6/26(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！①
平昌五輪は南北統一チームで！は軍事費の削減のため！？
6:29～ニュースやじうま総研ズバリ言わせて！：コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
第19代韓国大統領に就任し沿道に手を振り光化門前を通過する文在寅(ムン・ジェイン)大統領=20170510午後韓国・ソウル 写真提供：産経新聞社
「平昌五輪南北統一チーム」によって、南北統一の突破口にしたい韓国の文在寅大統領は、2018年の平昌オリンピックを、「北朝鮮との南北統一チーム」
で行うことを希望している。この考えの真意は、一体何なのでしょうか？高嶋）文在寅韓国大統領が、「平昌オリンピックは、南北統一チームでやろう」と。これはちょっと不可能だと思うのですが、以前は「南北同時入場再び！」ということがありました。これはどう思いますか？
須田）いきなりこのニュースが飛び込んできたので、かなり唐突な感じに受け止めている人もいらっしゃると思いますが、文在寅大統領は計算ずくで、「南北統一チーム」というのは、突然出てきた話ではなく、従前から考えていたと思って良いのではないかと思います。
高嶋）彼の基本的な考えであると？
須田）そうですね。
高嶋）シドニーのときに、非常に成功したという話がありますね。
須田）その背景に何があるか、ということですが、ただ単純に「南北で統一チームを作りたい！ スポーツと政治は別！」ということではない。やはり、従来からずっと文在寅大統領が主張しているように、南北対話、そして最終的には南北統一、ということを睨んだ上での、一連の動きだと思います、要するに、これを南北対話の突破口、きっかけにしたいのだと思います。では、その背景に何があるかというと、「共に民主党」、つまり文在寅さんのバックボーンとなっている韓国の政党の幹部に取材をしたことがあるのですが、どうやら、文在寅としては、軍事費の削減を強く考えているようなのです。どういうことかというと、韓国の軍事費というのは、対GDP比が2.6%あるのです。日本は約1%程。そうすると、経済規模の違いはあれど、日本の倍以上の軍事費を支出している。
「七放世代」に「ヘル朝鮮」韓国の若者たちの嘆き高嶋）韓国の置かれた状況もありますよね。北朝鮮との対峙というところがある。
須田）それが結果、何を呼んでいるかというと、財政経済上、相当大きな圧迫をしているわけです。それで、高嶋さんは「ヘル朝鮮」という言葉を聞いたことはありますか？
高嶋）「ヘルチョソン（朝鮮）」ですか……知りません。
須田）ヘルは「地獄」なので、「地獄の朝鮮」です。これは北朝鮮のことではなく、「韓国社会が今こういう状況に陥っている」と自嘲気味に韓国の若い人々が、そういう物言いをしているのですよ。どういう状況を指しているのかというと、たとえば、過酷な受験競争や就職競争。それから格差社会、等々。そういった社会の閉塞感を指して「ヘル朝鮮」と呼んでいるのです。
高嶋）「七放世代」というのはよく聞きますね。結婚、就職、住居、すべて。みんなが欲しいと思うものが何もない。「もう頭にきた。全部放してしまえ」みたいな開き直り。けっこう、若い人に多いとか。
軍事費を削減し「ヘル朝鮮」の改善の費用を捻出須田）そうですね。実は、そういうことを言っていた世代というのは、20代～40代。先の大統領選挙で、文在寅さんが当選する原動力となった世代なのです。そうすると、そういった人たちに対し、「七放世代」あるいは「ヘル朝鮮」の状況を改善していかなければならない。そのためにはお金が必要。ではどこからお金を捻出するかというと、軍事費の削減から、というのが文在寅さんの戦略なのです。ですから、デタント（緊張緩和）をしていかなければならない、ということで、今回の平昌オリンピックでの、「南北統一チーム」という呼びかけがある。
高嶋）我々が北朝鮮に対してある恐怖感より、同胞という意識がある。だから、何割かは、我々が考えるよりは穏やかに受け取っているのでしょうね。
須田）だから、日本や外国にとって見ると、「南北統一？ あれだけバンバンミサイルを撃っておいて、何を言っているんだ」というのと、韓国の中の温度差というのは、だいぶギャップがあるな、という感じがしますね。
高嶋）最後に一言。その軍事費の削減というのは可能ですか？
須田）いや、私は見果てぬ夢ではないかなと思います。
