上白石萌音を支えた、演出家ジョン・ケアードの言葉

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10月26日(金)深夜、女優・上白石萌音がパーソナリティを務めるラジオ番組「上白石萌音 good-night letter」が放送され、出演していたミュージカル『ナイツ・テイル―騎士物語―』の全公演を終えた上白石が、本作で脚本・演出を務めたジョン・ケアードとの期間中のやり取りについて振り返った。

『ナイツ・テイル―騎士物語―』はギリシャのアテネを舞台にしたミュージカル作品。戦争後にアテネに捕虜として連れてこられた堂本光一と井上芳雄演じる二人の騎士・アーサイトとパラモンを中心に描かれたストーリーとなっており、上白石は二人が捕らえられている牢番の娘を演じていた。

7月27日から8月29日までは東京・帝国劇場、9月18日から10月15日までは大阪・梅田芸術劇場メインホールで公演が行われ、楽しかった公演を全て終えた上白石は、ロス状態に陥っているそうで寂しげな様子。自身が大事にしている名前だという“牢番の娘”ことフラビーナとして、稽古を含めて5ヶ月半演じ続けてきた上白石は、日々を思い返しながら自身の苦悩について語った。共演する大先輩との力の差を思い知って泣きそうになりながら帰った日もあったが、命懸けで生きるフラビーナの役柄にパワーをもらい乗り切ったといい、そんな役柄について上白石は「一生誇りに思う役だと思います」と語った。

また上白石は、本作で脚本・演出を務めた世界的演出家 ジョン・ケアード氏の言葉にも力をもらったそうで、そんなジョンとのやり取りについて明かした。

「演出のジョン・ケアードは本当に愛のある方で、私に会うといつも『Oh, My Little Girl!』って言って抱きしめてくれて(笑)

私は本番中ずっと、出番の直前に、裏で自分に言い聞かせていたというか、おまじないのように思い出していた言葉があって。ジョンにもらった言葉なんですけど。私はもう不安でしょうがないから、事あるごとにジョンの元に行って、ねぇ私大丈夫? 私OK? って聞きに行ってたんですけど、ある日ジョンから『萌音は芝居をしない子だね』って言われて。

私、怒られるのかと思って(笑) 演技が出来ていないって意味だと思って、どうしようどうしようって思ったんですけど。(ジョンが)『僕は、(役者が)演技をしているのを見ると、それは違うと思うんだ』『芝居はするものじゃない。役を生きなさい。萌音は、ちゃんと(役として)生きてるからOKだよ』って言われて。『生きている限り、音が外れようが、噛もうが、コケようが、何をしていても大丈夫だ』っていう風に言われて。その言葉が、なんかすっごく染み入ったんですよね。

やっぱり78回も公演をすると、どうしても私は、セリフがリズムになってきたり、(何度も演じるため)知っている感情なのかなって思ったり、すごく悪い“慣れ”みたいなのが出てきてしまいがちなんですけど。そうなりそうな時はいつも、ジョンの『生きるんだ』って言葉を思い出して言い聞かせて、よし! じゃあ今日も生きてこよう! って思っていました。

だから、いろんなコンディションの日があって。朝起きて喉の調子が悪くて、どうしよう?今日歌えるかな? っていう日もありました。今日は脚が痛いとか腰が痛いとか、いろんな日があったけど、それすらもフラビーナだって思って、全部全部大事に抱きしめて生きられましたね。本当にジョンが、温かく辛抱強く寄り添って見守ってくださっていたからだなと思って、ジョンには本当に心から感謝しています」

ジョン・ケアードの言葉を胸に、“役として生きる”ことの大切さを噛み締めながら、最後まで駆け抜けてきたという上白石。また、ほかの出演者に関しても「座長のお二人(堂本と井上)を始め、本当に素晴らしい方々でした」と敬意を込めて語り、どれだけ経験を積んでいても日々探求しているその姿に、多くの良い刺激を受けたと明かした。


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