初に観た演劇が松尾の作品で良かったと改めて語り、また「自分の演劇を初めて見る人がいると思って、毎回やらないといけないなと思った。」と自身の作品についても気持ちを新たにした様子だった。
そんな根本が演劇の道へ進むきっかけとなった『ニンゲン御破算』だが、初演の際は中村勘三郎が主役を務めており、当時から中村と交流があったという根本は、中村の一言をきっかけにこの作品と出会ったのだという。
根本:中村勘三郎さんとさ、昔から交流があったのよ。
長井:ねもちゃんが?
根本:そうそう、勘三郎さんのおかげでお芝居観るようになったの。私、それまで歌舞伎しか観たことなかったのよ。
長井:うんうん。
根本:で、勘三郎さんから、「大人計画っていうすごい面白い集団の作品に今度出るから、歌舞伎しか観たことがないなら観た方がいいよ。」って言われて、観たの。
長井:中1のときに?
根本:そう。だからすっごい印象深いというか。しかも、そのとき怪我して。当時モーグルをやってたんだけど、怪我でモーグルの夢が断たれた直後に観た作品だったの。退院して、本当にギリギリで行けたの、松葉杖をついて。だから(今回の舞台を観て)すごくいろいろ思い出したし。
長井:写真みたいに鮮明に覚えてるよね、そういう出来事って。
根本:だって勘三郎さんのその言葉がなかったら……
長井:そうだよ、今どうなってたから分かんないよ。
根本:家にず~っと引きこもってたかもしれない。だから誰かに言われた一言とかが大事だなっていうのを、先週すごく思ったの。
中村の言葉をきっかけに松尾の作品と出会い、それが現在に繋がっていると話す根本。実はこの話は前回の番組で話すつもりだったそうだが、前回は長井の両親をゲストに呼び“ラジオ参観日”というトリッキーな企画を行ったため、いい話をする雰囲気ではなく、今週まで取っておいたのだという。