アニメ「昭和元禄落語心中」をきっかけに、アニメファンの間で広がった「実際に落語を観てみたい」という声に応えるイベント「声優落語天狗連 Supported by 昭和元禄落語心中」の六回目公演が、昨日9月19日(月・祝)に浅草東洋館で開催されました。
この「声優落語天狗連」は、落語研究会出身のニッポン放送アナウンサー・吉田尚記と、アニメ好きにして落語研究会出身の学者芸人・サンキュータツオがダブルMCを務め、過去に5回実施されています。
前回・前々回に引き続き、浅草東洋館での開催となった第六回。まずはメインMCの2人による「アニメ×落語談義」からスタートした。会場には、約250人のお客様が集まり、満席の客席は熱気十分。
そして、目玉企画の「声優落語チャレンジ」。これまで声優の石井マーク、阿座上洋平、古川慎、福島潤が「初めての落語」に挑戦してきたこの人気企画に今回挑戦するのは中島ヨシキ。
彼が吉田アナと出会ったのは、2009年4月から2010年3月まで放送されていた「YAGアニメラボ」にさかのぼる。吉田尚記アナと声優田中理恵がパーソナリティを務めていたラジオ番組で、オーディションを経て、レポーターを務めていたのが、当時16歳で代々木アニメーション学院生の中島ヨシキだった。
「天性の才能」そんな言葉を、会場にいた人は感じただろう。話始めこそ緊張を感じたものの、枕で笑いをとると、あとは「ヨシキワールド」だった。大きな声、大きなジェスチャー、豊かな表情、小気味よいリズム、誰もが《ヨシキワールド》に吸い込まれた。一席が終わり、稽古をつけた立川志ら乃師匠が出てきて言った言葉が、「間違いなく売れる・・・もういう事ないよね(笑)」だった。サンキュータツオさんも、噺家への転身を本気で進めるほどの噺だった。
そして、アニメ「昭和元禄落語心中」の劇中で語られる落語を中心に、プロの落語家が実際に口演する人気コーナーへ。「声優落語天狗連」ではこれまで、入船亭扇辰師匠「鰍沢」、立川志ら乃師匠「時そば」、春風亭一之輔師匠「居残り左平次」、隅田川馬石師匠「野ざらし」、瀧川鯉斗「紺屋高尾」が披露され、会場を沸かせてきた。今回は、古今亭文菊師匠が「あくび指南」を披露。
サンキュータツオさんの頭の中で「あくび指南」ナンバーワンが古今亭文菊師匠。なんとこの日は、朝から高座に呼ばれ続け、なんと5席目となる高座でした。男の下心を逆手にとって、騙して商売をするという、美人局のような内容ですが、そこに出てくる女性がとても艶っぽい。そんな分菊師匠の落語に吉田アナは、アニメ「昭和元禄落語心中」の世界を感じ、志ら乃師匠は中島ヨシキに、「これがホントの落語だよ」と言ったとか、言わなかったとか・・・・。
アニメ「昭和元禄落語心中」第2シーズンに向けての高まりを寄席で共有できるステキなイベントとなった「声優落語天狗連 第六回」。次回は11月を予定しているので、早くも楽しみです。