5/5(金・祝)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!
良くも悪くも「ブレる国」である
6:29~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・外交評論家)
ブレを許さない現代の国際情景 親北政策は簡単ではない高嶋)いよいよ来週の火曜、9日に韓国の大統領選挙があります。それでこの間の選挙前の最終調査結果で、「共に民主党」の文在寅さん。安哲秀さんという方がだいぶ肉薄していたのですが、失速して。これはどう見たらよろしいのですか?
宮家)まず、文在寅さんが勝つ確率が非常に高くなった、ということなのでしょうけれども、大きな目で見れば良くも悪くも韓国の有権者は非常にブレやすい。ブレやすい国内情勢、有権者の投票同行があって。それと同時に今の国際情景というのは、そういうブレを許さない厳しさがありますよね。今は中国と北朝鮮が喧嘩をしていて、アメリカが何をするかわからない。ロシアは漁夫の利を得ようと暗躍して。とんでもない状況ですよね。それで昔みたいな文在寅さんの親北政策が簡単にできるとはとても思えない。その意味では、ブレることはあっても、今回順当に勝つにしても、文在寅さんが選挙中に公約していたことができるのか? トランプ大統領のように、大幅に変更せざるを得なくなるかもしれない、ということです。
高嶋)文在寅さんは前回、朴槿恵さんと争って、負けて。投票率が上がったら文在寅さんだと言われていたらしいです。でも、上がったのだけど、勝てなかった。
宮家)逆だったのですね。保守票がガーッと上がって入ってきたわけですよ。朴槿恵に対してね。だから、そこはもっとぶれると思う。
高嶋)選挙直前になると、ふと我に返るのですかね? 韓国の国民は。
宮家)よくわかりませんね。
高嶋)大韓航空事件のような、予期せぬ事件が起きたり、そういったことで逆転することは……
宮家)今回はどうでしょうね。保守があれだけ大統領の娘を担いでやったけれど、結果はどうだったのか? と。このしっぺ返しは必ず来ると思います。その意味では、そんなに簡単ではないと思います。
北と話すには1番最適な候補?高嶋)文在寅さんがもし、順調に大統領に選ばれることになったら、朝鮮半島の情勢は、かなり変わるのですか?
宮家)北朝鮮が今まで自制していると言われていて。そして、中国の圧力が云々言われているけれど、もう一つの目的は、やはり大統領選挙の結果を待っているのではないかと思います。その間は静かに。少なくとも核爆発はさせない、と。だけれども、もしそこで話し合いができるという状況になれば、これは北にとって絶好のチャンスですから。そこへ1度トライすると思います。だけどそんなにうまく行かないだろう、というのが私の考え。「ブレを許さない国際情勢」という意味です。
高嶋)いろいろな周りの国際情勢から、簡単にひょいひょい行けない、と。
宮家)現実的にならないとね。
高嶋)ですが、たとえば北と話すには1番良い候補であるということですよね。
宮家)ただ、「昔似たことをやったけれど、うまく行きましたか?」というのがありますね。
高嶋)それで、長嶺大使が黄教安首相と会談して。安倍総理の意向を伝えたとのことですが、日韓ということについて言うと、非常におかしなことになっていて。これは誰が大統領になっても代わりませんか?
宮家)それはそうでしょうね。ただ、もう1つ大事なことは先ほども言った通り、今はブレを許さない状況ですから。日本との関係を振り出しに戻すとか、そういうことをしている時代ではない。通は通用しないと思うのですが、通用してしまうかもしれませんね。それが無いように願っています。
高嶋)隣の国、韓国の大統領が誰になるか? それによって、また日韓の関係はだいぶ変化が生じるようです。