Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1222回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、12月13日公開の映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」と『くすぶりの狂騒曲』をご紹介します。
映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」あなたが叶えたい願いは、何でござんす?
全世界で累計発行部数1100万部を突破した人気児童小説「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズ。アニメ化、ゲーム化、さらには遊園地のアトラクション化など、様々なメディア展開をする大人気シリーズが実写映画となりました。
メガホンを取ったのは、かねてから映画化を熱望していた中田秀夫監督。
幸運な人だけが辿り着ける不思議な駄菓子屋“銭天堂”を舞台に、願いが叶う“ふしぎな駄菓子”を買った人々の物語が鮮やかに映し出されています。
映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」のあらすじ
新米教師の等々力小太郎は、生徒たちから、世にも不思議な駄菓子屋“銭天堂”にまつわる噂を耳にする。
店主の紅子が売っているのは、どんな願いでも叶えてくれる駄菓子。しかし、食べ方や使い方を間違えると大変なことになるのだとか。
やがて、銭天堂の駄菓子を買ったらしき人々の様子がおかしくなっていく。
密かに想いを寄せている相田陽子にも異変が現れていることに気づいた小太郎は、銭天堂とは別に“たたりめ堂”という駄菓子屋の存在を突き止めたが……。
映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」のみどころ
主人公の紅子を演じたのは、天海祐希。色とりどりのガラス玉のかんざしに、真っ白な髪。真っ赤な口紅。そして、古銭柄の赤紫色の着物に身を包んだ、ふくよかな体型。
これまで「理想の上司No.1」に何度も選出され、シャープな印象が強い天海さんですが、本作では完成までに3時間もかかる特殊メイクを施して紅子役に挑みました。
そして、原作でも人気が高いキャラクターである“たたりめ堂”の店主・よどみ役は、上白石萌音。自身初の悪役に挑戦しています。
また、なにわ男子の大橋和也や伊原六花が映画オリジナルのキャラクターを演じるなど、オリジナリティーあふれる世界観が構築された作品となりました。
劇中には、食べると自信に満ち溢れ、堂々とふるまえるようになる“堂々ドーナッツ”や、テスト前には是非とも食べてみたい“ヤマ缶詰”など、大人の私でも「試してみたい!」と、興味をそそられる駄菓子が次々登場。
また紅子を取り巻く金色の招き猫たちが何とも愛らしく、思わず笑みがこぼれてしまいます。世代を超えて楽しめるファンタジックな一作。この年末年始は、ファミリーで映画館に出かけてみてはいかが。
『くすぶりの狂騒曲』リアル芸人の苦悩と情熱に涙!
2014年にオープンした「大宮ラクーンよしもと劇場」に集められた芸人によって結成されたお笑いユニット、大宮セブン。その初期メンバーであるタモンズを中心に、成功を夢みる芸人たちの軌跡を辿った青春群像劇『くすぶりの狂騒曲』。
タモンズを演じた和田正人(大波康平役)、駒木根隆介(安部浩章役)をはじめ、芸人役の俳優たちは劇中で漫才に挑戦。
その魂をも体現した熱演は必見です。
芸人の世界を描きながらも、どんな職業の人でも共感できる感動エンタテインメント。その熱量の高さに、元気と希望を感じずにはいられない一作です。
<作品情報>
映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」
2024年12月13日(金)から全国東宝系にてロードショー
出演:
天海祐希
大橋和也 伊原六花
平澤宏々路 伊礼姫奈 白山乃愛 番家天嵩 今濱夕輝乃
山本未來 渡邊圭祐 田中里衣 じろう(シソンヌ)
上白石萌音
原作:「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズ 廣嶋玲子・作 jyajya・絵 (偕成社刊)
監督:中田秀夫
脚本:吉田玲子
音楽:横山克
主題歌 : 水曜日のカンパネラ「願いはぎょうさん」 (Atlantic Japan / Warner Music Japan)
制作プロダクション:KADOKAWA
配給:東宝
(C)2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
公式サイト https://zenitendo-movie.jp/
くすぶりの狂騒曲
2024年12月13日(金)から新宿バルト9、イオンシネマほか全国ロードショー
出演:和田正人 駒木根隆介 辻凪子 土屋佑壱 永瀬未留 / 徳井義実(チュートリアル) 岡田義徳 ほか
監督:立川晋輔
脚本:中村元樹
音楽:牧戸太郎
主題歌:河口恭吾「悪い恋人」(よしもとミュージック/ミラクル・バス)
製作:NTTドコモ・スタジオ&ライブ 吉本興業 テレビ埼玉 the ROOM
制作プロダクション:the ROOM
製作幹事:吉本興業
宣伝:ブラウニー
配給:イオンエンターテイメント 吉本興業
(C)2024「くすぶりの狂騒曲」製作委員会
公式サイト https://kusuburi.jp/
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連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/