写真提供:産経新聞社
日本ハムが11連勝。
ぶっちぎりの独走劇だった首位ソフトバンクとの差が5.5ゲームまで縮まってきました。
「ベンチの雰囲気がいい」と栗山監督はいいます。
ただ、そうしたムードをつくりあげるのは指揮官の役割。
「もっと上がっていかなくてはいけない」と、試合後も気を引き締めていました。
今季が5年目。
本拠地を北海道へ移転してから4年のヒルマン、梨田の両監督の任期を上回る、最長を更新することになりました。
昨年の契約更改、フロントからは複数年を提示されたものの、あえて単年を申し出たそうです。
「そんなことでは、責任はとれない。このチームを強くする責任がおれにはある。」
口先だけの政治家とは違い、腹が据わっている。
このあたりが栗山監督の素晴らしさでしょうか。
余談ながら近い将来は、栗山監督がゼネラルマネジャーへ転身してOBの稲葉さんを新監督に迎えるプランもあるといわれています。
ちなみに、栗山監督は大谷翔平を褒めない。不思議ですよね。
しかし、3日のソフトバンク戦。リアル二刀流『1番・投手・大谷』を実現。
スタメン発表でスタンドをどよめかせた監督もすごいが、その期待に応えた大谷がまたすごい。
初球を右中間へ、投げては、8回を無失点に抑える伝説の試合になったのです。
背番号80。
かつて、日本ハムの球団社長をつとめた、三原脩さんがヤクルトアトムズ監督時代の番号です。
栗山監督は現役時代、ヤクルトへ在籍したとはいうものの直接、指導を受けたことはもちろんありません。
ただ、指導者となって目指したのは三原イズム、先入観をもたず、あらゆる可能性をさぐる。
振り返れば、ワンポイントリリーフ、偵察要因といった今では当然のように行われている戦術を最初に実践したのは三原さんでした。
三原さんは、ヤクルト監督1年目で二刀流の外山義明を1番・投手で起用したことが。
「一番いいバッターを、トップに据えたらどうなるだろう」
と栗山監督は、以前からこのプランを思い描いていたそうです。
日頃は、絶対に大谷をほめたことがない栗山監督もこの日ばかりは担当記者に囲まれ大絶賛。
就任当初は、プロ初の国立大出身監督、大学教授の肩書をもつ監督、12球団で現役試合数が少ないなど、異色の経歴ばかりがスポットを浴びましたが、自身のスタイルはブレることがありません。
知将の一面をひけらかすのではなく、選手をやる気にさせてモチベーションをあげることがとにかくうまい。
毎年オフになると、各球団からトレード申し込みがある斎藤佑樹を、「球場の雰囲気を変える力がある。そんな選手を出せるわけがない」とフロントを説き伏せる。
そんな期待に今度は、斎藤が応える時です。
日本ハムの連勝、どこまで伸びるか楽しみにしましょう。
(原文)青木政司
7月6日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」