サッカー日本代表のパス回し~実況中継をしていたアナウンサーの実感
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「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月4日放送)では、FIFA ワールドカップでのサッカー日本代表の活躍を伝え続けてきた煙山光紀アナウンサーに、今大会の日本代表の闘い、またポーランド戦のパス回しについて聞いた。
飯田)煙山さん、今大会の率直な感想はいかがですか?
煙山)もうちょっと観たかったですね。本当にいいチームだったので、ここで解散というのは悲しいですね。
飯田)セネガル戦の後に電話をつないで、煙山さんの興奮ぶりが伝わってきましたが、今回のチームは終わってみると、完成度の高いチームだったわけですか?
煙山)私のサッカー観が変わってしまったくらいです。実質1カ月でこのようなチームが作れるのだということと、いままでは格上と試合するときには、守って、耐えて耐えて、カウンターしかないと思っていたのが、耐えながらも反撃に出るときには自分たちのスタイルで堂々と攻め込むことができる。決して最初から腰を引くことなく、闘うことができるのだということを見せてくれました。日本人として誇りに思うような試合だったと思います。
新行)4試合ありましたけれども、このなかで「これは」というのはどの場面でしたか?
煙山)一番背筋が「ゾゾッ」としたのはポーランド戦の最後ですね。ボールを回したところです。いろいろ批判もされていますけれども、あんな賭けに出る日本代表というのは初めて見ました。いまは明るく話していますが、もし、あのときセネガルが追いついていたらすべておしまいではないですか。でもあのような判断をパニックにならずにし、あのすごいブーイングのなかで10分以上、パスを回した。チームが一つの統一した意思でやるというということも日本代表はこれまでなかなかできなかったのですが、今回のチームはみんながそれを共有できるチームだったし、賭けに出ることができるチームでした。勝ったのに叩かれているのに、もしあれが逆に出て負けていたらどうなっていたのか…。すごいことをやったのだと思います。
飯田)それを煙山さんは実況していたわけではないですか。目の当たりにして、こんなことが起こると思っていましたか?
煙山)全く思っていなかったですね。水沼貴史さんと終わった後、茫然としていました。「ワールドカップの舞台でこんなことをやる日本代表を、僕たちは見ることができたのだ」と思いましたね。マイナスなことはまったく感じなかったですね。
飯田)しかも実況していて自分の試合が終わってもまだ、闘いとしては終わらないわけではないですか。セネガルとコロンビアの試合が残っていましたよね、ロスタイムが向こうのほうが長かったですから。実況しているほうとしては「どう持っていったらいいのだろう」と迷うような気がしましたが、いかがでしたか?
煙山)「あの試合でボール回しをして困ったでしょう」とよく言われるのですが、そういうことはまったく感じなかったです。ボール回しが始まって、その意図がわかった瞬間に「すごいことが始まった」と思ったので、今までの実況した代表戦のなかで最も無心でやれたくらいの実況でした。何も考えなかったですね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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