本人ももちろんいささかも予期しなかったと思いますし、ファンももちろんのこと。
まあ、開幕1ヶ月で3勝4勝、軽くしてくるだろうと思われていた日本ハムのエース大谷翔平投手に今季6戦目で待望の初勝利が付きました。
本来ならチームをあげて喜ぶべきところですが、
情けないピッチングだった。
でも、情けない中でも工夫していたピッチングは評価できるけど…
こんなところですごいと思われるピッチャーになってほしくない。
栗山監督は、ことさら大谷にダメ押しを連発しました。
138球の完投。
打たれたのは、4安打でしたが、5-0とリードした2回に、4失点を喫したことが栗山監督には我慢ならなかったようです。
前回24日のソフトバンク戦は、中指にできたマメの影響で途中降板するなど、決して万全とはいえない状況でした。
しかし、開幕戦で黒星をつけられたロッテとは、今季3度目の対戦。
昨年のクライマックスシリーズ・ファーストステージでも敗れているだけに、今回も敗れたらそれこそ苦手を作る要因になる。
それだけに、きのうは弱みを見せるわけにはいかなかったに違いありません。
確かに、今シーズンの大谷は制球力がひまひとつ。
いい時の4割程度の状態というのがもっぱらの評判で、テンポと間合いがうまく回らない。
にもかかわらず、防御率2.27は並の投手ではない証明で、この日も要所を変化球で抑えるなど、ピッチングの幅が広がっています。
そんな大谷の周囲には来年、つまり17年シーズン後、ポスティングシステムでメジャー挑戦するのではないか…といううわさがある。
今春に実施した米国キャンプでは、多くのメジャー関係者が大谷を入念にチェック。
今季の年俸は2億円ながら「25億円の価値がある」という声まで聞こえるほどです。
さらにプライベートでも、絵にかいたような優等生。
入団以来、外出は許可制で、変わる気配はなし。
「何もいわれていません。続くのではないでしょうか」と、まるで他人事のように話していました。
一方で、プロ野球選手といえば、愛車ですが、残念ながらまだ運転免許を取得してはいません。
「車よりも、ゆっくり温泉にでも使った方がいい」。
お酒などに関しても、「体調を崩してまで飲むことを、理解できません」といった具合です。
給料はすべて両親が管理して毎月10万円の小遣い制。
自慢げに語ったのは、「200万円、貯まったことです」。
まさに、野球にすべてを打ち込んでいる稀有な存在といえるでしょう。
ところが、栗山監督は常に辛口の評価をする一方で、陰で大谷番の記者へ
ぼくはホメたりしない。だけど、君たちはホメてほしい。
とソッと頭を下げるそうです。かつてなかったような、素晴らしい監督と選手の関係ではないでしょうか。
(原文)青木政司
5月2日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」