北朝鮮ミサイル発射は「トランプに伝えてほしい」という安倍総理へのメッセージ?高嶋ひでたけのあさラジ!

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3/9(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

北朝鮮対策として敵基地攻撃の検討が急務
7:10~やじうまニュースネットワーク:スペシャルコメンテーター小野寺五典(衆議院議員)
道筋の読めない金正恩の思考と行動

国連が安全保障理事会は8日、非公開の緊急会合を開き、弾道ミサイルを発射した北朝鮮への対応を話し合いました。アメリカのヘイリー国連大使は緊急会合後に記者会見し、北朝鮮への対応について、すべての選択肢を検討していると述べました。

高嶋)まずアウトラインを、ニッポン放送報道部の森田耕次解説委員です。

森田)北朝鮮が6日に弾道ミサイル4発を発射したことを受けまして、国連安保理が日本時間の今日未明、非公開の緊急会合を開きました。その会合の後に記者会見をしたアメリカのヘイリー国連大使は、北朝鮮の対応について、すべての選択肢を検討していると述べたほか、金正恩朝鮮労働党委員長については、「理性的な人物ではない」と批判しました。アメリカ軍の選択肢としては、北朝鮮のミサイル部隊に対する空爆などの直接攻撃やサイバー攻撃、在韓米軍から撤去された、戦術核兵器の再配置などが候補にあがっているとしました。こうした中、ティラーソン国務長官が来週の15日、日本を訪れて、その後、韓国中国を訪問することとなりました。15日、東京では、安倍総理大臣、それから岸田外務大臣との会談が予定されているほか、中国では習近平国家主席とも会談する方向で調整中です。一方、中国の王毅外相が北京での記者会見で、対立を深める北朝鮮と、現在合同軍事演習を行っているアメリカ、韓国を正面衝突寸前の列車にたとえ、「ブレーキを掛けるべきだ」と双方に自制を求めました。また、アメリカ軍の最新鋭迎撃システム“THAAD高高度防衛ミサイル”の韓国配備にも、王毅外相は重ねて反対を表明しています。
北朝鮮のミサイルですが、アメリカの軍事専門家の中には、「36発を同時に発射できる能力がある」と指摘する人もいます。北朝鮮が、弾道式ミサイルの移動式発射台を相当数保有していることを根拠に、タイプの異なる36発を同時多発的に発射できるとしているのですが、今回のミサイル発射も北朝鮮は、「在日アメリカ軍基地への攻撃訓練だった」としております。いま日米が運用しております迎撃システムの能力については、防衛省の幹部も、何発も同時に飛んできた場合、すべてを打ち落とすのは事実上不可能だという見方を示しています。こうしたなか自民党内では、ミサイル発射前に拠点を破壊する、”敵基地攻撃能力”を保有するべきだという議論が熱を帯びています。

高嶋)最初に伺いたいのは、トップの金正恩という人ですが、どういう本質的な人間なのか? ちょっと掴み所がないと言うか……捕らえどころのない、不気味さ故かもしれませんが、ちょっと親父(金正日)とは全然違う、好戦的な、偏執的な、そういう人間かもしれない、そんなものが伝わってきますが、まずその辺の変化からいかがですか?

小野寺)理性的な人物じゃない、という話がありましたが、私たちもそう思っています。金正恩……いまの北朝鮮のトップの方のお父さん、金正日もいろいろなことをやってきたのですが、父の場合は必ず弾道ミサイルや核を撃ったりした後には、各国のさまざまな対話についてはまあ、応じて。そしてある面では経済支援を受けるという。このミサイル開発をある部分では一つの道具にして、逆に交渉に使って支援を受けるという、そういうやり方をしていたので、まだ私たちには目的が分かった。「ああ、なるほど。これでまたいろいろエネルギーや支援がほしいんだな」と。そういう意味では話が出来たのですが、いまの金正恩さんは、正直言って、どうしてこんなことをしているのかが分からない。ですから中国も含めて、手に余るということになりますので、これはお父さんとは全然違う性格なのではないかと思います。

高嶋)掴みどころがないと。

金正恩の異常な粛清

小野寺)それからご親族に関しても、まあ処刑の仕方が、”高射砲を使って処刑をする”なんて残虐なやり方をしているというのも伝わってきますので……

高嶋)そこまでしないと自分の権威を保てないような状況なのですかね? 北朝鮮はどうなのでしょうか?

小野寺)とくに北朝鮮と言うよりも、金正恩の周辺の人々たちが、身内からもこれだけ粛正するといつ寝首を掻かれるかわからない。いろいろな緊張感を持っているので、ちょっとした猜疑心が過剰な反応につながるのではないかと心配しています。

高嶋)本当ですね。この間、クアラルンプールからね。たったひとり例の事件で捕まった、男が帰されましたけれども、あれは哀れでしたね! 北京で飛行機に乗る前に……ジェスチャーから、それから言うことから、全部教科書みたいなことを言って。最後には金正恩を称える歌まで歌ってですね……あそこまでやらないと、やはり命がヤバいということですよね。

小野寺)もしかしたら北の工作をしていた方かもしれませんが、ああやって取り上げられて、送還されたと。それで、あの人はあの人で、自分の身の安全もあると思うのですが、多分、家族を守りたいのだと思います。あそこで「将軍様に忠誠を誓うんだ!」ということをアピールしない限り、もしかしたら自分のこともさておき、家族がどういう目に遭うか。

高嶋)そういう人を相手に、いまね、世界は緊張しているということですね。

4発のミサイルは安倍総理への「アメリカに伝えてほしい」というメッセージ?

高嶋)ふたつあります。1つは北朝鮮自体はどうするつもりなのか。西側ですね、中国も含めて。それからもう1つは、対日本ですね。ああいう、冗談でも「在日米軍を目当てに4発続けてミサイル」などと言われたら……こっちはこっちで、ああいう連中がやっているのですから、警戒しなければいけませんよね。どうですか、今?

小野寺)これは、私が見た印象です。何故ミサイルを撃ったのかという印象なのですが……実はトランプ大統領は就任して、安倍総理との会談のときに、核、それから通常兵器、あらゆるものを使って、同盟国を守ると言っている。つまり、オバマさんと違って北に対してかなり強攻に出る。たとえば北朝鮮がICBMをアメリカ本土を狙えて核を搭載できるとなれば、その前に北を叩こう、ということだってあり得るわけです。そうすると北としては「アメリカから攻撃されたら大変」、そのときにもし本当に攻撃されたら、北の報復はどうするのかというと、「日本にある在日米軍を攻撃するぞ」と。とすれば日本は火の海になるでしょう。だから、日本が逆にアメリカに話をして、「北朝鮮を攻撃するのはやめてくれ」と。安倍総理にトランプさんへ言って欲しい、というメッセージではないかと思って、今回の4発のミサイルを見ておりました。

高嶋)朝鮮半島へ行くと分かりますけれども、ソウルが火の海とかね、日常用語で出てくるんですね。北との関係ではね。そうしたら今度は東京も火の海だって! 言っている人がいまして。こっちはね、対岸の火事のように見ていましたけど、非常に危機感が増したと。

小野寺)それは撃ち方も能力も向上しているのと、いちばん心配なのは、このトップの金正恩さん、なにが目的でやっているのかが分からない。ですから、ですから交渉のしようがないのが、今、中国も含めて、周辺国が困っていることだと思います。

高嶋)そしてミサイルを打ち上げる技術が遙かに向上していると。小野寺さんもお書きになっていますけれども、”飽和攻撃”を仕掛けてくる可能性があると。”飽和攻撃”とはどういうことですか?

小野寺)一度にたくさんの弾を撃ってくる。その後もどんどん撃ってくる。これは撃ち落とす方にとっては大変なわけです。ですから日本が撃ち落とす能力を持っているのを当然北は知っているわけですので、そうすると、撃ち落とせないくらいたくさん続けざまに撃ってくるということが”飽和攻撃”となります。

高嶋)先ほどの森田解説委員の話のなかには、36発いきなり撃てる、というくだりがありましたよね。

森田)私たちは向こうの発射する装置、発射台ですね。これは相当数あると思います。スカッドERのように、球を日本まで届ける物はかなり保有していると思います。となれば、北朝鮮に飽和攻撃の能力はない、とは言えないと思います。


北朝鮮への対策 敵基地攻撃の検討が急務

高嶋)それで固形燃料というものになったとかね、どこで、どういう風な動きで、どこから撃ってくるのか分からない。そのようなことを、じゃあ、相当日本政府というか、その関係の人たちは緊張感を高めているわけですね。

小野寺)安倍総理は「新たな段階に入った」と言っていますよ。

高嶋)仰ってましたね。

小野寺)、本当はですね、撃ってくる元を絶つのがいちばん良いのです。ですから、私どもとしては、それを反撃のための能力を日本は持っていないので……

高嶋)この間、小野寺さんは読売新聞に”敵基地攻撃 検討が急務”だと仰っていますけれども、そういう選択肢というのも、最初に出た安倍トランプ会談からですね、安倍さんが日本の国益というものを最大限引き出したような……トランプさんの100%の応援を得たというような感じですけれど、それは動きそうなのですか?

小野寺)これはトランプさんと安倍さんの会談での話というよりは、日本独自で日本を守るときに、向こうから撃たれたものは防げるけれど、何発も撃たれたら大変だと。一発撃ったら、撃ってくる元を絶たないと日本は守れない。とすれば、その能力を自衛隊は今、あえて持たないようにしているのですよ。これはそろそろ持つ可能性も検討したらいいのではないか、ということです。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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