8月17日(金)深夜、女優・上白石萌音がパーソナリティを務めるラジオ番組「上白石萌音 good-night letter」が放送され、現在ミュージカル『ナイツ・テイル-騎士物語-』(7月27日~8月29日 帝国劇場にて上演)に出演中の上白石が、舞台に立つ今の心境について語った。
稽古が始まる前からこのミュージカルに出演することをすごく楽しみにしており、早く番組の中で話したくてたまらなかったという上白石。この度ようやく話せるタイミングが訪れたということで、上白石は冒頭から嬉しさいっぱいの様子で話し始めた。
『ナイツ・テイル-騎士物語-』は、ウィリアム・シェイクスピアとジョン・フレッチャーが手掛けたとされる『二人の貴公子』を原作にした、ギリシャのアテネが舞台のミュージカル作品。アテネとテーベが戦争をしたのちアテネに捕虜として連れてこられた二人の騎士・アーサイトとパラモンは、共にアテネの姫であるエミーリアに恋をして仲違いになってしまう。上白石が演じるのは二人が捕らえられている牢番の娘で、二人の事情を知らずに騎士の一人・パラモンに恋をして、彼を愛するあまり脱獄の手助けをしてしまうが、それでも全く振り向いてもらえないという切ない役柄となっている。
堂本光一や井上芳雄ら豪華キャストが出演していることもあって、公演は日々大盛況となっているが、上白石はそのオーディションに参加した当時の心境から語り始めた。
「(私にとって『ナイツ・テイル-騎士物語-』は)一年前にオーディションを受けたところから始まっているわけです。演出のジョン・ケアードさんと(音楽を担当した)ポール・ゴードンさんが日本にいなくて、スカイプでオーディションをやりました。懐かしいなぁー!
全然緊張はしなくて、伝えたいことは歌に乗せて全部伝えられたオーディションで、私もう落ちてもいい、このオーディションに来られただけで幸せって。そう思っていたら、なんと、やらせてもらえることになって。キャストの表を見て……落としました、紙を(笑) なんということだ、すごい豪華なキャストだ! と思って。なんでこの中に私の名前があるんだろう? と思ったぐらい。
早く稽古に入りたいけど、私大丈夫かな? やらなきゃいけないことがいっぱいあるなって思っていたら、あっという間に稽古の日が来て。実際に稽古に入ったら、力があって第一線でやられている憧れの方々が、自分と同じようにって言ったらおこがましいですけど、常に努力をし続けて、常により良い方向に(作品を)追求していらっしゃって。その姿を見て、力のある皆さんがこれだけ苦しむんだから、力のない私が苦しんで当然だって思って。むしろ、もっともっと苦しんで、もがいてもがいてやらなければいけないって思って、ひたすら牢番の娘の役に寄り添っていた稽古期間中でした。
本当に私は、小さなときからミュージカルが大好きなんですけど、(今回の共演者は)私が小さなときから第一線で主役を張り続けてこられた方々なんですよね。小さいときは、この方々が踏んだ舞台を、何年後でもいいからいつか私も踏みたいって思っていたんです。でも、まさか同じ板(舞台)の上に、同じ瞬間に立てるなんて。一緒に声を合わせて歌ったり、目を見て芝居ができるなんて。“夢のような”っていう言葉は今までいっぱい使ってきましたけど、本当の“夢のような”っていうのはこのことを言うんだなって思います。なんか本当に……幸せです。ふふふ(笑)」
憧れの面々に囲まれて憧れの舞台に立ち、毎日充実した日々を送っているという上白石。番組後半では、自身が初めて観て感動したというミュージカル『美女と野獣』の主題歌『美女と野獣』を、ピアノの弾き語りで感情たっぷりに歌い上げた。