キャスターの辛坊治郎が10月5日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎　ズーム　そこまで言うか！」に出演。記者会見で特定の記者らを指名しないようにする「NGリスト」について、「リストに名前が載っていないメディア人は恥ずかしいと思わなければいけない」と指摘した。

記者会見で「私や岸田文雄首相の会見では、あらかじめ特定の記者を指名しないようにするリストは存在しない」と語った松野官房長官＝2023年10月5日午前、首相官邸　写真提供：共同通信社

ジャニーズ事務所が2日に開いた記者会見で、特定の記者やフリージャーナリストを指名しないようにするための「NGリスト」があったことが分かった。会見を運営した PR 会社・FTIコンサルティングは5日、ジャニーズ事務所はリストの作成や運営スタッフへの共有を含め一切関与していないと回答した。また、限られた会場使用時間の中で会見の円滑な運営準備のためにリストを作成したと釈明し、「関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけした。心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

辛坊）何が驚いたかというと、会見の運営を任せていたPR会社が作ったNGリストを会場で担当者が持ち歩いているところをメディアに撮影されていたことです。常識では考えられない事態です。バレるに決まっています。しかも、バレたら大問題になるに決まっています。バレたら、記者会見そのものの信憑性が疑われてしまいますよ。

とはいえ、このNGリストに名前が載っていないメディア人は恥ずかしいと思わなければいけません。名前が載っていないメディア人は、会見の運営側から「厳しい質問をしてこない安全パイ」だと思われているわけですからね。こういう会見の際に安全パイだと思われているなんて、メディア人として格好悪くないですか。

私も長年、テレビ番組で司会をしていましたが、政治家らに警戒されるような司会者でなければならないと思っていました。政治家らをゲストに呼ぶ際に、嫌な顔をして来られるよりも、「喜んで行きます」と言われたほうが受け入れ側としては気持ちいいです。でも、「喜んで来ました」と言われると、「何か違うよなあ」「俺は駄目だなあ」と逆に思ってしまいます。

今回のNGリストに名前が載っているメディア人たちにとっては、1つの勲章だと思います。「厳しい質問をするから」という理由で「質問させるな」というNGリストに載ったのであれば、名誉です。