『わたしの知らない子どもたち』小八重葵美×二階堂ふみ、西川美和監督が手がけた戦争映画

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Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1337回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、現在公開中の『わたしの知らない子どもたち』 と『進行曲 マーチングボーイズ』をご紹介します。

『わたしの知らない子どもたち』小八重葵美×二階堂ふみ、西川美和監督が手がけた戦争映画

画像を見る(全13枚) (C)2026 K2 Pictures・AOI Pro.

『わたしの知らない子どもたち』 戦争ですべてを失った女性の再生の物語

第51回トロント国際映画祭のコンペティション部門にあたる「プラットフォーム部門」のオープニング作品に選出され、海外メディアからも絶賛を集めた映画『わたしの知らない子どもたち』 。

メガホンを取ったのは、西川美和監督。前作『すばらしき世界』の制作時、原作となった「身分帳」の主人公にインスパイアを受けたことから、『私の知らない子どもたち』の発想が生まれたということです。

本作は1945年の日本を舞台に、戦争が終わったあとを生きた子どもたちの物語。戦後80年を過ぎた今、“戦後”を描いた新たな傑作が誕生しました。

『わたしの知らない子どもたち』小八重葵美×二階堂ふみ、西川美和監督が手がけた戦争映画

(C)2026 K2 Pictures・AOI Pro.

『わたしの知らない子どもたち』

音楽家の父のもとで穏やかに暮らしていた12歳の少女・茅野琴子。戦争によって家も家族も失った彼女は、焼け野原となった東京で生き延びるために、性別を隠して少年として生きることを決意。それは、女であること自体が危険だという現実から逃れるためだった。

一方、琴子の担任教師だった曽根文美子もまた、生きる意味を失っていた。敗戦によるイデオロギーの転換から、戦時中の軍国主義教育に加担していた自分自身を悔やんでいた。

ある日、琴子の父の友人から知らせを受けた曽根は、琴子を探し出すために焼け跡の東京を歩き始める……。

『わたしの知らない子どもたち』小八重葵美×二階堂ふみ、西川美和監督が手がけた戦争映画

(C)2026 K2 Pictures・AOI Pro.

『わたしの知らない子どもたち』 のみどころ

茅野琴子役に抜擢されたのは、オーディションで約500人の中から選ばれた小八重葵美。濁りのない真っ直ぐな眼差しが印象的で、戦後という過酷な時代を生き抜く意志の強さと少女が持つ繊細さを見事に体現。作品の核を担う存在として好演をみせています。

そして曽根文美子を演じたのは、国際的に活躍する二階堂ふみ。過去に背負ったものと、抗うことのできない現実のあいだで揺れながら生きている。この難役を持ち前の演技力で演じ切りました。

共演には役所広司、田中裕子、岡田准一、吉田羊、竹野内豊、坂東龍汰、北村有起哉など、日本映画界を支える実力派キャストが集結。これまで語られてこなかった戦後の物語に挑みました。

『わたしの知らない子どもたち』小八重葵美×二階堂ふみ、西川美和監督が手がけた戦争映画

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ストーリーを引っ張っていくのは、主人公を演じた小八重葵美をはじめとする子役たち。彼らが演じたのは、戦争によって家族を失い、戦後の混乱の中を生き抜こうとする戦争孤児。そこで撮影前には、戦争を知らない子どもたちが過去の戦争について学び、役柄への理解を深めるための場を設けたとのこと。

また本作に参加したスタッフは全員、戦後生まれ。20代、30代のスタッフや戦争映画の制作現場に携わったことがない人も多く、子どもたちの学びの場に加わって対話を重ねることで作品を作り上げていったとか。

こうした工程を丁寧に積み上げたことが功を奏し、子どもたちの表情からは生きるエネルギーがみなぎっており、その姿に惹きつけらずにはいられません。過去を知ることで、未来を見つめ直す。そんなきっかけになる一作です。

『わたしの知らない子どもたち』小八重葵美×二階堂ふみ、西川美和監督が手がけた戦争映画

2025 Marching Next Media. All Rights Reserved.

『進行曲 マーチングボーイズ』マーチングバンドって、こんなにも激しく美しい!

1990年代の台湾を舞台に、マーチングバンド部の活動に青春をかける高校生たちを描いた映画『進行曲 マーチングボーイズ』。

台湾屈指の進学校・建国高校に通うジャン・ハオ。彼は医学部進学を望む父親の期待を背負い、プレッシャーを抱えながら高校生活を送っていた。

そんな中、ふとしたことからマーチングバンドに興味を持ち、父親に内緒で入部することに。仲間とともに部活動に励むが、ある事件に巻き込まれてしまい……。

『スイングガールズ』や『ウォーターボーイズ』など、日本でも部活動映画の秀作が多くありますが、『進行曲 マーチングボーイズ』は実話を元にした台湾発の部活青春エンターテイメント。

ムー・セン、ユー・ジェエン、リウ・ユーレンなど、アジア映画の未来を担う次世代スターたちが顔をそろえ、吹き替えなしで演奏シーンに挑戦。その音色からは青春の躍動が伝わってきて、自然と心が躍ります。

エモーショナルで、ちょっぴりノスタルジック。そして、「これぞ、王道!」と呼べる本作。好きなことに情熱をかけて打ち込む姿は尊い。

『わたしの知らない子どもたち』小八重葵美×二階堂ふみ、西川美和監督が手がけた戦争映画

(C)2026 K2 Pictures・AOI Pro.

<作品情報>
わたしの知らない子どもたち
全国公開中

出演:
小八重葵美 二階堂ふみ
坂東龍汰 櫻井海音 花瀬琴音
羽山由一郎 小林丞之介 岩田龍門 渋谷そらじ 武内ひなた
北村有起哉 吉田 羊 竹野内 豊
岡田准一 / 田中裕子 役所広司

原案・脚本・監督:西川美和
音楽:原摩利彦
撮影:笠松則通 照明:宗賢次郎
音響:白取貢 特機:上野隆治
美術:三ツ松けいこ 装飾:須坂文昭
衣裳デザイン:小川久美子 衣裳:岩﨑文男
ヘアメイクデザイン:酒井夢月 スクリプター:田口良子
編集:菊池智美
音響効果:北田雅也
キャスティング :田端利江 、山下葉子
助監督:中里洋一 制作担当:山内遊
VFXスーパーバイザー:上田倫人、髙橋正紀
音楽プロデューサー:杉田寿宏
ラインプロデューサー:横井義人
製作:紀伊宗之 プロデューサー:小出大樹、伊藤太一
製作・配給:K2 Pictures 共同製作:AOI Pro.
企画:分福 制作プロダクション:AOI Pro.
(C)2026 K2 Pictures・AOI Pro.
公式サイト https://k2pic.com/film/wsk

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<作品情報>
進行曲 マーチングボーイズ
2026年10月23日(金)シネマート新宿ほか全国順次公開

出演:出演:ムー・セン(牧森) リウ・ユーレン(劉育仁) ユー・ジェエン(余杰恩) リー・リーレン(李李仁) マー・ジーシアン(馬志翔) ホアン・ディーヤン(黃迪揚)

監督:ジャン・ルイジー(姜瑞智)
脚本:ケリー・チェン(陳慧如) ホアン・ジーカイ(黃致凱)
プロデューサー:ケリー・チェン(陳慧如)、ウルフ・チェン(陳鴻元)
原題:進行曲 Marchingboys
配給:メイジャー 共同配給:アクセスエー 後援:台北駐日経済文化代表処 文化センター
字幕翻訳:手塚雅美 台湾華語:夏 國明
(C)2025 Marching Next Media. All Rights Reserved.
公式サイト https://marchingboys.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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