3/31(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
朴槿恵前大統領きょう未明逮捕~拘置所へ
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)
朴槿恵前大統領 逮捕される韓国の警察は今日未明、請求していた前大統領の朴槿恵容疑者(65)の逮捕状をソウル中央地裁が発付したことを受け、直ちに収賄などの疑いで朴前大統領を逮捕しました。大統領経験者では1995年の盧泰愚氏、全斗煥氏に次ぎ、3人目の逮捕者となりました。
高嶋)悲しき大統領の末路、またしても、というような感じですね。逮捕されました。それではその辺の動きも含めまして、まずニッポン放送報道部、森田耕次解説委員です。
森田)今日未明に逮捕された朴槿恵容疑者を乗せた車は、今朝早く午前5時前に収容先のソウル拘置所に到着しまして、朴容疑者はすでに拘置所に収容されています。朴槿恵容疑者は今月10日に大統領職を罷免されていて、韓国の検察は今月27日に逮捕状を請求していました。ソウル中央地裁が昨日朴容疑者を出頭させ、昼食や休憩時間を含めて9時間近く聴取しましたが、その結果裁判所は「証拠隠滅の懸念があり、逮捕の理由と必要性、相当性が認められる」としまして逮捕状を発付し、検察は直ちに逮捕しました。今日午前3時40分過ぎに逮捕されています。韓国メディアによりますと、朴容疑者は親友の崔順実被告と共謀しまして、韓国最大の企業グループサムスンからおよそ30億円の賄賂を受け取るなどした疑いです。検察と特別法に基づき捜査した特別検察官は、「大企業に資金拠出を要求した強要」とか、職権乱用、それから公務上の秘密漏洩など、合わせて13件の容疑で、崔順実被告らとの共謀を認定しています。朴容疑者は容疑を否認しているのですが、贈賄側のサムスングループの李在鎔被告はすでに起訴されており、朴容疑者も起訴されるのは避けられない情勢です。検察は5月9日の出直し大統領選挙への影響を最小限にするために、4月15日の告示までに、朴容疑者を起訴するという見方が強くなっています。
高嶋)韓国の歴史は同じようなことを繰り返しますね。宮家さん。盧泰愚と全斗煥、2人の大統領が囚人服みたいなものを着て裁判官の前で立って。あの姿が脳裏に焼き付いていますけれど。拘置所に移されて、裁判になっていくでしょうから、これは当然そういうような絵柄になっていくでしょうね。
韓国の大統領制度と朴槿恵という人間の問題高嶋)たぶん恩赦とかそういったので、そんなに長い刑期にはならないとは思うのですけれども、なぜこういう風になったのかと。
宮家)私は韓国は必ずしも専門ではないけれど、2つ理由が考えられると思います。1つは、そもそも韓国の大統領制というのは5年1期です。従って2期目がないということになると、やはりレームダック化が早い、ということですよね。力というのはなかなか維持できない。そうすると残念ながら韓国の大統領の末路は意外に哀れですよね。
高嶋)そうですね。
宮家)もう1つの問題は彼女自身にあったと思います。非常に数奇な運命ですよね。父も母も暗殺されているでしょう。ある意味では家庭が無くて、孤独で、そのような人がどれだけ政治家としての器があったのか。なるべくしてなったというより、こういう運命の中に弄ばれたとは言わないけれど、いろいろな経緯が重なって大統領になってしまったわけでしょう? そうすると相手がいないし、孤独だし。そういう人がセウォル号のクライシスが起きた時にうまく対応できなかった。そういうことの積み重ねですよね。ですから私は両方。システムの問題と、個人の問題。両方があるのだと思います。
高嶋)ということは、俗っぽく言えば彼女は大統領の器では無かったけれども、いろいろなプロセスを経て祭り上げられて大統領になってしまった。そして彼女は非常に孤独な人で、その隙間に崔順実という、いつも味方になってくれていた唯一の友の言いなりというか。だから悪いことをしている、という意識が無かったのかもしれないですね。
宮家)無いと思いますね。でも、これも容疑が13件あるそうですが、これを微罪とは言いませんけれどね。でも韓国の大統領というのは大なり小なりやったことなのではないですかね……そういう意味では、同情はしないけれどかわいそうだなと思いますね。
高嶋)そうですね。だって変わりようが激しすぎるじゃないですか。この間までは大統領府青瓦台にいて、もうみんなが傅いていた。それが、7,8時間の裁判の聴取を経て、逮捕されて拘置所に送られたと。
相談相手に恵まれなかった朴槿恵宮家)それにしてもね、自分の国の大統領をあそこまで持ち上げて、引きずりおろすというね。それをやって本当に成熟した民主主義になるのかな。まあ時間が掛かるのかもしれないけれど。日本も昔そういうことがありましたけどね。やはり時間が掛かるんだ、ということをつくづく思い知りました。
高嶋)対極に、いまさら思い出しても仕方がないですが、男社会のイギリス議会の中になって、サッチャーさんがやりましたよね。
宮家)そうですね。
高嶋)でも彼女には良き家族がいましたよね、特に旦那ね。デニスって旦那さん……
宮家)相談相手は大事ですよね。
高嶋)だからセウォル号の時には、宮家説によると要するに「パニくっていたのでは?」という。
宮家)「7時間空白だった」とかいろいろ言われているでしょう? だけど、結局どうしていいかわからなくなって、それで雀被告の方になびいて行ったのではないですかね……
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