個性派チームインタビュー!「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」オフライン選考会レポート②

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「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」

プロ野球12球団に指名された4人1組のチームがNintendo Switch ソフト『スプラトゥーン2』を使って競うeスポーツ(ゲーム)の大会。大会への出場をかけた「オフライン選考会」は2日間に渡り全国大会「スプラトゥーン甲子園4」に出場したチームなど18チームが参加した。3月3日に行われるドラフト会議に向け、面接や写真撮影、そしてグループ総当たりの「ナワバリバトル」による実技確認などが行われたが、今回は初日のオフライン選考会に参加した注目チームをいくつかご紹介する。

オフライン選考会の「実技確認」の様子

まずは紅一点ならぬ、紅四点。あさい、しをたん、りぃ*、りょく(敬称略)の女性4人組・「花鳥風月 月組」。

花鳥風月 月組(左から、あさい・しをたん・りぃ*・りょく各選手)

ゲームイベントや動画制作、マネジメントを行う忍ismがスポンサードする人気ゲーミングチームで、SNSや動画配信などにファンが多く才色兼備。海外の大会にも参戦するなど、活動の幅を広げている。スプラトゥーン甲子園では信越大会の2回戦において僅差で敗れ、涙を飲んだがNPB eスポーツシリーズでリベンジを狙う4人。ゲーム内でも前線でチームメイトを引っ張る、あさい選手は「最初はとても緊張しました。強豪の方達が4チーム集まっていましたし…」と言いつつも「面接してからの方がプレイに集中できているのかなと思います」と徐々にペースをつかんでいた様子。それもそのはず、冒頭の全体オリエンテーション後にいきなり着の身着のままで実技確認に臨んでいた4人だが、一度面接や写真撮影で席を外しチームのユニフォームに袖を通し“変身”すると、いつもの戦いができるようになっていた。

それでも「相手の顔をちょいちょい見えるので、声も聞こえてくるので」といつもとは違うオフラインの戦いに困惑したのか、1勝3敗(勝敗は選考基準にはならない)。プレイはもちろん、発信力に長けた女性ばかりのチームはプロ野球12球団には魅力的に映るに違いない。野球への興味を聞くと「プロ野球は中学・高校くらいから興味持っています。いとこが高校野球のチアリーディングをやっていて、もっと見るようになりました。」と話すあさい選手。意中の球団は「福岡ソフトバンクホークス」ということで、昨シーズン大活躍した石川柊太投手がスプラトゥーン2にハマっているのを知ったのも理由のひとつだそう。また、信越大会でも、りぃ*選手が赤のホークスの帽子を被り、しをたん選手がホークスのキャラクター「ふうさん」のぬいぐるみを持参するなどホークスへの「ラブコール」をしていたことも見逃せない。それでも「どこに選ばれても頑張ります。」と意気込みを語るリーダー・あさい選手が「どこにも負けない」という連携力・仲良しさをブキに、花鳥風月旋風を吹かせることができるか、注目が集まる。

私を闘会議に連れてってネオ(右から、きょう・おせんべい・のすけ・ポチ産各選手)

初日の9チームのなかで、ビジュアルや、賑やかさで一際目立っていたのが「私を闘会議に連れてってネオ」、略して「わたネオ」。きょう、おせんべい、のすけ、ポチ産(敬称略)の4人だ。普段着やチームユニフォームで選考会に臨むチームが多い中、「わたネオ」は全員リクルートスーツ姿。一瞬、どこの就職試験会場かと勘違いしてしまうほどゲームの大会においてはインパクトがあった。

就職活動中!ではありません。スーツでビシッと「私を闘会議に連れてってネオ」

関西弁の大きな声とアクションを交え言動でもプレイでも前線でチームを盛り上げる、のすけ選手は「僕の中で正装はスーツですから!(案内が)きた瞬間、スーツや!とピピピときましたね。」とスーツチョイスの理由を語る。とはいえ目立つのは格好だけではない。スプラトゥーン甲子園では東海地区で優勝し全国決勝16強に進んだ実力チーム。今大会のリーダー・きょう選手は「みんな選ばれた人たちなのですごい強いのですが、僕らも強いですから。いつもと変わらずできました。闘会議が終わった後も今大会に向けて各自で練習したりしていたので、成長していると思います」と激しい戦いを2勝2敗で乗り切った実技確認に手応えを感じている。

とにかく「わたネオ」はプレイの連携が賑やかで、見ていて楽しく気持ちがいい。その中で紅一点のおせんべい選手は、もともと甲子園大会でリーダーだったが「リーダーとしての仕事は何もしていないので私(笑)」「頼りないので」と笑顔で謙遜する。賑やかなチームにおいては逆に目立つ物静かな女性だが、「後ろから前を操るタイプ(ポチ産選手)」、「チームの頭脳(きょう選手)」、と信頼は厚く、「何て言うか…支えてあげたいなと」三人に思わせる魅力がある。更に、のすけ選手は「大会に向けて色んなブキを、みんなが試行錯誤しているんですけど、彼女は好きな武器・使える武器が他にある中で、今の環境に対応するために沢山ブキを持ち替えてくれました」と話せば、きょう選手も「甲子園の地区大会も、甲子園も、今回も全部違う武器で(戦ってくれました)」と「一番使えるブキ種が多い」努力家の彼女を認める。ポチ産選手も「そういう人徳ですよね。すばらしい、プレイヤーとしても一番強くて行動で引っ張ってくれる、背中で語るタイプですかね」と労うと、恥ずかしそうにしながらも「そうですね」とおせんべい選手も否定せず。「実際そうですから」と3人は胸を張った。

スーツでスプラトゥーン!

インタビューのやりとりからもわかる「わたネオ」のチームワーク。これはプレイでも活かされ、甲子園の地区予選で常にお互いをフォローするように前線を維持して戦いを繰り広げていたのも印象的だった。ドラフト会議を控え、希望球団は中日ドラゴンズ。「個人的に中日がすごい大好きで、僕がみんなに許しをもらって希望しました」話すリーダー。生まれは徳島県だそうで川上憲伸投手が大好きだったとか。果たしてドラフトで意中の球団から声はかかるのか?「みんな今日に向けて出来ることはやってきたので、選んでもらえたらとっても光栄なことです。僕らはプレースタイルで人を魅せることがウリなので、プレーを見て一人でも多くの子供たちがeスポーツとかプロ野球とか興味を持ってもらえれば嬉しいと思います」と意気込みを語った。

 

チームで目立っていたのが「わたネオ」なら、個人で目立っていたのが「ウルトラリベンジャーズ」のはんじょう選手だ。ほかの選手への指示から、リアクションに到るまで大きな声で会場を支配した。

ウルトラリリベンジャーズ(右から、はんじょう・かよたそ・その・りうくん各選手)

「チームは緊張感があったと思いますが、個人的には全くないですね(笑)いつもどうりで飄々とした感じでやっています」と話すはんじょう選手。それもそのはず、彼はYouTubeチャンネル登録者12万人、Twitterのフォロワーも7万人を超える有名ゲーム実況者だ。培われてきたメンタル・プレイスキルは伊達ではない。更に、はんじょうを際立たせるのはナワバリを独特なラインで塗り上げる「ローラー」というブキ。出場チームにおける使用者は「今回は僕だけだと思います」と極めて少ないが、この癖のあるブキを見事に使いこなす。

「相手に位置がバレていたら、めちゃくちゃ弱い武器ですが、どこにいるかバレないように動けば強いですよ。機動力を生かして。接近戦の武器なので。相手に対策されていたのですが、味方にサポートしてもらいつつ、それでも倒したって感じです」

味方のサポートしてもらう、その指示も大きな声で的確。そしてチームに勢いをもたらす。「声だけは出るんですよ。もともとバスケットボールやっていたので。チームスポーツで5人でしたから、スプラトゥーンと本当に似てるんですよ」と思わぬ経歴も明かしてくれた。

そして「日本ハムが好き」という理由で希望球団も北海道日本ハムファイターズに。「僕以外の3人があまり野球に詳しくないんですね(笑)面談でも自分が代表して伝えました。好きな選手は杉谷選手と中田翔選手。時間があれば試合を見ています。」と話したはんじょう選手。確かに杉谷選手のようにムードメーカーでもあり、中田選手のような破壊力に加え、西川選手の機動力も併せ持つようなプレイスタイルにも映る。また、ライバルについては……「GGboyZですね。(甲子園で)前回も前々回も優勝しているんですけどNPBまでね。取られてしまったら楽しくないと言うか、こっちは勝たせていただきたいなと。」と逆指名。ハイレベルと言われた甲子園のオンライン予選では惜しくも準優勝で全国大会出場を逃しただけに、チーム名の通り「リベンジ」に燃える。

もっとも「ウルトラリベンジャーズ」は、はんじょう選手だけのチームではない。「ローラー」同様に癖のある「キャンピングシェルター」というブキで相手を翻弄する「かよたそ」選手もTwitterフォロワー2万人を超える人気と実力を兼ね備えたプレイヤー。さらに16歳・その、15歳・りうくんが年上2人のサポートに回り、相手を制圧。実際に実技確認でも3戦全勝を飾るなど、勢いがあるチームだ。

勝敗が関係ないとはいえ白熱したナワバリバトルを繰り広げる

そのほかにもオフライン予選会の初日にはスプラトゥーン甲子園全国大会に進出した「えふわんけーき」「ボールド半端ないって」。全国大会優勝チームのリーダー経験を持つ“ばぐちゃん”がリーダーを務める「Cool&Cool」。オール10代の「ハイパービーム」や11歳のスーパー女子小学生2人を擁する「5年☆組~あしんとらず学級~」などなど…… 話題も実力もあるチームが揃い、それぞれが面接で実技で思い思いにアピールした。

5年☆組~あしんとらず学級~(左から、raz・ほのか・ハル・あしん各選手)

5年☆組~あしんとらず学級~

3月3日に行われるドラフト会議で指名されるのは12球団12チーム。したがって今回の参加18チームからは必ず指名漏れが発生する。果たして球団の名を背負い、5月18(土)・19(日)に行われる本戦に進むのはどのチームなのか? なお、ドラフト会議はOPENREC.TVで当日の生配信が決定。本家プロ野球同様、どんなドラマが生まれるかも注目だ。

詳しくは→https://splatoon2.npb-esports.jp

私自身「パワプロプロリーグ」では野球とゲームの融合と成功を間近で見ることができた。今回の「スプラトゥーン2」は果たしてどんな化学変化を見せるのか?大きな期待をもって、楽しみたい。そう思いたくなるチーム・選手たちばかりだったと取材を通じて感じた。

(清水久嗣)


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