2/23(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!その②
金正男を頭に据えて中国が北朝鮮を転覆させようとしていた。その防衛処置が今回の暗殺!?
7:02~ひでたけのニュース ガツンと言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
金正恩が論文「金正恩の最後の勝利を目指して」で唱える金正恩主義とは?
高嶋)金正男の殺害事件は深みがありすぎて分析しづらい。まず北朝鮮という国として、素人ながら素朴に思ったのは、いわゆる金日成と息子の金正日、そしてその三代目の金正恩というのは在日帰還のお母さんの高英姫(コ・ヨンヒ)の息子で、あの北の国では在日帰還者は非常に下に見られる境遇にある。本当は長男が継ぐべきで、白頭山?
佐藤)ペクトサンですね。あそこで生きるようにしていたと。本当はロシアのハバロフスクの郊外で生まれたんですけど、金正日がペクトサンで生まれたという神話をつくっていましたよね(笑)
高嶋)それで金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚が読売のインタビューを受けて「今回の事件でペクトサンの血統は殺さないという原則が崩れた」と言っている。これは非常に怖いことだと思うのですが、金正恩は何を根拠に今回の暗殺に至ったのか? 非常に変質的な性格によるものだとも分析できますが、本質はどこにありますか?
佐藤)これは北朝鮮が金正恩という人間によって国家が体現されているという、一種の現人神なのですよ。一番重要なのは、金正恩自身はどう言っているかっていうのを知ることですね。私の手元に朝鮮平城主体(チュチュ)102年、向こうは元号制ですから、2013年に出た「金正恩の最後の勝利を目指して」という論文集があります。
高嶋)この冊子。
佐藤)これ昔、小沢一郎さんの秘書をやっていた石川知裕さんが平壌に行った時のお土産に買ってきてくれものです。それに2012年10月12日付の手紙が出ています。その中でこう言っています。
「革命家の血筋を引いているからと言って、その子がおのずと革命家になるわけではありません。偉大な大元帥たちが述べているように、人の血は遺伝しても思想は遺伝しません。革命思想はただたゆまない思想教育と実際の闘争を通じてのみ信念となり、闘争の芯となりうるのです」
…ですから革命家のペクトサンの血筋を継いでいるからと言って思想は遺伝しないと。では、正しい思想は何かと言うと、これは金正恩になってから唱えている、金日成・金正日主義、という今までとは少し違う主義です。金日成主義とお父さん(金正日)は言っていたけど、金日成・金正日主義ということで事実上は金正恩主義ですよね。「だから俺の言う通りにしない奴っていうのは思想が正しくないから」。そこを裏返すと、誤った思想を持っているのだったら、血筋が備わっていても消して構わないと言っています。
高嶋)まあしかし、うまい理屈を考えるものですね。我田引水ですよね。
金正男がいると自分がやられるから「やられる前にやれ」佐藤)その通りです。ただし2012年の段階でこういうことを言っているわけですから、基本方針はすでに4年半前から決まっているということです。怖い話だ。
高嶋) 国外に出て何かあっちこっちふらふらをして、旨いものでも食って、チャラチャラやっているお兄ちゃん(金正男)というのは、思想教育もなければ実際の闘争もしてないと。
佐藤)それだけだとまだ許容できる範囲だけど、そのプラスのところでもしかすると、金正男を頭に据えて中国なりが北朝鮮を転覆させようとしているという話があったのではないかと。金正恩は核兵器やミサイルばっかり作って、ろくなことやらないから。4年半前からそういうことを言っていたのに今やるという必然性は、金正男の頭の中で変化があったはずなんですよ。何か情報が入ってこないと、変化を起こさないですから。そこのところで一部亡命政権という報道がありますが、金正男がいると自分がやられるから「やられる前にやれ」という、金正恩からしてみれば防衛処置だと思います。
高嶋)とにかく、我々の日常の常識からは考えられない国だということですね。
佐藤)しかし理屈はある。
高嶋)なるほど。
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