写真提供:産経新聞社
今夜はオールスター第一戦がヤフオクドームで開催されます。
先発はソフトバンクの和田毅投手。今季から日本球界へ復帰して、5年ぶり5度目の出場ですが、いつのまにかリーグ最年長選手になっています。
「初出場の時、何だ、この光景は?スターばかりが揃っている、と衝撃を受けたことをはっきりと覚えている。もちろん、選ばれたことはうれしい。でも、防御率が3点台だし、自慢できるのは、勝ち星(パ最多タイの9勝)ぐらいです。」
「ベンチの隅で目立たないように座っている。」
と謙虚に話しているところが、いかにも和田らしい。
2011年オフにメジャー挑戦を宣言して、オリオールズへ移籍しました。
しかし、翌年の春季キャンプで左ヒジ痛を発症。2シーズンマイナー暮らしでメジャー登板はありませんでした。
「あの経験が、今に生きている」と振り返ります。
「メジャーはチャーター機で移動して、空港へ到着すれば、警官の先導で球場へ行く。でも、マイナーは午前3時に起床。10時間もバスに乗って、試合へ行きます。事前にわかっていたことでしたけど、実際に経験をすると厳しさがわかりました。」
米国ではヒジの手術を2度経験し、「ストレートがより素直になった。」といいます。
そのウイークポイントを見事にカバーしたのが、アマチュア時代から高評価されてきた投球術。
「43.2センチ。ホームベースの幅を目一杯、使っている。」とのこと。
好不調のバロメーターは、相手打者が自打球を当て、ファウルが多いか。はたまた、ボテボテのゴロがたくさんあるか。
ベンチやスタンドでみているもの以上に、バッターボックスの打者には驚異の存在ということになります。
天国と地獄を味わってきたベテランは、野球に取り組む姿勢が違うのです。
入団当時から、トレーニングなども自分で考え、怠けずに行ってきた。
同時に、投球フォームのチェックもおこたらない。
ということで、「いつ、やめても悔いがないようにしている」。実にスマートで、日本球界への復帰も、「自分で決めた」そうです。
ただし、和田にもこれまでの野球人生で悔いが残っていることがひとつあって、それは「中学時代に戻りたい。」ということ。
とにかく「たくさん食べろ」と指導を受けたそうですが、練習をたくさん行っていたために、疲労で食べ物を受けつけない。
「育ち盛りに、もっとしっかり食べていたら、もう少し体が大きく、強くなっていたでしょう。」と笑っていました。
とはいえ、以前のソフトバンク時代は70キロ台だったのに対して、現在は80キロ台に。
ひと回り大きくなったのは努力の成果です。
一方、今回の球宴では右手のマメの影響で野手として出場する日本ハム・大谷について、
「ピッチャーとしても素晴らしい。だけど、あんなバッターは見たことがなかった。内に投げても、外に投げても見事なぐらい引っ張られてしまう。本当にすごいなぁ、と思います。」
その大谷はホームラン競争には出てきますが、ピッチャーとしては出場の予定はありません。
和田が投げて、大谷が打つ。今年のパ・リーグはドリームチームです。
(原文)青木政司
7月15日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」