政治ジャーナリストの田﨑史郎氏が6月14日、ニッポン放送「辛坊治郎　ズーム　そこまで言うか！」に出演し、辛坊と対談。今国会での内閣不信任決議案の提出と衆院解散の可能性について解説した。

岸田内閣総理大臣記者会見　冒頭に発言する岸田総理　2023年6月13日　～首相官邸HPより　https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202306/13kaiken.html

岸田文雄首相は13日の記者会見で、「21日が会期末となる今の国会で衆院の解散総選挙に踏み切る考えがあるか」と問われ、「いつが適切なのか、諸般の情勢を総合して判断する」と語った。また、立憲民主党の安住淳国対委員長は、この岸田首相の発言について「ああいう言いぶりは『首相自ら解散風を吹かせている』と言われても仕方がない」と指摘した。

辛坊）今国会で、野党が内閣不信任決議案を出すのか出さないのか。不信任案を出した場合、岸田文雄首相は解散を打つのか打たないのか。不信任案が出されなければ、解散しないのか。田﨑さんの見立ては、いかがですか。

田﨑）まず、不信任案が出されなければ、90%以上の確率で解散はないです。一方、立憲民主党は今、不信任案を出すか出さないか悩んでいます。立民としては、政権との対決姿勢をはっきりと示したうえで今国会を終わりたいという気持ちがあります。ただ、不信任案を出せば、解散の可能性はゼロではありません。逆に、不信任案を出さなければ、「腰砕けだ」と批判を受けます。したがって、不信任案を出す可能性のほうが高いのではないかと思って見ています。

この件に関していうと、フジテレビが14日昼のニュースで「不信任案が16日に出されるなら、すぐに解散することを検討していることが分かった」と報じました。

辛坊）野党は頭を抱えている状態でしょうね。

田﨑）立民は悩んでいると思いますよ。

辛坊）私は、どうせ否決されるのが分かっている不信任案について、提出を通常国会の度にセレモニーのように大騒ぎするのは時間と金の無駄だと申し上げてきました。ただ、その一方で岸田首相に「解散するぞ」と脅かされて、不信任案を出さないというのはあまりにもみっともないだろうとも思います。

田﨑）次の臨時国会が召集された際には、即解散になる可能性があります。今国会で腰砕けのまま次の臨時国会で解散を迎えると、立民としては選挙を戦いにくくなります。それだけに、非常に悩ましいところです。

辛坊）田﨑さんが立民トップの立場なら、どうされますか。

田﨑）「ここまできたら、不信任案を出すほかない」と考えるでしょう。

辛坊）そうでしょうね。14日昼のフジテレビの報道ではないですが、そこまで岸田首相に脅され、ばかにされて不信任案を出さないとなると、「面子丸つぶれ」という感じですよね。

田﨑）そうです。腰砕けと言われます。

辛坊）確実に言われますよね。

田﨑）はい。

田﨑史郎氏、ニッポン放送・増山さやかアナウンサー、辛坊治郎

辛坊）結論をお願いします。今週の解散は、どうでしょうか。

田﨑）今週中であれば、1割程度の可能性はあると思いますが、基本的にはない可能性が高いと考えています。僕が本命だと思っているのは「9月解散、10月選挙」です。その可能性が6割で、来年以降の可能性が3割だと思っています。

辛坊）16日に野党が嫌々ながら不信任案を出し、「だったら、解散だ」と岸田首相が同日に言う可能性はいかがですか。

田﨑）うーん、5%。