女優・渡辺えり、「おしん」共演の泉ピン子に今でも感謝する理由
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女優の渡辺えりが、3月2日(月)放送のニッポン放送「垣花正あなたとハッピー!」内のコーナー「ゲストとハッピー!」に生出演し、これまで共演した先輩女優とのエピソードを語った。
現在、ドラマや映画、舞台でおなじみの渡辺だが、活躍のきっかけは、NHK朝の連続ドラマ『おしん』(1983年)だったという。渡辺は田中裕子演じる主人公「おしん」をいびる義姉役で出演した。
渡辺:おしんに出演したときに、(おしん役の)田中裕子さんをいじめて、それで(おしんの老年時代役の)乙羽信子さんに謝るシーンがあって。そのセリフが10ページあったんです。
垣花:橋田壽賀子さんの脚本って長セリフが特徴的ですよね。
渡辺:それをやっとの思いで覚えて。そのシーンが終わった時に、乙羽信子さんが『よく10ページを淀みなく覚えた!』って拍手してくれたんです。そんな大先輩に拍手してもらえて嬉しかったですね。
垣花:おしんの時の渡辺さんって、おいくつだったんですか?
渡辺:28歳ですね。
垣花:28歳であの貫禄だったんですね。泉ピン子さんも30代。あの時代の女優さんってすごく貫禄がありますね。
渡辺:そうですね。ピン子さんには、ラーメンを御馳走になったこともあるんですが、いまだに感謝しています。当時は家賃を3ヶ月滞納するぐらいお金がなかったんです。
垣花:え?おしんに出ているときってそんなに生活が苦しかったんですか?
渡辺:その頃は主に小劇場で活動していて、バイトを3つ掛け持ちする生活でしたから。おしんに出たギャラで、なんとか家賃を払っていました。
垣花:それほど、苦労しても舞台に立つ夢は捨てられないんですね。
デビュー当時から舞台に立つことへのこだわりが強かった渡辺だが、今でも商業演劇の舞台に立ち続ける背景には、ある女優に誘われたことがきっかけだそうだ。
渡辺:私は、もともと“アングラ”と言われる小劇場の出身なんですけど、若い頃は小劇場の人が商業演劇に出演するのはあり得なかったんです。「演劇では儲けちゃいけない」「アートなんだ」っていう考えがあったんです。それが、ある日テレビ番組で共演したことがきっかけで、八千草薫さんが、ご自身の主演する商業演劇の舞台『楡家の人びと』に誘って下さったんです。でも私は劇団のリーダーだったのもあって、二度お断わりしたんです。そしたら、演出の当時フジテレビの杉田成道さんから、バーで芝居の話をたっぷりされながら説得されたんです。すごく演劇に詳しいんですよ。それから商業演劇に出演するようになりました。
垣花:その舞台に出演した時はいかがでしたか?
渡辺:私は八千草さんの30歳年上の役をやったんです。その時に『やっぱり渡辺さんやりやすいわ』って言ってくださって。あの方はすごく芝居に関してキッチリしていて、厳しい方なんですよ。そんな方に褒められたのが、すごく嬉しくなっちゃって。それからどんどん商業演劇に出演するようになったんです。
大物女優とのエピソードを赤裸々に告白し、感謝の思いを語った渡辺えり。そんな渡辺の最新の舞台は、渡辺えりとキムラ緑子がダブル主演する喜劇「有頂天作家」。3月13日から28日まで、東京・新橋演舞場で上演され、4月2日から13日まで、大阪・松竹座で上演される予定。渡辺は、「とにかく笑って、泣ける作品。人間は笑ったり、泣いたりすると免疫力が上がりますよ!」と作品をアピールした。
番組情報
ニッポン放送「垣花正 あなたのハッピー!」内で毎週月曜日9時36分頃に放送。
垣花正が様々なゲストを招いてお話を伺うゲストコーナーです!