写真提供:産経新聞社(写真は19日の対オリックス戦)
交流戦が昨日で終わりましたが、毎年のことながらパ・リーグ、それも今年はソフトバンクの強さが際立ちました。
唯一セ・リーグの意地をみせたといえば広島。
それも中で抜きん出た活躍をみせたのは鈴木誠也ですね。
本拠地で迎えた西武、オリックス6連戦を全勝、40勝29敗2分でセの首位をキープしたばかりではありません。
2位巨人に6ゲーム差をつけたばかりではなく、セの貯金を独占、1強5弱の図式を構築しつつある。
広島というと昔は「鯉のぼりがあがるまで」なんて陰口を叩く人も居ました。
でも、鈴木誠也は17、18日に史上10人目の2試合連続サヨナラアーチを放ち、翌19日にもサヨナラではなかったものの、8回に試合を決める決勝弾。
「最高です」を連発しながら
「何で打てるのかわからない。バットを45度に入れるとボールが飛んでいく。」
と話しています。
広島で江藤、前田、金本、巨人でも松井、高橋由、阿部などを育てた名伯楽、巨人の内田打撃コーチが「あいつは日本を背負っていくバッターになる」と予言したのは鈴木でした。
鈴木の今年の大ブレーク。プロ4年目で素質開花の4文字ですませてしまうのは簡単ですが、引き出したのは意外にもソフトバンク・内川。
「どうしても、一緒に練習をしたい」と熱望して自主トレへ参加します。
柳田ばかりがクローズアップされ、地味な役回りですが、工藤監督が絶大な信頼を寄せている大黒柱。
ここに目をつけた鈴木もすごいといえますが、受け入れた内川の懐が深い。
鈴木のバッティングを間近にして、こんな感想を漏らしました。
「ビックリした。ぼくより上だし、すごい。次のトリプル3は鈴木くんかもしれない。」
では、鈴木は内川にはどんな指導を受けたのでしょう。
「ご飯を食べる時間がもったいなかった。」
練習へ打ち込む姿をみて
「ボールを飛ばすのは、力がいらない」
と45度の極意を教えたのです。
これは、我々、素人にはわからない感覚、でも、鈴木にとってこれが開眼の第一歩になった。
昨年まで、1日でダメになったバッティング用手袋が今季は実に持ちがいい。
余分な力を入れていないから、パワーロスが少なく「バッティングは、そういうことです」と痛感したそうです。
こうなると、ファンの願いはオールスター初出場。
20日最終中間発表が行われ、鈴木はセの外野手部門で8位でしたが、監督推薦や選手間投票などでチャンスもあるでしょう。
にわかに出てきた鈴木誠也、あっという間にスターですね。
(原文)青木政司
6月21日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」