謝罪会見に「赤いネクタイ」を締めてきた知床遊覧船社長

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ニッポン放送の藤原高峰記者が4月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。知床観光船遭難事故を起こした運行会社「知床遊覧船」の桂田社長の記者会見の模様を現地・知床からレポートした。

【知床観光船不明】会見に臨む、知床遊覧船の桂田精一社長=2022年4月27日午後、北海道斜里町 写真提供:産経新聞社

知床観光船遭難事故、運行会社社長が「出航は結果的に間違っていた」と謝罪

北海道・知床半島沖で乗客乗員26名が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が遭難し、11人が死亡、15人が行方不明になった事故で、運行会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が4月27日に記者会見を開き、土下座し謝罪した。

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桂田精一社長)この度は当社の船舶のクルーズのなかで大変な事故を起こしてしまい、亡くなられた被害者の方々、及び捜索中の被害者の方々に対して大変申し訳ございませんでした。

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飯田)荒天が見込まれるなか、荒れれば引き返すという条件で出航を決めたことなど、さまざまな背景が明らかになりました。会見を取材したニッポン放送の藤原高峰記者が現地・知床にいます。いまどちらにいらっしゃいますか?

藤原)いま私はウトロ漁港にいます。空は青く晴れ渡っていますが、漁船の旗が真横に大きくたなびくほどの強風が吹いています。私の5メートルほど前には、20隻以上の地元の漁船や営業を中止している観光船が、大きなロープでしっかりと固定された状態で停泊しています。これらの船もオホーツク海の荒波で、前後左右にいまも揺れています。

強風・波浪注意報が出ていて、地元漁船による捜索活動は中断

飯田)そのような風や波の状態ですと、捜索活動のために地元の方々が漁船で出るということは難しそうですか?

藤原)そうですね。オホーツク海では昨日(27日)からきょうにかけて、高い波と強い風が続いています。現在(※編集部注:4月28日朝時点)も斜里町では強風・波浪注意報が出ていますので、いまのところ地元の漁船による捜索活動の協力は行われていません。

記者会見中、3度の土下座をした「知床遊覧船」桂田社長 ~用意した資料を見ながら通り一辺倒の答え

飯田)27日の記者会見の模様ですが、いかがでしたか?

藤原)桂田社長の記者会見の様子を取材しましたが、会見のなかで桂田社長は涙ながらに謝罪の言葉を口にした上で、ときどき言葉を詰まらせながら事故当時の状況や運航の安全管理体制などについて説明しました。記者会見は2時間以上に及んだのですが、合わせて3回の土下座をしていました。

飯田)2時間以上、質疑応答がなくなるまで記者会見を続けたということですが、受け答えなどを見ていかがでしたか?

藤原)自分で用意した資料をもとに発言していたので、記者からすると、なかなか社長の言葉が伝わってきませんでした。

飯田)紋切り型の答弁のようになっていたのですね。

謝罪会見なのになぜ赤いネクタイを締めてきたのか ~ことの重大さを理解しているのか

藤原)そうですね。また、赤いネクタイで登場してきたので、行方不明者のご家族のなかには、「なぜ赤いネクタイで会見をしているのか」と思われた方もいらっしゃると思います。普通は黒いネクタイや濃い色のネクタイをして謝罪会見に臨むのではないかと思います。

飯田)ことの重大さについて、どこまで実感していたのかということですか?

藤原)記者の質問に対しても通り一辺倒の答えでしたし、「なぜこのような事故が起きたのか」という質問に対しても、「私の配慮がなかった」というようなことしか言っていません。具体的な話が出なかったというのが正直なところです。

北海道・知床半島の岩場付近で、安否不明者を捜索する自衛隊のヘリコプター=2022年4月25日午後0時32分(共同通信社ヘリから) 写真提供:共同通信社

当日、船長との打ち合わせの際に天気図を見ていたのならば、なぜその時点で出航をやめなかったのか

ジャーナリスト・鈴木哲夫)入ってきている情報を総合的に見て、私は明確に人災だと思いました。記者会見の現場でお感じになったことでいいのですが、「ここが人災として最も大きい原因だった」というポイントはどこでしょうか?

藤原)事故発生当日、午前10時に船長と社長が、天気が荒れる可能性があるということでやり取りをしたそうです。この時点で社長は天気図を見ていたということですが、そこで「きょうは出航を取りやめよう」と判断していたら、今回のような事故は起きなかったのではないかと思います。

鈴木)そこが最も大きなポイントとしてあるわけですね。

藤原)そうですね。社長は自らの経験で、これまでも今回のような風が多くあったから、きょうは大丈夫だろうと。条件付きの運航で、「このあと荒れた場合はすぐに戻ってくるように」という指示を出していたようです。

「知床遊覧船」だけが他の会社よりも早く営業をスタート

鈴木)遊覧船の営業そのものがゴールデンウィークに入ってからということだったのですが、それを破って早くから単独でやっていたという話があります。もし周りに遊覧船がたくさん出ている状況であれば、事故が起こったとしても、他の遊覧船が助けに来ることもできますが、営業開始時期を勝手に破ったということもポイントになると思います。

藤原)その件についても記者から質問がありました。以前からこの会社は暗黙の了解のような形で、他の会社よりも早く観光船の営業をやっていたそうです。しかし、最近は他の会社に合わせるようになり、「これでも遅く営業をスタートした」と言っていました。

飯田)昔はもっと早かったのだから、「1週間ぐらいのフライングはいいだろう」というような感じなのですか?

藤原)そうですね。ただ、別の会社の担当者は「合わせて欲しい」ということを、社長にはその都度言っていたようなのですが、社長が意見を聞かなかったのではないかと思われます。

シーズン終了後に翌年の契約を決める

飯田)この春先にも、社員や船員の方々が大量に辞めて、ほとんど経験のない人が操船していたのではないかとも言われています。その辺りについて、社長から何かコメントはありましたか?

藤原)これは北海道独特のルールなのかも知れませんが、4月にまず船長やスタッフとして社員契約をするそうなのです。そして営業時期が終わると、その方たちに「引き続きスタッフとして残るかどうか」ということを確認して、「引き続き残ります」という方は翌年もスタッフとして働く。「別の仕事に就きます」という方は、その時期が終わったら別の仕事に就くという形だったそうです。

飯田)なるほど。観光業だからシーズンビジネスでもあるわけですね。

藤原)そうですね。

残り15名の捜索が行われている

飯田)28日の捜索はどのようになりそうですか?

藤原)既に海上保安部の方は朝から海に出ていて、激しい風や波のなか、残り15人の行方不明者の発見救助を急いでいます。1人でも多くの方が、1日でも早く発見されて欲しいと思います。

鈴木)船体そのものもまだ見つかっていないのですよね?

藤原)まだ見つかっていません。

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