今日のスポーツ人間模様は、熊本天草出身のヤクルトスワローズ山中浩史投手。
昨晩の阪神戦に今シーズン初登板初先発で登場しました。
どんなベテラン投手でも、ただでさえ、緊張するというシーズン初登板。
しかし、山中にはそれ以上に「勝たなければ-」という重圧が加わりました。
6回1失点の好投で初勝利。
故郷・熊本へ「あきらめない。負けない!と必死になって投げました。」と涙を浮かべながら試合を振り返りました。
さて、この山中投手はどんな選手かと言いますと、小学3年でソフトボールをはじめ、中学で軟式野球部に所属。
当時は、サイドスローだったものの、必由館高でアンダースローに転向して、甲子園にも出場を果たしました。
その後は、九州東海大、社会人のHonda熊本でプレーして、27歳の2012年、ドラフト6位指名されソフトバンクへ入団しています。
そして、2014年のシーズン途中でヤクルトへ移籍。そこで運命が変わっていきます。
「ぼくはボールが遅いのが売りですから」と言っているように、決して剛速球を投げるわけではありません。
スピードガンで、130キロ出ることは本当に少なくて、120キロのストレートと80キロ台のカーブで勝負してきた投手。
運命を変えたのが高津コーチとの出会い。
“アンダースローは、アンダースローの指導者が教える。”フォームから大改造したそうです。
大きな改良点は2つ。
①ボールをリリースする時、時計の6時ではなく、12時にする。
②尻を突きだすようなイメージで投球する。
すると「自分でも驚くぐらい、ストレートの切れが良くなった。とても120キロ台とは、思えないぐらいです」というくらい、山中の投手人生が劇的に変化してきたそうです。
そして昨シーズン、リーグ制覇を果たした時、救世主として話題になりました。
登板を命じられるのは、ローテーションの谷間。
調整が難しいにもかかわらず、開幕6連勝をマークしています。
ヤクルトでは、58年の金田正一の開幕9戦9勝に次ぐ大記録ですね。
今季も開幕当時は1軍のローテーションに入っていませんが、右ひじの手術を受けた館山のリタイヤでチャンスが巡ってきたということ。
山中の登板は、開幕からいまひとつ調子に乗れないチームに、いい流れを呼びこむことになるのではないかと言われています。
プロとはいうものの、ハデな面は一切ありません。
ドラフト直後に社会人時代の同僚と結婚し、最初は小遣いが月2万円でした。
そして、1軍にあがって4万円になり、去年は6万円にあがった。
去年の契約更改では、1,100万円から2倍の2,200万円になりましたが、質素な生活は変わることがありません。
座右の銘は、「積み重ね」。
コツコツと努力を継続するヤクルトスワローズ山中浩史投手をご紹介しました。
(原文)青木政司
4月21日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」