4/7(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！④

保守陣営が安哲秀氏と手を組めるかどうかが選挙の最大の焦点
7:10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹･外交評論家)

「共に民主党」の文在寅氏(左)と「国民の党」の安哲秀氏　写真提供：共同通信社

世論調査での支持率は安哲秀氏が47%、文在寅氏40%

韓国の出直し大統領選挙を巡る韓国メディアの世論調査で中道野党・国民の党安哲秀（アン・チョルス）元共同代表の支持率が急上昇しています。世論調査で首位を走る革新系最大野党・共に民主党の文在寅（ムンジェイン）前代表に抵抗感がある保守・中道層の支持を集めているようです。

高嶋）　韓国もとても分かりにくいです。森田さん。

森田）　５月９日に予定されている韓国大統領選挙を巡りましては、革新系の最大野党・共に民主党が今月３日に文在寅（ムンジェイン）前代表を公認候補に選びました。また、中道野党の国民の党は今月４日に安哲秀（アン・チョルス）元共同代表を大統領選の公認候補として選びました。韓国のYTNテレビの世論調査によりますとこの二人が一騎打ちとなった場合には、安哲秀氏が47%、文在寅氏の40%を8%逆転するという世論調査の結果が出ました。ただ、支持率が低迷しています保守の二つの政党なども候補者を擁立する方向ですので、その場合には文在寅氏のほうが支持率で上回っているという状況です。
ですから、保守陣営が安哲秀氏と手を組めるかどうか、ここが選挙の最大の焦点になりつつあるのですが、来週１５日に告示ということで、そこまでにまとまるかどうか、その辺の見通しはまだ立っていません。安哲秀氏は慰安婦問題の解決についての日韓合意について、「次の政権では元慰安婦と話し合って、意見が反映されるよう直さなければならない」と述べ、慰安婦合意については見直す意向を示しています。ただ、アメリカ軍のTHAAD・高高度防衛ミサイルの配備については賛成する意向を示しているという人です。

高嶋）　日韓、必ず先方がゴールポストを動かすと。変わりませんね。国の約束を何だと思っているのでしょうか。

宮家）　選挙中に言っていることはトランプさんもそうだけれど、いろいろ言うけれど、出来ることと、出来ないことがあるわけです。文在寅さんはTHAADもお引き取りいただくと言っているそうですけれど、そんなこと出来ませんよ。そういう意味では安哲秀さんが言っていることは現実的ですよね。同じように（慰安婦問題の）日韓合意も相手がいるのですからね。しかも最終的に合意したのですから、それを変えられては困る。それは誰が選ばれるにせよ、日本が言わなくてはいけないことだと思います。心配しているのは、急浮上するものは急降下もするんです。アップ＆ダウンの大きい政治は韓国の国民にとってもいいことだとは思いませんね。

反日を掲げることは韓国では安全パイ

高嶋）　軍人とか組織が民間から浮いているみたいな、そういうことを言う人もいますが。

宮家）日本も６０年代、７０年代そんなことあったではないですか。学生はみんな反米で。それが今度は反日になったと思えばいいわけです。我々は歳取ってしまったから元気ないですけれど、韓国の反政府もしくは左の人は元気ですから。まだ１０年、２０年やるでしょう。

高嶋）　おそらく国際的なシェアだって文在寅さんも安哲秀さんも持っているのだと思うのですが、国内で票を集めるとか、世論をこちらの方にいかに引き付けるかというと、こんなふうな、ウルトラコンサバみたいなことを言わざるを得ない。そして行き着く先は反日だと。

宮家）反日ということは韓国では安全パイですから。これやっておいて傷つく人はいませんので。そうしないと選挙に勝てない。どんなに立派なことを言っても選挙に勝てなくては意味がない。

高嶋）　そういうことから言うと、朴槿恵（パククネ）さんは、けっこうぎりぎりのことをやっていたということですか？

宮家）　保守としてやるべきことはやったのでしょうが、やっぱり、ちょっと力不足だったのかな。

高嶋）展望が見えませんね。

宮家）　しかし、民主主義をやっている以上、しっかりとしたものが出ないまま、どんぐりの背比べということはありうるわけですよ。それは多めに見ろとは言わないけれど、ガンバてもらいたい。民主主義は民主主義。

高嶋）どうなるのでしょうか。安哲秀さん、一本化されれば優位ということです。