日本の防衛費「GDP比1%」が続いた理由は防衛省の特殊な人事か 高橋洋一の「仮説」

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数量政策学者の高橋洋一が8月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2023年度の一般会計予算の概算要求について解説した。

日本の防衛費「GDP比1%」が続いた理由は防衛省の特殊な人事か 高橋洋一の「仮説」

※画像はイメージです

2023年度予算の概算要求、110兆円規模

2023年度の一般会計予算で、各省庁からの概算要求は110兆円規模となる見通しであることがわかった。高齢化により社会保障費が膨らみ、防衛費も過去最高となる。

飯田)「予算が膨大だ」とするような記事も多くありますが、どうご覧になりますか?

高橋)少しテクニカルだけれども、防衛省は事項要求が多く、防衛省の関係者に聞いたら「事項要求するのは大変だったのです」と言うのですが、「要求は自由だろう」と言ってしまったのです。

飯田)要求は自由。

防衛省の会計課長は財務省からの出向者という不思議

高橋)要求は自由です。でも防衛省は、会計課長が財務省の出向者なのです。「だから要求が自由ではないのだよ」と言ったのですけれどね。

飯田)そうなのですね。会計課長が財務省からの出向ポストになっている。歴代そうだと。

高橋)あり得ないことです。通常、会計課長は省の政策を取りまとめて予算で裏付けるというセクションだから、出世ポストなのです。それはどこでも大体そうです。

飯田)自分の役所の仕事全部が、ある意味で予算から見られるわけですものね。

高橋)だから、どこでもエリート的なポストなのです。そこが他省庁の出向者、おまけに財務省というのはおかしいでしょう。

飯田)要求する方と抑え込む方が一体のようになるということですよね。

高橋)こういうことをマスコミは取り上げるべきなのです。「出来レースをしているだろう」などと。いま防衛省で会計課長をしている人は、私のよく知っている人です。個人的には言わないけれど、役所から派遣されているから、そこで失敗してしまったりすると、「元の役所に戻れる、戻れない」という議論になるのです。

飯田)自分の元いた省庁の覚えがめでたくないと。

高橋)よくある、人工衛星というパターンです。

飯田)行ったきりになってしまう。

高橋)外、外へと回されると。

飯田)そうならないためには、元いた省庁の覚えめでたくと。会計課長で元いた省庁の覚えめでたくとなると、当然ながら予算を絞って、「これだけ絞りました」ということをアピールしたがる。

これまで日本の防衛費「GDP比1%」が続いた理由は、防衛省の会計課長が財務省からの出向者だからか

高橋)(防衛費の)GDP比1%がなぜ続いたかについて、私の仮説は「会計課長を財務省がとっているから」だということです。

飯田)通常であれば各省庁の現場が要求を上げて、会計課長も含めてそれを巻き込み、財務省に対して「お願いします」とするのだけれども。

高橋)それが普通です。

飯田)しかし防衛省に関しては、現場で取りまとめたものを課長に上げる段階で、「お願いしますよ」と。課長は「ダメだよ、これでは財務省に上げられないよ」という。

高橋)事項要求も、要求の段階から防衛省は違うのですよ。だから「事項要求はできない」と言うのです。「できないわけがないだろう、やってみろ、要求は自由だろう」と言っていたのだけれど、なかなかできなかった。それが「今回、できるようになりました」と言うけれど、「当たり前だ」と答えてしまいました。

飯田)でも防衛省からすれば、それも大変だったのだと。

高橋)そうです、会計課長がね。

飯田)それは直せないのですか?

高橋)こういうことをマスコミが取り上げるべきなのです。「おかしいではないか、いくら何でも」と。

飯田)何のための内閣人事局なのでしょうか。

高橋)課長クラスだとできないのだけれど、それでも酷いですよね。私は客観的に思っているのですが、だって査定するのでしょうと。思いっきり要求させて、査定すればいいではないかと思うのですけれどね。

飯田)それで落としどころを探るのが、本来の姿のはずですよね。

高橋)要求させなければ話にならないと思いますけれどね。

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