黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」（2月3日放送）に俳優・タレントのウエンツ瑛士が出演。イギリス留学で得た貴重な体験について語った。

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黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。1月31日（月）～2月4日（金）のゲストは俳優・タレントのウエンツ瑛士。4日目は、イギリス留学で得たことついて---

黒木）イギリス留学というものが人生の転機となり、とてもいい結果が出ていらっしゃると思いますが、留学に行かれる前に、いろいろな心の葛藤があったのですよね。

ウエンツ）そうですね。心が汲々（きゅうきゅう）としていたのですね。「魅力的な人は仕事が来る、そうではなかったら仕事は来ない」という考えになっていました。実際、そういう側面はあると思うのです。それが芸能界ですし、サラリーマンではないので。

黒木）魅力的に人には仕事が来ると。

エウンツ）常に自分が魅力的でなくてはいけないという。長期的な目線で物事を捉えることができなかったのです。30歳くらいのときには。

黒木）答えはないですけれどもね。でも、そのように自分を追い込んでいたのも事実だったのですね。

ウエンツ）そうですね。いい追い込み方ではなかったと思います。頑張るということに関しては、追い込みとしてはよかったと思うのですが、自分が魅力的であるということ以前に「仕事があればOK」というような、仕事を取りに行くという追い込み方は、本来自分が持っている輝きとは違うのではないか、というところに気付いたのです。黒木さんはいかがですか。そういうことはなかったですか？

黒木）私は24歳で宝塚を退団したのですが、「30歳で映画の仕事が来るまで東京にいよう」と思っていました。心のなかはすごく葛藤していますよ。夢をずっと追いかけていますよ。ただ、宝塚は兵庫県ではないですか。そこを辞めて東京に来たではないですか。そして東京の人は誰も私のことを知らないのです。その解放感がありました。

ウエンツ）解放感の方だったのですね。

黒木）宝塚ではサングラスをかけていたのですが、渋谷の公園通りを通るときにサングラスも帽子もいらない。毎日、山手線に乗って車の免許を取りに行ったり、ダンススクールに行ったりしていましたが、その解放感は大きかったです。

ウエンツ）僕がイギリスに行った直後と同じですね。「女の子と一緒に歩いて手をつないでもいいの？」というような。

黒木）いまそういうことも大変ですものね。

ウエンツ）本来は気にしなくていいのですけれど、勝手にそう自分で思い込んでいたので、そういうことも思いました。

黒木）イギリスの留学はよかったですね。覚悟を決めて。

ウエンツ）そうですね。誰も知らないところに行って、もちろん言葉もうまく使えなかったのですが、演劇にどこまで直結しているかわかりませんが、人として前向きに、無理にではなく、自然と前向きに大事なことを学べたということが大きかったですね。

黒木）いままでは人の物差しでいろいろなものを決めていた自分がいたけれども、という記事も読みましたが、人生の選択肢が広がりますものね。

ウエンツ）いろいろなことに固執せず、もちろん、このようにお仕事をいただいて、やらせてもらうのもそうですが、そうでなくても、自分がいかに幸せでいられるか。そのためには、自分の周りの人にいかに幸せでいてもらうかということが、僕にとっては幸せなことなのです。

黒木）そういうことまで、考えることができるようになったということですね。

ウエンツ）そうですね。イギリスへ行く前は、そんな自分には気付けないような状況だったということですね。

黒木）そのようにいろいろな悩みを抱えながら、前向きに歩いて行こうとされている姿は、みんなの励みになるのではないですか？

ウエンツ）僕だけではなく、皆さん、同じようにいろいろな悩みを抱えている方がいらっしゃると思います。また、こうして黒木さんに話を聞いていただいて、このような話をするつもりは1ミリもなかったのですが、黒木さんの人柄と、こういう話をしたくなるような感覚に陥ったので、それは本当に感謝しています。

黒木）心の扉を開きましたね。

ウエンツ）開いていただいてありがとうございます。

ウエンツ瑛士

ウエンツ瑛士（ウエンツ･えいじ）／ 俳優・タレント

■1985年東京都生まれ。ドイツ系アメリカ人の父と日本人の母をもつ。
■4歳でモデルデビュー。俳優、歌手、バラエティ番組へのレギュラー出演など幅広く活躍。
■2018年10月から2020年3月まで演劇･語学の勉強のためイギリスへ留学。
■2021年はTBSドラマ『日本沈没-希望のひと-』で連続ドラマに出演。舞台ではブロードウェイミュージカル『メリリー･ウィー･ロール･アロング』などに出演。
■2022年3月21日から始まるミュージカル『ブラッド･ブラザーズ』に出演。